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内田樹さんと、ムスリムでイスラム学者の中田考さんの対談本。
イスラーム文化圏のことは高校・大学でも習ったし、すでに聞き覚えのあることも少しはあったけど、中田さんご自身がムスリムというのがよかったのだろうな、新鮮でした。
相手の人格や内面云々じゃなく、砂漠で飢えている人がいたらとにかく食べ物あげるでしょ、という感覚が面白かった。すごく生命と直結してる、生きていくための法なんだなぁ、イスラームの教えって。この人たちは政治も学問も経済も、全部神様との約束がベースなんだから、政教分離や国民国家なんてのは押しつけても仕方ないように思う。それにしても、現地の人にしてみればタリバンのが米軍よりはよかったかもしれないなんて、ただニュース見てるだけじゃ思いつきもしなかった(もちろん、どちらも見方のひとつでしかないけれど)。
お金に利子がつかないとか、ケチ(吝嗇)と強欲は違うとか、いろいろと目から鱗でした。砂漠の遊牧民の感覚っていうのは、我々日本人にはなかなか知りがたきもの。
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イスラームの世界を内田先生と中田先生が対談方式で分かり易く説明した本。イスラームって考えると断食やらメッカに向かって礼拝するように厳格な宗教であると考えがちだが、やっている人にとっては習慣みたいなもんだからあんまり辛くなくみたい。あと、断食した後はただで高級料理を提供してくれるサービスがあるのには驚いた。結構イスラームって共同体としての機能を金そろえた宗教であり、それだからこそ宗徒が結構いるんだとしみじみと思った。
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イスラーム世界を知るのに対談形式で読みやすい。読んでいる最中、中田考先生がときの人になっており焦りましたがますます興味深く読みました。イスラームに国境なし。吝嗇はいけないことになっている。困っているものがいれば惜しみなく与えるがゆえにイスラームはゆるく領域国家と異なる共同体となれるはず。カワユイカリフ道の提唱にあるカワユイも困難な道のり、暴力的な宗派の対立を乗り越えるのに、カワユイが最強というある意味、相手を脱力させるネーミングでもってイスラーム本来の考えの浸透をはかるという策なのでした。
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中東のことが気になっていて、本書の著者である中田考さんが家宅捜索を受けるという事件が起きたので屋も立てもいられなくなり図書館から取り寄せて緊急読了。
イスラーム世界の存在によって西欧の推し進めるグローバリズムを相対化できるという目からうろこの発想を持てて、現政権下で推し進められるブローバリズムに感じていたたまらない閉塞感に風穴が開いた。ちょっと、一息つけたという感じである。
司馬遼太郎さんの「この国のかたち」を読んだ直後に読めたのも良かった。大きなスケールから観る人類の可能性というものがあるのだ。清々しい。
なるべく大きな人間になりたいな。
Mahalo
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内田樹と今話題の中田考の対談を書籍にしたもの。イスラム世界とはどのような世界かについてを、他の世界との比較の上まとめ、今、混迷を極めている中東情勢について議論した上で、打開策としてカリフ制の導入を議論している。
対談形式をとっているためか、ところどころ話が飛んでおり、そこが不快に思えた(記述と文脈の不一致)。しかしながら、中田考はイスラム世界にどっぷり浸かっている人間であり、その主張には、一定の説得力を持つ(それへの賛否はともかくとして)。イスラム世界を理解する上では、目を通した方が良い書籍だとは思う。
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イスラームのことがよくわかった。
知らないものは怖いもの。西欧文化ベースの思考回路では、イスラームはそもそもの議論の出発点からずれちゃうってことがわかった。目から鱗本。
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イスラム国について興味を持ち読んでみた調度読んでうちに対談者の中田元教授もニュースで取り上げられるようになりタイムリーになった。内容はイスラームに関してユダヤ教やキリスト教に絡めての対談式の説明と中田元教授の独自論など
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[ 内容 ]
「ユダヤ教、キリスト教、イスラームの神は同じ」
「戒律を重んじるユダヤ教とイスラームのコミュニティは驚くほど似ている」
「千年以上にわたって中東ではユダヤ教、キリスト教がイスラームのルールに則って共存してきた」。
なのに、どうして近現代史において衝突が絶えないのか?
本書は、日本ではなじみが薄い一神教の基礎知識を思想家内田樹とイスラーム学者中田考がイスラームを主軸に解説。
そして、イスラームと国民国家、アメリカ式のグローバリズムの間にある問題を浮き彫りにし、今後の展望を探る。
[ 目次 ]
序 レヴィナシアン・ウチダ、ムスリム中田先生に出会う
第1章 イスラームとは何か?
第2章 一神教の風土
第3章 世俗主義が生んだ怪物
第4章 混迷の中東世界をどう読むか
第5章 カワユイ カリフ道
補遺 中東情勢を理解するための現代史
跋 未だ想像もできないものへの憧憬
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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買う
内田さんの考えはTwitterを見ている限り、好きにはなれないのだが、この本は色々なものをガンガン壊しにかかっていて、とても良かった
特に、グローバル化についての意見は、それに関わる人は読んで頭の片隅にでも置いておくべきだろうと感じる
注は微妙
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【何故読みたいか?】
世界の情勢を知りたいから
内田樹さんの本だから
視点を変えて世界を観たいから
【ファーストインスピレーション】
読みやすい。
世界を騒がせている、イスラームのことを知りたくて読み始めたが、グローバル資本主義が目指す世界観、それに対抗するのが「食文化」という内田さんの視点に驚く。
金貨は貴金属だから、ある程度もっていると邪魔になる。は(笑)だけど、納得。紙幣は記号だからじゃまにならない。だから、増殖する。
「クロスボーダ」は国家に滅ぼされる。例)東インド会社。ならば、グローバル企業もいずれは国家に滅ぼされる運命か?
イスラーム教だから、特殊な教義があるわけじゃない。ごく当たり前のことを示している。が、結局は人間が歪曲してしまう。
時間を置いて再読してみようと思う。
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これはすごい。40年も生きていて一体何を見ていたのかと愕然とするくらい常識の転換した一冊。イスラームってそんなに悪くないんじゃないかと。。
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イスラム教や現在取り巻いてる世界情勢に関して関心を持って理解していく事で少しは何か自分に出来ることの糸口が見つかるのではと思う。この本で今まで知らなかった基本的なイスラム教について理解できたので、更に知識を深めていきたい。
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私達には理解しにくいイスラム教の教え、考え方が良くわかる貴重な本だと思います。読みやすいわりには色々考えさせられる本でした。沢山の人が読んでイスラム教を理解し紛争のない世の中になったら良いと思います。
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思想家の先生とムスリムでイスラーム学者の先生の、対談。
なので副題に「イスラーム、キリスト教、ユダヤ教」ッてあるけど、基本的にイスラーム万歳、なお話。
正直、読んでてこんなに「むきーーーッ!納得いかーーーんッ!」て思ったのは久し振りだよ…。
確かにイスラームとキリスト教の身体性の違い、とか、世界情勢を欧米視点ではなくアラブ視点で見る、とか興味深いしなるほど、と思うとこもあったけれども。
だけどね。
「イスラームは共有し許す文化で、寛容である」
「イスラームは自分たちの宗教を信仰するようには決して強要しない」
「イスラーム法は女子供を殺してはならない、戦利品をどう分配するかなどのジハードのルールを定めている」
て、そういう宗教が、女性に教育を受けさせず、受けようとする女の子を撃ち殺そうとしたり、誘拐して奴隷として売るの?
身代金目的に一般人を誘拐し、お金が取れなかったら首を切って殺して、その映像を公開するの?
それが、慈悲深い神様のすることなの?
そのへんについての説明がさっぱりないので、ものすごく納得いかない。もやもや。
あああ納得いかない。
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世界3大宗教でありながら、実はよく
分かっていないイスラム教。
・苛烈なイメージがあるが、何故10億
を超える信者がいるのか?
・何故、欧米と衝突するのか?
・同じ中東の砂漠を起源とする一神教、
ユダヤ教とキリスト教とは何が違うのか?
こうした疑問にわかり易く答えてくれる一冊。
特に、欧米の「領域国民国家」やアメリカの
「グローバリズム」と根本的に相容れない
イスラムの考え方が興味深い。
日本人イスラム学者とユダヤ教に造詣が深い
思想家との対話形式で読み易く、私にとって
イスラム教の基礎知識を知ることができた
基本書でした。