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【一冊で柳田国男の思想をつかむ】『遊動論 柳田国男と山人』(文春新書)で画期的な柳田論を展開した思想家が、柳田思想の核心を精選し、解題をそえたオリジナル版。
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「小さきもの」の思想 (文春学藝ライブラリー)
(和書)2014年03月02日 14:51
柳田 国男 文藝春秋 2014年2月20日
非常に良かったです。
柄谷行人さんが組んだ柳田国男さんのアンソロジーということで、以前全集を見かけたけれど30巻以上もありそれぞれの巻もボリュームがあるので無理だと思っていたのですがこういった本は本当に読みやすくて僕のようなものにとって道案内として良かったです。
柄谷さんの影響で坂口安吾全集を全巻購入して読んだことがあります。柳田国男さんの全集は図書館にあるのを知っているから安吾のように購入する気はありませんがこのアンソロジーを読んでいたら全集を読んでみてもいいかなと思いました。
僕は年間100冊ぐらいの読書量です。それを考えて一年で全集を読むことは可能ですね。各巻のボリュームがあるからそれを考えても一年で読み切ることはできそうです。
このアンソロジーの道案内には感動を覚えました。皆さんも読んでみてください。
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文春学藝ライブラリー
柳田国男 「小さきもの」の思想
柄谷行人 が 柳田国男のテーマを一望できるように1冊に編集した本
柳田国男は仕事の幅が広い。第一次大戦後にジュネーブに行き、南洋諸島の委任統治の仕事をしたり、農商官僚として農村の自立を説いたり、白昼に星を見たり、神道学やエスペラントに通じていたり
編者が目付けした柳田国男のテーマ
*山の人生〜東北、天狗など山人論、遠野物語
*島の人生〜沖縄、南島研究
*民俗学=史学の方法
*小さき者と言語
*死者との交通〜先祖の話
山の人生、島の人生は興味深い。全集読もうと思う。沖縄と東北で一致する現象を日本の古層と捉えた方言周圏説は 思考実験的で面白い
最も驚いたのは「親方子方」や「労働」「親分割拠」など 労働組織としての家についての論考集。オヤとコの内容は、親と子より本来広い内容を持っていたとしている。親戚を含めてオヤコと言っている地域が多かったらしい。オヤコ関係は労働組織を意味し、実際の血縁関係より強いとのこと
山の人生
*山地は平地の世界を嫌う人が逃れる場所〜山地には自由で平等な世界が残存する
*先住民の狩猟採集民が稲作農民に追いつめられて吸収されるか、山に逃れ山人となった
*山人は実在するか不明であり、天狗や妖怪とみなされる者
島の人生
*沖縄と東北〜南北の両極で一致する現象がある場合 それが古層を示す
*島の人生=孤島苦〜ひとは互いに無用に争い、差別しあう
*日本は孤島であるため、強制的に同化されるか、山人となった
小さき者と言語
柳田国男の思想は「小さきもの」の価値を見いだすこと
死者との交通
日本人が敗戦後の社会を死者とともに再建し〜二度と戦死者を生み出さない社会を作る