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“「いやいやマスター、猫という生き物は時として、魔法を使うものですよ。特に愛する誰かのためならば、ね」
ベルの音が鳴り、ドアが開きました。
氷のように冷たい風と一緒に入ってきたのは、この冬、クリスマスの頃からお店にいらっしゃるようになったお客様。ご高齢でいらっしゃるようなのに、そしておなかまわりが豊かでいらっしゃるのに、身のこなしはかろやかで、ステップでも踏むような華麗な足どりで、こちらへと歩み寄ってきます。
衿と裾に毛皮のついた長いマントを羽織り、茶色いボーダーのカットソーと革のズボンにブーツという姿はどこか海賊のよう。
いいえ、そもそも時折楽しげにきらりと光る不適なまなざしが、物語に出てくる元冒険者の海賊、世界を股にかけて冒険してきた過去を持つひとのように思えるのかもしれません。
お客様はふわりとカウンター席に腰を下ろすと、わたしに笑いかけました。”[P.22]
2巻目。
サイン本わーい。
この人は安定してるなぁ。
ちょっとどきりとする不思議と、ふんわりとした暖かさと、冷たい悲しみと。
上手い具合の塩梅。
“生まれつき、ほんの少しなんだけど足が片方不自由で、ふだんはそうでもないけど、走ろうとすると足がもつれて遅くなったりすることを、笑ったりいじめたりする子もいて、それもあって、ほっとけないとわたし、思ってたの。その子、とても優しい、いい子だったから、わたしほんとうに腹が立っちゃって。なんでこんないい子に意地悪するの、って。
その子がね、時々、いってたんです。
不思議な言葉を。
『ひかりちゃんは、ぼくのお姫様だから。約束のお姫様だから。だから、何かあったら、ぼくがきっと守ってあげるからね。命をかけても守ってあげるからね』
二年生なのに、難しい言葉を知ってるなあ、この子は偉いなあ、って思ってました。”[P.247]
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【あらすじ】
風早の街、港のそばに佇むかもめ亭。ある冬、凍てついた風とともに現れた謎めいたお客様が若き主の広海に語るのは、愛する家族の幸福のため、小さな英雄として生きた黒猫(「猫の魔法使い」)に、絵が好きな少女と三匹の白猫(「白猫白猫、空駆けておいで」)、三度生まれ変わり最愛の娘を守ることを願った山猫(「約束の騎士」)と、なぜか猫にまつわる物語ばかりで―。その店の紅茶には、魔法の香りがする。人気シリーズ第二弾!
【感想】
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神出鬼没のお客さんが語る猫の物語。
マスターとおじさん猫トラジャの話が好きだな。
魔法を信じるかどうか。
”三分の一の魔法”
三分の一ととるか三分の二ととるか。
”猫姫様”も好きだな。
猫の国の王子様と3つの願い。魔法の力。
”約束の騎士”も不思議な話。
恩返しで3度生まれ変わって守りぬく。
命と引き換えなのに、得意げで幸せそうって・・健気。
最後は違う形だけど、いっしょにいられるね。
よかった。
曲が聞いたことあるのもあれば、ないのもあるけど
I Will Be There with You いい曲だな。
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猫にまつわる不思議な話(^^)どの話も猫の想いが切なく、悲しく、心に沁みる(*´-`)こんな世界に自分も生きていけたらなぁ
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読み慣れすぎたせいか、なんとなく展開がわかるような気がする王道なのだが、じんわり涙がにじむような
マリリンシリーズと、ルルーシリーズと、シェーラ姫(新含む)シリーズ、ささやかな魔法の物語は未だに本棚にある。
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どの作品も、猫が魔法を使って…っていうお話。どれもすごく優しい雰囲気で、魔法の話というのもあるけどふわふわした感じのお話でした。読んでいて猫がほしくなりました。魔法使いの猫は、人間になる魔法を使って飼い主さんを助けたり、飼い主さんのことを思って行動する。どれもとても感動的な奇跡的な話なので途中何度もうるうるしてしまいました。うるうるしちゃうけど、きっと何度読んでも楽しいし、感動できる。猫に魔法を使って欲しいなあとか思ってしまいました。
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猫にまつわる不思議で優しいお話。
家にも猫がいて、いつも心和ませてくれるけれど、不思議な話はないですね。
猫の国も魔法も、カフェかもめ亭の存在でさえも信じたくなります。
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『カフェかもめ亭』の続編です。
「ですます」調で始まる珍しいタイプの話だと思ったら
童話を主に書いている人なんですね~。
今回は猫にまつわる話ですが、どの話もよかった。
「三分の一の魔法」「白猫白猫、空駆けておいで」が特に
お気に入りです。
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ちょっと不思議な猫の物語
猫好きな私にとっては
とてもよかったです。。
前に飼っていた
猫の楽しい記憶を
思い出してくれた
そんな本でした。
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通勤時、1エピソードが終わるたびに目頭が熱くなり、涙をこらえるのが大変なほど素敵で心温まる一冊でした。
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猫たちの不思議な話が詰まってます。亡くなった猫の事を思い出して、うちの子も旅に出ていつか戻ってきてくれたらいいなと思います。そして怪しげなお客様が可愛いです。
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とあるカフェの独りの猫舌のお客さんが絵を見せながら語る、数々の猫に纏わるお話。猫の不思議さとともに、一緒に暮らしてみたくなる物語でした。しろのお話が一番好きでしたね。
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「カフェかもめ亭」の続編。
だが、実際には「カフェかもめ亭」の表紙に描かれた猫のイラストにヒントを得て、作者が子供向けに発表した猫にまつわるエピソードを、かもめ亭のマスター・広海に向けて、広海が子供の頃に出会った野良猫が魔法の力を借りて、人間の姿になって現れ、猫にまつわる話を語るという形式で描かれている。
猫とか魔法とか、とてもファンタジー要素が多いのだけど、この作家さんの作品はいつも人生のいいことばかりを描いている訳ではないことが特徴的。
魔法が出て来るのに、普通に助からない命もあるし、人の悪意もきちんと描かれるし、悲しい話もある。
ファンタジーが苦手な私は、いつも最初に「失敗したかも」と思いつつ、読み始めるが、いつの間にか作者の世界観に引き込まれてしまう。
子供向けの作品の方で活躍されているのか、なかなか新作が出ない作者さん。
「百貨店の魔法」はまだ読めてないけど、新たな風早の街を描いた作品が待ち遠しい。
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素敵なお話だと思うけれど別れの方が多くて寂しいです。
寿命が違うということを再認識してうちのこ大切にしたいです。
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「猫の魔法使い」
開けてと願うと。
強い想いがあったからこそ出来たことだろうが、気付くのが早ければ兄弟も助けれたのかもな。
「ふわにゃんの魔法」
旅に出たねこは。
地道に冒険するのは夢があるが、帰宅する際に使った方法で行けばすれ違わなかっただろうに。
「踊る黒猫」
呆気ない終わり。
回覧板に書かれた言葉を読まなかったとしても、普通に考えれば分かることなのではないのか。
「三分の一の魔法」
願い事を叶えて。
重要なのは作品の構成や読んだ後の感想であり、年齢や職業は全く関係の無い世界なのだろう。
「白猫白猫、空駆けておいで」
三匹のしろたち。
こうしておけばと考え始めたら終わらないだろうが、幸せだったと一言聞けたら十分だろうな。
「猫姫様」
命をかけて護る。
見た目も大切かもしれないが、勝手に決めつけ殺した後で真実を知ったらどうしていたのだろ。
「約束の騎士」
命をかけてでも。
三度も助けることが出来たのだから、四度目に出会う時は互いに幸せで笑い合えるといいよな。