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なかなか刺激的なタイトルだが、単なる釣りではなく、本当に面白い。良著だった。
世の中のコンサルタント達が企業に提案する経営理論やベストプラクティスは必ずしも(というより多くの場合は)正解ではない。
それを顧客に対していかに良いものであると、データに基づいたプレゼンをして、納得させて、売りつけるかが「コンサル」の仕事だ。
経営コンサルだけでなく、流行り(?)のいわゆる「課題解決型営業」というものを自称する企業の人間ならチクっと感じるものがあるのではないだろうか。
今の時代、コンサルタントを雇わず、社内の人的資源だけで経営を完結するのは難しいし、効率的ではないかも知れないが、一番大事な「考えること」、「意思決定をすること」をアウトソーシングしてはいけない。
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MEMO:
26
ひとつの流行が広く普及すれば、その問題点も広範囲に表れることになり、今度はその反省点を踏まえて次の流行がつくられる。外的要因に対応する「競争戦略」のあとには、内的能力にもとづく「コア・コンピタンス戦略」が登場。(中略)こうした現象を食いとめるには、経営コンサルタントがいっときしか流行らない経営手法を次々に開発して売り込むのを、やめさせるしかない。
59
「戦闘準備において、作戦そのものは役に立たないことをつねに思い知らされたが、作戦を立てる行為こそが重要だ。」アイゼンハワー
69
その企業の経営陣は忙しさにかまけ、工場に足を運んで作業員の話を聞く人など誰もいなかったのだ。※現場の声を集めること
101
どんなツールや方法論を用いるかは、たいした問題ではない。人間こそ問題の原因であり、解決の手立てなのだ。
132、133
『測定可能な目標が弊害を起こす』評価基準は管理職層が参考にすべきものであり、管理の方法になってはならない。評価指標そのものが目的になってしまう。
157
業績考課プロセスなど、まったくもって公平でも客観的でもない。それもそのはず、評価や判断というのは主観的なものだからだ。
167
システム上で管理などしなくても、マネージャーも部下も会社の目標の達成に向けて努力するはずだと信頼できないのだとすれば、目標の落とし込み以前に、その会社は大きな問題を抱えていることになる。
197
やはりよいリーダーには、自分自身のことをよく理解し、他人に共感し、柔軟性を示すことが求められる。――生きていくためのスキルだ。
219
「ラベリング効果」は証明されている認知バイアスのひとつだ。
278
個々人のことを考えれば、人間は必ずしも理性に従って行動するわけではないとわかっているのに、人間を集団としてとらえると、なぜか理性的に行動するものと考えてしまう(中略)ビシネスの世界には、ベストプラクティスに従えば成功でいるという考え方が浸みこんでおり、その前提を疑う人はほとんどいない。
280
いつもコンサルタント任せにしてしまうと、あなたの会社のことを何もわかっていない人間が、あなたの会社のビジネスについて最も重要な意思決定を行っていることになる。
299
できるだけ無駄はカットし、業務委託も多いこの時代に、コンサルタントを雇わずに済ませるのは不可能に近い。(中略)クライアントが最もやってはいけないことは、コンサルタントを雇って、自分たちの代わりに考えさせることだ。
311
私たちはじっくり考えもせずに早い段階で選択肢を絞り込み、最初によいと思った解決法に飛びついてしまう傾向がある。
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「未来は予測できない」
「人間の能力は数値化できない」
「人間は無理な目標を強制されるとごまかしをする」
...常識でわかる・想像できる「現実」が、コンサルや経営層にとっては見えないらしい(それとも知っていて見えないふりをしているのか)。
バランスドスコアカードやKPI、成果主義、数値目標等、おなじみの管理方式とその悲惨な結果がこれでもかと語られる。
キリスト教、共産主義、金融工学...「頭」で考えたモデルを現実世界に強引に適用し、破壊的な結果を招くのは欧米人の十八番らしい(それを無批判に受け入れる日本人も情けないが)。
モデルの欠陥はただ一つ。「人間」を物理法則に従って動く「モノ」と同じに見ている点である。
経営層が社員を「人間」として考えたとき、コンサルが提案するモデルに社員を合わせるのではなく、社員に合うようなしくみを考える方が賢明な解決策であることに気がつくだろう。
「問題を起こすのは人間だが、問題を解決できるのも人間」
...なんとシンプルな解決策だろうか。
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「著者は自らが経営コンサルタントとしてクライアントに勧めてきたさまざまなメソッドについて、その経緯と理論を振り返りながら、コンサルティングを受けた企業の顛末を詳細に語る」とある通り、本当に暴露本に近い本。非常に面白かった。結局、業績を挙げるには、チームが結束して同じ方向にむいて必死に努力することに尽きる。
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コンサルタントが持ち込む理論やツールは新手のダイエット法と似たようなもので直ぐにリバウンドするとして、「戦略計画」、「最適化プロセス」、「数値目標」、「業績管理システム」、「マネジメントモデル」などを槍玉に挙げ糾弾、自身が進めてきた組織内の地道な対話を進めることが重要と説く。ただし、外部から客観的な意見を聞くという意味でのコンサルタントは否定していない。
『大事なのは、お金を頂く価値のあるものを作り出すことではないのか?それはただお金儲けが目的のビジネスとはわかけちがう。』とある。先週の木曜日、金曜日と業界の先輩と飲む機会があり、偶然にも如何にITで顧客の価値を創造するかとの話になった。ビジネスは須らく目的と手段を取り違えず誠実にが基本です。
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業界人としては非常に面白かった。著者の偏りすぎな意見もよし。読み物として面白い。ビジネス関連書で初めて笑いながら読んだ。ただ、万人受けするかは疑問。
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チェック項目7箇所。人材はビジネスの一部分ではない、人材なくしてビジネスは成り立たないからだ、オフィスや設備だけでは、どうしようもない、ビジネスとはすなわち「人」なのだ――非理性的で感情的で気まぐれで、クリエイティブで、面白い才能や独創的な才能を持っている人間たちのことだ、そんな人間が理屈どおり動くはずがない。問題は、人びとが戦略計画イコール解決策だと信じてきたことである、だが、計画自体にはほとんど価値はない、名高い将軍たちが示したとおり、計画を立てる過程こそ価値があるのだ。戦略開発の価値は完成した紙の報告書にあるわけではない、そんなものは捨ててしまっても構わない、自分たちで学び発見するプロセスにこそ価値がある。数多くの生産機械で起きる問題さえ、機械オペレーターの操作ミスやメンテナンス不良など、たいていは人間のミスが原因である、人間が作った環境では、人間が原因を作っていない問題を探すほうが難しいくらいだ。評価基準は洞察を得たり知識を高めたりするのには役立つが、目標になってはならない、さもないとそれ自体がマネジメントのシステムになってしまう、評価基準には優れた決断はできない、優れた決断ができるのは人間だけだ。優れたマネジメントスキルとは、よい関係を築くためのスキルだ、ひと言、それに尽きる、あれこれ考え過ぎることはない、テクニックや理屈の問題ではないのだ。「僕のビジネスモデルはビートルズだ。4人の男がお互いの悪い部分をうまく抑え合っている。それでバランスが取れて、ただ4人の能力を集めたよりもはるかに大きな相乗効果が生まれた。僕はビジネスも同じだと思っている。ビジネスでも偉大なことは決してひとりでは成し遂げられない。チームで成し遂げるんだ」。
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某社のコンサルに怒る私を慮って後輩が貸してくれた本です。
要は理論やツールに振り回されて、もしくはそういうコンサルタントに振り回されるとろくなことがないですよ、という話。
著者が経験してきたコンサルティング事例がいろいろな分野で紹介されているが、言いたいこととしては初めの数章で十分。
とはいえ上述の要点には激しく同意で、ほんと頼むわ…というのは心の叫びです。
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要するに、コンサルタントが駆使するフレームワークやらなんやらに頼ってはいけないということ。
人材育成の箇所は、少々、冗長な気がした。
マネジメントは、要は部下と良好な関係を築くこと、部下に関心を持つことが大事、ということ。
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コンサルタント懺悔録、あれもこれもごめんなさい、コンサルタントが原因の失敗エピソードがあれこれ…ではない。
コンサルティングの何が問題なのか、コンサルティングとはどう付き合っていくべきなのか、コンサルタントは何ができず、何をさせて、何を自分たちでやるべきなのか。実際にコンサルタントとしても働き、ユーザー側としても働いた著者による「(私が思う)正しいコンサルタントとの付き合い方」。
結局のところコンサルティングはあくまでもツールであって、全てを解決してくれる魔法の道具はない、という話。
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カレン・フェラン著「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」読了。気鋭のコンサルタントがフレームワーク万能論の反省を次々と吐露していく。大金を払ってコンサルを入れ、提案された大量の資料をもらうだけで終わってしまうのはどこかで見た景色。結局大事なのはツールや理論じゃなく、それを実行する「現場」であり「人」であり「心」なのだ。良書。
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元コンサルタントの懺悔。コンサルタントは、(本気で思っているか商売上そういう振りをしているかは別として)形式化されたリーダーシップや人材マネジメントといった方法論やツール、プロセスを適用することで常に効果を発揮すると考える。一方、クライアントはコンサルタントが解決策を示してくれると考える。結果、現場のことを分かっていない人間があれこれやって前の状態よりも悪くなる。本来方法論などは、そこで働く人々がより良く連携できるようにするためにあるはずのものが、いつのまにか方法論そのものが重要視されて人が置き去りにされる。
いろいろと思い当たるフシがあって腹立たしくなったり、この先も、現場を見ずに方法論を押し付けてくる人が出てくることは普通にあるだろうと残念な気持ちになったりしたけれど、この本で指摘されていた「業務をまわしているのは人。コミュニケーションをもっと取りましょう」と「コンサルタント(他人)に頼り過ぎず自分で考えましょう」という当たり前なことが大事なんだと思った。
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・方法論やツールはあくまでもツール。考えることが重要
・課題/問題解決には対話が重要
・組織は人間で成り立っている。優れたマネジメントスキルとは、結局は(部下などと)よい関係を気づくためのスキル
・クライアントとして最もダメなのは、コンサルに丸投げすること
面白かった。また再読しようと思う。
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経営コンサルタント自ら、コンサル業界が犯してきた過ちをとうとうと語る本。長いが内容は真っ当。図書館で借りた。
以下メモ。
⚫︎ビジネスの問題はことごとく、状況に反応する人間が引き起こしている
⚫︎コンサルは芝居で商売している
⚫︎この数十年、企業のリーダーたちは、どうしたら我が社はビジネスを通して人々の暮らしをもっとよくするために貢献できるか、という重大な課題に取り組もうとせず、あまり意味のない問題ばかりとらわれてきた。どうしたら競争優位性を確保出来るか、株主価値を最大化出来るか、利益を増やせるか、人材活用の効率を最適化出来るか。
⚫︎ジェミニやファイザーはコアコンピタンスの観点から独自の能力を活かした事業展開を行った結果、大失敗した。ポーターの観点からすれば、差別化戦略だった。ジャックウェルチとBCGの理念が組み合わせた戦略だった
⚫︎戦略策定の典型的なプロセス。将来を予測。予測に基づき大胆なストレッチ目標を設定。周囲の人々を説得。その目的には特に関係のない単なる月給取りである一般の従業員らも同じ目標に向かって努力するように。目標達成に向けて邁進する。成功を祝う。
⚫︎アイゼンハワー。戦闘準備において作戦そのものは役にたたないことをつねに思い知らされたが、作戦を立てる行為こそが重要だ。
⚫︎業界の動向や経済シナリオ、競合企業の強みと弱み、規制の変更、消費者の声などをしっかりと把握することにより、洞察と知恵を持って一企業としての意思決定を行うことができる。そのことをわきまえていれば企業はさまざまな状況変化に応じて柔軟に対応し、大きなチャンスに気づくようになる。計画を立てることは考え方を広げてくれる
⚫︎複数の業務課題を抱えているケースが多く、改革手法はどれも完璧には合わず、臨機応変に調整が必要。あくまでガイドラインとして、あるいは各自の判断で用いるべきツール
⚫︎ふせんを貼り付けるブラウンペーパーメソッドは、厳しい意見であっても感情的にならずに伝えることができる。問題があるのは人ではなく、業務プロセスであって、人ではないのだ。ガス抜きと全体について話し合うことが必要。
⚫︎営業は商品の在庫切れは困るが、在庫管理の担当者は出来る限り在庫を減らそうとする。マーケティングは新商品の発売を急ぐが、法務は商品の品質検査を徹底させるべきだと主張する。本社が社内のプロジェクトの数を減らそうとする一方で地方の支店は改善プログラムの一環で新しいプロジェクトをどんどんたちあげるなと。部門間の対立が発生する。
⚫︎新商品開発チームのメンバーは完璧な商品コンセプトができるまで他部門の人にはあまり話そうとしない。その結果。何ヶ月もかけてコンセプトを完成させた挙句、実は法律や規制上の問題、あるいは製造面の問題で残念ながら商品化は不可能だと判明する。開発に費やした時間は全て無駄になってしまう。コンセプトが未完成のうちに関係者全員に見てもらえればダメな案は早い段階でボツになるのに、バカだと思われたくない気持ちが邪魔をする
⚫︎各部門ごとの目標は相反していることが多い。全体から見れば、予定通���納品できた注文数の数と、受注から納品までのリードタイム、顧客満足度の三つの評価基準でよい。お互いが各部門の成績を上げようと、わざと、何かをすることで造反して行く。危機に直面しないと協力し合うことができない。
⚫︎部下の中に完璧主義の社員がいた。細部にこだわる仕事ぶりを褒められていたのに、上司が変わるといきなり指導を受けるようになった。一方でもう少し大雑把なタイプの同僚は評価が高くなった。だが実際にはどちらの社員の業績は変わってはいない。以前と異なる基準で評価されるようになっただけのこと。業績考課プロセスなど全くもって公平でも客観的でもない。
⚫︎優秀な社員ほど、平均だなどと言われて喜ぶはずがない。さらに困るのは平均以上の評価をもらっても、最優秀の社員には納得がいかない。そして社員の熱意を挫く。
⚫︎コーチングとフィードバックだけでは育たない。
⚫︎伝わるように伝えること。このあいだ渡した指示書だけど、ちょっと分かり難かったかな、と思って。まず何からやろうと思ってる?
⚫︎リーダーシップ開発研修のせいで、出世コースから外れてしまった人の例。上司がその間に異動してしまう。
⚫︎リーダーは自分の有能さを証明することには興味はなく、自分自身を表現することに果てしない興味を覚えるのだ。動かされるのと率いることの違い。
⚫︎コンサル専門用語をなくす。将来のビジョンを描く→将来を予測し、その予測を現実にする。どうも無理がある気がするしそんなことが必要なのか。
⚫︎インセンティブ報酬→カネを使って人心を操る
⚫︎業績が低迷→能力がない。その人はトレーニングを受けるか、異動しかない。アクションプランをどうするといった問題ではない
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著者自身がコンサルタントとして関わった事例を基に、戦略コンサルタントの功罪と、その上でコンサルタントとどのように向き合っていくのかを書いた本。
これ以上職場から人間性を奪うのはやめるべき、という著者の主張に、賛成。
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コンサルティングの成果物(資料)でなく、課題に向けての調査や検討を続ける過程が、経営陣や会社にとっての力になる。
部門において数値目標に拘りすぎると、他部門にマイナスな影響を及ぼし、連携が損なわれる。