紙の本
十二国記好きにオススメ
2020/04/17 07:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジュンク堂の十二国記冊子にオススメで書いてあったので読んでみた。千年に渡る復讐と生まれ変わりの物語。千年も続く因縁とあってなかなかに人が凄惨な死に方をする。エイリャの死もつらかったが、それ以上に3人の魔女の過去を巡る“旅”。ハリーポッターの憂いの篩を彷彿とさせるが、描写が細かくリアリティがあって彼女たちの怨念がまるで自分にも憑依したかのような錯覚を起こす。これが闇に取り込まれるということなのかも?終盤の、誰かに助けてもらえるとは思いもしなかったというカリュドウの台詞が心に残る。希望を残す終わり方は好き。
投稿元:
レビューを見る
単行本で読んだ「魔導師の月」ほか幾つかの作品と舞台を同じくするシリーズの、初文庫化。
過去にさかのぼり前世を体験する部分に多くが割かれているのは、シリーズの特徴の一つなのかな。
復讐が目的のこの物語。痛みを痛みで返した後に、なにが残るのか・・・ということをちょっと考えさせられる。ラストがけっこうあっさりしていて、あんまり深く考え込むような余韻はないかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
日本の作家ではあまり見かけない、ファンタジー小説。
単行本が出たときからかなり話題になっていたが、それも納得。やや古風な文体も作風に合っている。
投稿元:
レビューを見る
高校時代に読んだ《イルスの竪琴》シリーズ以来の感動をおぼえました。
実にファンタジーらしいファンタジーであり、しかもオリジナル溢れる世界が拡がっている。これがデビュー作とは思えない完成度です。
日本のファンタジーもついにここまで来たのか!
投稿元:
レビューを見る
単行本で出たとき、表紙絵の美しさに惚れた本。どこかで見た推薦文が私の好きな作家で(有川浩だったかな?)、欲しいなぁーと思っていた本だったから、ようやく文庫化されて嬉しい。
日本のFT界の次世代、みたいな扱いだったから、どんな感じなんだろうと思ったけれど、ずいぶん煽ってあるだけあって面白かった。
文体は固めで、荻原規子(空色勾玉、RDG)や上橋菜穂子(精霊の守人、獣の奏者)の様な読みやすさはなかったけれど、凝った作りだなーという印象。
時空をバンバン越えていく書き方は、色んな物語を読んでるようで、お得感(笑)
3人の魔女の話だけで3冊書けたんじゃないかな。4冊目を、このカリュドゥの話にして完結でもそれなりに面白くはなりそう。海外のFTは、そういうの多いと思うし。でも私としては、この1冊に纏めて、冗長にならないような書き方は好き。海外FTは無駄に長い話が多すぎる…。
最後の、3つの力を取り戻していく描写はちょっとご都合主義で物足りなかったかなー。そこは少し残念。
投稿元:
レビューを見る
読み応えがあった。
終盤に向けて止まらなくなる感じ。
続きが文庫本ででたら買ってしまうだろうと思う。
投稿元:
レビューを見る
話の広がりの割にはさくさく進むので読みやすい。
本来はこれ1冊だけで『指輪物語』並みの分量で書けると思います。
投稿元:
レビューを見る
私の場合、ファンタジーものを読んで失敗した時のがっかり感は、他のジャンルの時よりもひどいような気がするので、迂闊に手を出せないのですが、この作品は、帯に書かれている「日本ファンタジーの歴史を変えたデビュー作」という文を信じて購入しました。
恐る恐る読み始めたのですが、やはり、帯を信じて良かったです。
しっかりと作りこまれた世界観に、どんどんと引き込まれて行きます。
話が飛ぶ箇所も、きちんとフォローがされているので、置き去りにされる事もありません。
全ての謎が明かされた後の、最後のオチが和やかで、良かったです。
世界観も、それぞれのキャラも良かったので、続きが早く読みたいです。
投稿元:
レビューを見る
多彩な人間模様が魅力。“生まれ変わり”のロマンとどんな人間にも闇と救いがある緻密なファンタジーの著者の世界は、日々の現実に縮こまった気持ちを一気に開放してくれる。
対抗する度に敗北してしまう展開と見え隠れする複雑な女心にやきもきしたが、男同士の終盤の決戦は落ち着いて読めた。シルヴァインの真っ直ぐな愛に彼が救われて、あのラストになったと信じたい。
投稿元:
レビューを見る
文庫になるのを待ち抜いた作品。
魔術の概要、世界観を説明的にならず読者に分からせる筆力は素晴らしい。引き込む力が強い物語で一気に「読まされた」。
アンジストの過去はいっそもう一冊別に用意するぐらい書き込んでもよかったように思う。非道な敵の理由付にしてはあまりにあっさりとした感があった。故に終盤は若干収縮気味。
すでに既刊の「魔術師の月」は今作の守れなかった魔道師・レアルスの物語。キャラクターとキャラクターで作品を繋ぎ、一大叙事詩のような物語を創り上げて欲しい。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに地盤の堅い、根の張ったファンタジーを読めました。魔法の解釈が古き良き伝統を引き継ぎながらも新しくて、興味深かったです。
しかし、やや世界や魔法の説明が多すぎて、登場人物にあまり共感ができなかった気がしたのと、前半(正直言うととびらのあらすじ)で大筋が見えてしまったのが、個人的には残念。この手のファンタジー小説と比べるとページ数の足りなさと、内容の物足りなさを感じてしまいました。
とはいえ、完読しなければ、得られないものもたくさんあるので、最後まで読むべき、良いストーリーです。
投稿元:
レビューを見る
悠久の時の流れの中で積み重ねられる魔道師の物語。薄い本だけど、小さな活字でギュッと濃縮された復讐譚は、詳らかに描かれる架空の世界や写本師の仕事に縁取られ、独自の世界を作る。
この本の全体の世界観みたいなものを感じながら物語の世界に浸ろうとすると、一気に読み下すのが良いような気がするのだけど、仕事が忙しくてゆっくり本を読むのもままならず、時空を超えて語られる筋立てやそこに沈殿する怨念や宿願を十分に感じ取ることが出来なかったような気がして、我ながら残念。
投稿元:
レビューを見る
とても長い年月を積み重ねた復讐を描いたダークファンタジー。写本師vs魔導師。写本師が職人肌で新鮮だった。
もっと登場人物たちの交流、写本師の仕事を読みたかったけど、このページ数で考えれば濃厚なファンタジーでした。結末も爽やかな風が吹き抜ける感じで素敵。
他の作品も読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
ふわぁ~すごいもの読んだぁ…という読後感でした。
壮大などファンタジー。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-1062.html
投稿元:
レビューを見る
非常に読み応えのある魔法ファンタジー。
文章の密度が濃く、易々とは読み尽くせないストーリーですが、それでいてテンポよく美しい文体なので、読み疲れはしませんでした。様々な魔道師の手仕事や、メインのテーマでもある写本師の繊細な仕事の描写がすばらしく、よくよく練られた世界観がより想像をかき立てる作品でした。