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肉を食べるということは、自分の命のために、その肉を持っている相手と渡り合って命を手に入れるということである。西表島から礼文島まで、日本各地で今も食べられている肉の、手に入れ方と食べ方。
前著でも感じたが、過去の文献で信じこまれている歴史に対する反論めいたものもベースにあって、実際のところどうだ、ということに注目しているのだろう。猟に同行し、殺し、解体し、食べる。
屠畜を子どもに見せたところで、工場での体験学習では通り一遍の感想しか出てこなくて、やはり生活のなかに、今日の飯、明日の飯というところに本当のリアルがある。これは子どもに限らず僕もそうで、肉にかぎらずなんでもそうだけど。
鹿の項目では、なんともやるせない気持ちになる。まず、鹿は猪に比べて価値が低い。だが害獣として駆除対象になり補助も出ている。ここまでは知っていたが、補助金申請時に、特定部位を提出する必要があり、この部位が自治体によって異なる。つまり、一個体を別の自治体どおしで融通しあうことも出来てしまう。こんなこともあって、食べるわけでもないから罠にかかってもしばらく放っておいたりもする。ようするに金目当てだと。肉を金で買ったことしかない(もらったことはあるが、獲ったことはない)身としては、なんとも切ない話である。
工場から出てくる肉しか知らなくていいのか。工場の肉が手に入ってよかった。そういう複雑な心境にならざるを得ない。
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日本人は、というより地域独自の狩猟の事例がたくさん書いてある。
個人的に昨年狩猟免許を取得したのでおもしろく読むことができた。世界屠畜紀行を読んだときもそうだがまだまだいろんな肉を食べる文化がある。
この本で出てきたトドもそうだし、普通にまわりにいるハクビシンや穴熊。いろんなものを食べて考え、知っていきたい。
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ユニーク。
豊富な写真で、普段目にする事が出来ない、狩った動物のさばく過程が見れる。
市場に殆ど出ることのない肉、旨そうだ。
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衣・食・住の「食」
それも
現在の流通の仕組みの中で
私たちの手元、いや口元(?)に届く肉ではなく
きわめて極端だけれど
きちんと 自分で捕るところから
始まる「肉」のルポルタージュ
そういえば
以前、鹿児島の友達のところに
遊びに出かけたときに
せっかくだから と
その家の庭で放し飼いにしていたチャボを
ご馳走になったことがある
その時に えっ 今 ここで
と
確かに 旨いぞ
と 思ったことを
思い出した
私たちは
もっと 自分たちが食べているモノ
に 意識を持つべきだ
という気持ちが自然とわき上がってくる
と 同じように
私たちが 着ているモノ
私たちが 住んでいるところ
私たちの 暮らしにまつわる
さまざまなもの
さまざまなことを
もっと 考えても いいよね
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穴熊からトドまで食す我々は古来からの肉食民族。
日本人がどこから来て何を食べて日本人になっていったのか。もちろん、そんな高尚な学問的探究心で私が旅に出るわけはない。私はただ知らない世界を歩き、話を聞きそして食べたいのである。
食べることでしか分からない、理解しえない部分が多々あると、私は常々考えている。論より証拠ならぬ論より食なのかもしれない。(2014年刊)
・肉を食べに南へ北へ
・第一章 南の島のカマイ(西表島)
・第二章 秘境の村の猪猟(椎葉村)
・第三章 山中の鹿肉のレストラン(宇目)
・コラム 肉を食ってきた日本人
・第四章 畑荒らしのハクビシン(穴内)
・第五章 狢と呼ばれる狸・穴熊(長湯温泉)
・第六章 厳寒の礼文島のトド猟(礼文島)
・肉食の旅を終えて
色鮮やかな肉の写真が収録されている。獣を解体する様子が写されている。これが喰うということなのだろう。どれも興味深く読む。農業被害を受けて「やられたらやり返す。お前らの肉で弁償しろ」というのが面白い。気になったのは狢。その正体は何なんであろうか。タヌキの味が分からなかったのは残念。
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中身は期待していたほどギッシリ詰まった濃密なものではなかったが、文字通り北海道から沖縄まで足を運んで取材し、テレビでは放送できないであろう生々しいカラー写真を多数収めた、読み応えのある内容となっている。
古来言われる“タヌキ汁”に使われている肉はアナグマのもの、という説は巷間に流布しているものではあるが、じゃあ一体タヌキは本当に不味いのか、美味いタヌキもいるのか、謎が謎として残されているところも、なかなか趣深い。
ただ、ところどころにちょっと軽薄というか、気になる表現がいくつかある。
獣害の拡大が問題となり、シカやイノシシの駆除が声高に叫ばれて久しいが、獲った個体のほとんどを捨てるのではなく有効利用する具体的方策が早く整えばいいのに、と切に思う。
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ハクビシンやタヌキなど、今までのジビエとは違った肉のことが書いていて興味深い。中でもトドはびっくりやったなー。イヌイットみたいやな。
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お世話になっている人が取材対象なので読みました。民族学的な考察とかなぜか間にあったりして、著者の興味が広く浅くて軽い読み物として楽しめました。
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熊、猪、鹿、狸、ハクビシン、穴熊、鴨、トド等の狩猟鳥獣の捕獲解体、
料理等を通して日本の各地に残る狩猟の食文化等を様々な角度から紹介する。