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パッキャラ魔道が好き。苦痛とか不安とか後悔とかの中でみんな色々失敗して悪さして人に優しくできなくなったりもするけど、一生懸命生きたらいいよパオパオパ。
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『雨が降るたびに緑がむさむさと増えて濃くなって、空気が涼しいぬるいからちょっとずつ蒸し暑さの予感みたいなのを漂わせるようになっていく五月が僕は好きで、学校へ行くのに自転車に乗りながら、低い空を急ぐ雲とか、吹きこぼれないよう静かにぐつぐつと煮えているような山を眺めたりしているのだが、五月の十九日になって、うちのクラスの女子が死ぬ。』
『女の子たちが幼児返りを起こしてるんじゃないかな。2Aっていうクラスが子宮で・・・』
『何でもじっと見てると好きになる。』
『くそう、と一応思う。』
『希望は何にでも見出せるのだ。』
『でも自分を騙し騙し進むための希望なんてすぐに破れる。』
『でも八木はもうすぐ死んでしまう。』
『ディィィィプキス!ディィィィプキス!ミィィィィンって僕の頭の中で変な蝉が鳴く。』
『結局僕たちは死の何を恐れてるんだろう?・・・という設問が間違ってるな。女子が六人バタバタ続けて死んだ今、僕たちはこれを問える。』
『僕たちは死の何を嫌がってるんだろう?』
『でも八木の怪我はただただ本物だ。』
『僕はまだもうちょっと童貞でいたいんだ。』
『これってモラトリアム?』
『それ以上の意味なんて考えなくていい。』
『言葉が先行して、意味が後からついてくるなんておかしいはずだ。』
『経験もただの経験だ。自分のために経験を積むとかは、いやらしい。』
『でも言葉の先行に負けないように、自分のペースで頑張ろう。』
『物語には神秘的なキスとして生をもたらすキスと死を招くキスがある。』
『でも困っていいのだ。それでいい。』
『知識や経験がここで何か上手く言わせてしまうより、このままこうして困っていた方がいいのだ。』
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「死ぬのと、死ぬって思うのと、死んでることと、どれが一番好きか」「そんなん一番好きとかでねーやろ。どれが一番マシかって感じやろ」「バーカ。生きてんのに死んでるのと変わんねーのが一番最悪だっつーの」
『やばい。いろんなところ触ってもんで、もみくちゃにしてからいろんなふうに折り曲げてのばしてぐるぐるにして、そんでべろべろべろべろ舐めてからちんちんこすりつけたい。やっぱり写真とかテレビで見る女の子とかと違って体温があって呼吸していて匂いがあってワオー!』
『世界は穢れている。何故なら俺たち皆が穢れているからだ。』
『セックスすること、愛すること、生きること、人間が好きな全ては、結局のところ鼻クソご飯だ。子供が鼻クソを好きになるのと同じ衝動が、俺たちをセックスや愛や生きることの全てに駆り立てる。』
「別に慎吾君、優しくない訳じゃないとと思うけどね、とにかく優しさとか素直さとか正直さってのは、性格っていうよりも振る舞いだからね。」
「内田さんってお母さんのこと好き?」
「もちろん」
「どこが?」
「どこがって全部に決まってんじゃん」
「全部ってありえなくない?だって嫌なところとか欠点とか人間あるでしょ」
「嫌なところも好きなんだよ」
「それ矛盾でしょ」
「愛情に矛盾はないんだよ。嫌なところですら好きになるってこと、愛情になら余裕であるんだよ」
『人生の本当は、嘘や偽物もひっくるめて飲み込んでしまって全部合わせたものなのだ。』
「と、どんどん状況が悪くなってんのにパオパオ歌っているこの歌で、昔は何余裕そうに歌ってんだよと思ってましたが、今考えてみるに、一生懸命生きることととにかくとりあえずパオパオ歌ってみることにどういう違いがあるんでしょう?違いはありはしない。僕たちは苦しみ悲しみ泣きながらパオパオパンパンパンと歌って踊るんです。それが一生懸命生きるってことなんです」
『親として、子供のために何かをできないなんてことはあってはならないのだ。不可能と理不尽と意味不明を相手に戦わなければならない。抗わなければならない。』
「いいよいいよこの世のことなんて。俺、大我を失うわけにはいかないし、大我が泣くの見たくないもん。一人息子だぜ?無理無理。』
「俺や他の人をどんなふうに攻撃しても、お前が悪いってのは変わらないよ?人のせいとか他のことに自分のやったことの責任を押し付けようとするのは子供のやり口。と言いながら俺もまだまだだよ。じゃあ、お互い未熟だったってことで、ね。さようなら」
「ねえ、じゃあ…私がもっと成長したら、もう一度会ってくれる?」
「これまであなたにさようならなんて言ったことなかったでしょ?さようならはさようならだよ。俺が今考えてることは、あなたと交わす言葉をどれだけ最小限にできるかってことだけだから」
「いつもお疲れ様」
「えっ?いや、当たり前のことしてるだけだよ。母親だし」
「俺だって仕事してるの当たり前だけど、いつもお疲れさまって言ってくれるじゃん」
「あーそうか���
「おつおつ」
「ありがとう。でも子育てだって和馬一緒にやってくれてるじゃん。私そっちの仕事は手伝ったことないのに」
「俺が仕事してる間、俺はそっちの仕事手伝えないだろ?おあいこだよ」
『私には失いたくない大事な人がたくさんいる。
ただ、私がどう考えてるか、どう感じているか、どう生きているかを誰にでも説明しなきゃいけないとは思っていないだけなのだ。』
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【イキルキス】青春。【鼻クソご飯】タイトルの意味やっと分かった。【パッキャラ魔道】一番よかった。【アンフーアンフー】思考垂れ流し系。【無駄口を数える。】一番綺麗。全体的に、わからないことはそのままにしといた方がいい、良い悪いはっきりさせることはできないんだ、みたいな主張が見られたような気がします パッキャラ魔道のオチいいです
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文庫書き下ろしの アンフーアンフー 無駄口を数える。疾走感抑えめでまた印象が変わるけど、無駄口を〜。好かった。ラスト四行は美味しいシャワーヘッドにも通じていてぐぐっとくる。他は二度目の読み。陳腐さ薄っぺらさ、通俗性も嘘っぽい現実も、芝居も演技もぜんぶひっくるめて人生の本当でした、というオチも、読後は小説っていいなあというより現実っていいなと思える。妙に心がホカホカする。大好きだ。知ってたけど。
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「イキルキス」★★★
「鼻クソご飯」★★★
「パッキャラ魔道」★★★
「アンフーアンフー」★★★
「無駄口を数える。」★★★
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出来事→あいつらなんかこうなればいい→でもホントは違うんだ…そうだとしたらあぁなっちゃうし。だからあれなんだ。
むちゃくちゃなようで妙に説得力があるし、実際間違ったことはいってない。
表現そのものより、表現しようとしているものに含まれるメッセージが胸を打つのかもしれない。あと突拍子のないストーリーと設定とテンポ。グルーヴよりのり。
物語としては素人くさい、パンク。オチむりやり。でも読んじゃう。
わかった、作者が一番楽しんでるから、読者も楽しいんだ。
パッきゃらまどうあたりからあきはじめる。話に関係ない話を楽しめなくなってきた。しかし気づくとはまってる、くそぅ。てかほんと、何でこんな風に書けるの?
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おもしろかったよ全編よかったよ!
舞城王太郎を読んだ後って良くも悪くも影響されてまうよね。改行をせずにぶぁーって文字を打ちたくなるというか。んで打ってしまってから自分にゃ無理だ、つって圧倒的力の差を痛感するよね。
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初舞城王太郎。気になっていても読んでいなかった作者ですが、読んだらすごいんです。
「無駄口を数える」が好き。
どの話も全然違うのに、昔の村上春樹を思い出しました。
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問題が起き、思慮を廻らせ、自分の中で折り合いがつき、救済がやってくる。そんなストーリーの繰り返しにより短編は紡がれる。「無駄口を数える。」は「微温的」な超短編ながら、言葉にならない言葉を言葉にするという空気感が圧巻。
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舞城王太郎作品は虚構とエログロからの説教小説だと思ってるからおはなしの中で私にも分かるように説教してほしいんだけどな。この作品は読んでもピンとくる言葉がなくてあんまりハマれませんでした。また気が向いたら再読します。
イキルキスと鼻クソご飯はマジで置いてかれた。パッキャラ魔道はちょっと良かった。はじめの3編がごちゃごちゃ過ぎてたせいなのか書き下ろしの2編はすごい普通の説教小説に感じてしまった。
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p.171
腹に刻んだあのムカつく刺青が、きっと西川濠に鼻クソご飯のおかわりを何倍でも与えてくれることだろう。
爽やかなのに、エログロバイオレンス。「無軌道な生、理不尽な奇跡…」というより、殺傷害不良青年小説、と言ったほうがいい感じ。周りが何を言おうがどう分析しようが、キレるし血は流れ人は死ぬ。精液、睾丸、セックスといった言葉のオンパレードで、電車の中で読んでてひやひやした。
「アンフーアンフー」「無駄口を数える」舞城さんはぶっ飛んで最後が収拾つかなく終わるイメージでしたが、この短編は勢いは弱いものの、まとまりがあってよかった。
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舞城王太郎さんのアニメやマンガとかとても面白かったので一度本を読んでみたいなあって読みましたけど、もう二度と読まないかなと思っていたけど…
結局!
ーーー
最後のショートショート「無駄口を数える」めっちゃよかった感動しました!
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久しぶりの舞城王太郎。
相変わらずの言葉の奔流。
設定、無茶苦茶のストーリーが、ほぼ主人公の内心の独白で進む。とてつもないスピード感で。
この感覚は、なかなか他の人では味わえない。
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あいも変わらず殴りつけるような舞城節は最高。だけど消化不良の作品が多かった印象でした。「いろいろあるけど日常は続くよね」みたいな。『パッキャラ魔道』のにいちゃんとか『無駄口を数える。』の可織みたいな狂気も今一歩な振り切れなさがあった。個人的には表題作のホラー描写がバチクソ怖かったのでもっと深掘りしてほしい、でもそれって舞城作品で求めること?という葛藤が。