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正直、過去の著作とかなりバッティングする議論で、目新しさが無い。
噛み砕いて書いているといえばそうだが、それにしてもこれで改めて出版する必要ある?という疑問が強く残った。こういう出版の仕方には賛同できない。
考え方には非常に共感するのだが。
初めてこの人に触れるのであれば、読んでもいいとは思うが、それ以外は無駄読みになる。
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グローバル経済が現在直面している状況は、
(1)資本の増殖の為に収奪対象とする辺境は殆ど残されていない。
(2)豊かになれる上限定員は15%程度である。
以前は南北国家間格差であったが、新興国も辺境
でなくなってきたので、国家の内側に辺境を生み出す (格差の拡大、中間層の没落)。
(3)それでも足りず未来世代からの収奪をも起こしている (ツケの支払いは未来世代へ)。
(4)紙幣を増刷、増税と企業減税で資本の塊集をしても、
投資先が少なくなっている。
(5)地球の資源は無限という前提で走っている。中国・インドなどの人口大過剰国まで近代化して資源多消費国にしている。当然、地球システム自体が崩壊へ向かう
では、どう対処するかとなると、
(1)資本主義にブレーキを掛けて延命させる。
(2)財政健全化する。(あと4-5年の猶予しかないか?)
(3)猶予期間でポスト資本主義の社会を用意する。
(5)ポスト資本主義の社会がどういう社会であるか不明である。現在は企業(資本)の力が強すぎて、国家も労働者も対抗できない。G20の国家間で合意できれば世界GDPの87%を占めるので巨大企業に対応可能。
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成長教の信者は地獄に落ちるという警告の書。その事に気がついてきた人も増えてきたので、資本主義は終焉すると。あとは国家と個人の関係性の問題で、個々人は国が崩壊しても自分だけは生き残れるように準備しておかなきゃいけないんだろうな。全員が救われるわけないし。これぞ究極の自己責任だけど。アベノミクスで幸福になれるなんて信じてる人は通販番組で夢や希望を煽られて衝動買いしちゃう人だろう。
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「長い16世紀」を繰り返す「長い21世紀」という歴史の見取り図を示してくれる本書は100年単位のマクロの書です。ですが読んでいる途中から先日読んだ「里山資本主義」を思い出してしまいました。中国山地に取材したミクロな経済ですが、やはりテーマはマネーとエネルギー。海の国アメリカVS陸のヨーロッパの最終対立局面で、森の国ニッポンを存在付けれるか?「里山資本主義」だけではなく、本書単独というより様々なテーマに対して「なるほど!」の補助線をいっぱいひいてくれる参考書だと思いました。
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利子率の低下がなぜ重要かと言えば、金利は資本利潤率とほぼ同じであるから。資本を投下し、利潤を得て資本を自己増殖させることが資本主義の基本的な性質だからり、利潤率が極端に低いということは、すでに資本主義が機能していない兆候。
今までは2割の先進国が8割の途上国を貧しくさせたままで発展してきたために、先進国は国民全員が一定の豊かさを享受できた。しかしグローバリゼーションの進んだ現代では、資本はやすやすと国境を越える。ゆえに、貧富の2局化が1国内で現れる。
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非常に勉強になる1冊でした。過去の歴史は必ず繰り返される。資本主義の考え方自体が限界に来ている。これから先に何をどう考えて行動すべきなのか? 改めて考えさせられる1冊となりました。
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内容紹介
バブルのツケをバブルで支払う。
この危険な循環こそが決定的な破局をもたらす!
資本主義の最終局面=バブル多発時代にむけた処方箋。
資本主義の最終局面にいち早く立つ日本。
世界史上、長期にわたるゼロ金利が示すものは、資本を投資しても利潤の出ない資本主義の「死」だ。
死の瀬戸際の資本主義は、グローバル化を進め国民を置き去りにし、国家さえも使用人としてバブルを多発させ、生き延びようとしている。
終わりの近づく資本主義にそれでもしがみつき、かりそめの「成長」を目指すことは、
「国民なき国家」を作り上げ、破局への道を整えているにすぎない。
グローバル化の本質を鋭利に分析し、世界経済危機を最も早くから警告していたエコノミストが、
日本再生のための道と「世界総ゼロ金利」後の新たなシステムを提言する!
【主な内容】
●「世界総ゼロ金利」時代のあとに何が起きるのか?
・成長を果たした国からゼロ金利になり、「日本化」する。この危機の「本質」とは?
・「バブル清算型」の資本主義でアメリカはどうなる?
・中国はアメリカ没落後の覇権国になれるのか?
・中国バブルが弾るたあとの、世界経済は?
・日本の財政赤字、国債問題にどう対処するべきか?
・EU崩壊は起きるのか? ドイツはギリシャを切り捨てるのか?
・アフリカのグローバル化のあと、資本は何を狙うのか?
●「世界総ゼロ金利」=資本主義の終焉で
なぜ日本にチャンスが生まれるのか?
【目次】
はじめに――資本主義が死ぬとき
第一章 資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ
第二章 新興国の近代化がもたらすパラドックス
第三章 日本の未来をつくる脱成長モデル
第四章 西欧の終焉
第五章 資本主義はいかにして終わるのか
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水野和夫氏の著作はどの本も論点はほぼ同じだが、本書は新書版だけあって他の本に比べて読みやすいと感じた。最初に読む1冊はどれがよいかを聞かれれば、自分は本書を薦めると思う。
ただし、利子率革命の歴史、ブローデルの「地中海」、世界システム論、「中心」と「周辺」、「長い16世紀」と「長い21世紀」等々、世界史的な共用の知識がないと理解が進まないので、基本的には難しい本だとは思う。本書は、各章で、アメリカ、新興国、日本、西欧、往来の資本主義の終わりを述べている。
今後の進む方向を示せればよいのだが、分析という立場で終わってしまうのが惜しいと思う。
1章 資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ
2章 新興国の近代化がもたらすパラドックス
3章 日本の未来をつくる脱成長モデル
4章 西欧の終焉
5章 資本主義はいかにして終わるのか
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社会主義に打ち勝った資本主義は絶対正義ではなく、それは正しく終焉を迎えており、歴史の危機の真っただ中にあると分析。
膨大な資料から読み解かれた内容は説得力に満ちているが、新たな世界の構築の具体的提案が少ないのが残念。
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なぜ金利が下がるのか、なぜバブルが繰り返されるのか、なぜ格差社会が生まれるのか。
これらの問題は、現在の経済システムがグローバル資本主義となったために起こる、当然の帰結であると分析している。
自分は、経済については門外漢であり、著者の主張がどこまで正しいのかはわからない。
しかし、今さまざまな問題を引き起こしている資本主義を、その歴史から振り返って、本質的に矛盾を持つものであるとの批判は説得力があり共感が持てた。
特に、現代と同様に金利が極端に低い状態を、西欧の15~17世紀(長い16世紀)に見つけ、それが中世から近代への歴史の転換点にあったことを引合いにだし、現代も歴史の転換点にあるという指摘は、非常に刺激的だった。
ただし、当然のことながら、次に来る社会システムがどのようになるかの、具体的な言及にまでは至らず、これは、われわれ一人ひとりが考えていかなければならない問題なのだと思った。
≪メモ≫
「資本主義の終わり」
資本主義とは、資本を投下して利潤を得て、資本を自己増殖させるシステムである。
今や、ゼロ金利となり、資本を投下してもリターンがないという事実は、資本主義が、システムとして終わりを迎えたことを意味する。
「資本主義の末期症状」
資本主義とは、「周辺」を広げ、「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖をはかるシステムであるから、
グローバリゼーションがアフリカにまで及んだ末に、搾取すべき「周辺」が消滅した。
そして、自国の中間層(米国:サブプライム層、日本:非正規社員、EU:ギリシャ・キプロス)を「周辺」として没落させ、格差社会を生んだ。
「資本主義の延命策の誤り」
量的緩和政策がとられているが、「金融経済」が全面化してしまった現在では、マネーストックを増やしても物価の上昇には繋がらず、レバレッジで資産価格だけを押し上げ、バブルをもたらすだけ。
巨大バブルの後始末は、金融システム危機を伴うので、公的資金が投入される。
過剰な金融緩和と財政出動は、また投機マネーとなってバブルを引き起こす。
「資本主義後の見通し」
先進国では、ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレという「定常状態」に陥っている。これは、資本の自己増殖を目指す資本主義にとっては、最終形態である。
マイナス成長は貧困化を意味するが、過剰な投資がないゼロ成長や、値上がりがないゼロインフレは好ましくない状態ではない。
資本主義の次の社会システムが現れるまで、現在の「バブル清算型」資本主義を、ソフトランディングで収束させ、「脱成長社会」への転換を果たさなければならない。
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面白かったけど、筆者の主張は反復されるのみで道筋は明確には示されない。それ自体が資本主義の危機といえばそれまでだが。
"利子とは時間に値段を付けることであり、利子を取る行為は神の所有物である時間を人間が奪い取ったことを意味する。ゼロ金利とは、時間に縛られる必要から解放され人間が神に近づくことを意味しており、資本主義とは神の所有物を人間のものにしていくプロセスであり、それはまさに今完成しつつある"
神経科学的に、報酬系の刺激依存性を考えた人間の(本能的な)行動特性を考えれば、自由意思を原則とする市場に対して法律や国家、社会制度というものの役割は自ずと明らかだと思うのだけれど、そういうものが弱体化した社会の先にある姿はいまだうまく想像することが出来ない。
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金利の観点から資本からの利潤獲得ができなくっていることや新たな市場がないこと、地球が耐えれるのか?
などから資本主義の終焉を説明するある意味、名著。
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藻谷浩介氏の里山資本主義と合わせて読むことで、近代から続く資本主義の限界とこれから進むべき方向性を理解することが出来る。
両書から言えるのは、「成長・拡大」一点張りの資本主義の限界が来ており、それをソフトランディングさせるには、「よりゆっくり、より近く、より曖昧に」という価値観へと、社会全体が変わって行くことが必要であるということである。
アベノミクスにより景況感は向上しているが、すぐそこにバブルが迫って来ている兆候と捉えることも出来る。
バブルを何度繰り返せば、日本人、そして世界の人々の価値観は「よりゆっくり、より近く、より曖昧に」といった方向に変わるのだろうか。
そして、その社会の中で豊かさを享受するためにいま何が出来るだろうか。
水野氏のように経済状況を冷静に捉え判断していけるよう理解を深めていきたい。
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昔から個人的に資本主義(≒株式会社)というシステムに抱いてきた違和感。それは、其処に飽和やゴールと言う概念が無く、永遠に膨張する事を前提としてる事に他ならない。
ここでの論旨は、そもそも資本主義自体、その誕生以来、少数の人間が利益を独占するためのシステムであり、そしてそのシステムが稼働するには、収奪可能な労働力/原料/エネルギーが、"中心"から見た"周辺"に存在する事、となる。そしてグローバリゼーションの中で資本が国境を無視して移動するようになった現在、エリアとしての周辺ではなく、国家の内側に「中心/周辺」を生み出して行った、と。
結局、新たな略奪可能空間を失いつつある現在、確実に資本主義が死に向かっており、唯一のソフトランディング方法は現在悪とされているゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレという経済の定常化であると説く。
しかし、資本主義後の世界について著者は明確な答えを明示していない。
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金利はすなわち、資本利潤率と同じ。利潤率が極端に低いということは、資本主義が資本主義として機能していないということ
中国の一人あたりのGDPが日米に追いついた時、価格革命は終わる 20年後
21世紀の価格革命 国家と資本の利害が一致していた資本主義が維持できなくなり、資本が国家を超越し、資本に国家が従属する資本主義に変貌
近代システムは、先進国に限られた話とはいえ、中間層を作り上げる仕組みとしては最適なものだった
1970年代に一億総中流が実現したようには中国では13億総中流が実現しないのであれば、中国に民主主義は成立しないことになり、階級闘争が激化するであろう
日本の失われた20年は外部にBRICSの近代化があった。21世紀の中国にには日本にとってのBRICSは存在しない。中国のバブル崩壊に影響は甚大
利子率革命 景気と所得の分離
私なりに解釈すれば利子率の低下は資本主義の卒業証書
資本主義を乗り越えるために日本がすべきことは、景気優先の成長主義から脱して、新しいシステムを構築すること もう一つはエネルギー問題の解決
松井孝典 地球システムの崩壊
むき出しの資本主義を放置した末のハードランディングに身を委ねるのか、あるいはそこに一定のブレーキをかけてソフトランディングするか
バブルが弾け、経済が冷え込めば、国家債務は膨れ上がりますから、財政破綻に追い込まれる国もでてくるに違いありません。日本はその筆頭候補
これまでの歴史では国家債務が危機に瀕すると、国家は戦争とインフレで帳消しにしようとした
国際がゼロ金利であるということは配当がない。配当は無いけれど、日本の中で豊かな生活を享受できる出資金が1000兆円なんだと発想を転換
借り換えをつづけて1000兆円で固定する
そのためには財政収支を均衡させる。
2012年の年間総労働時間は2030時間。ここにメスをいれて、過剰労働、過剰勤務をなくすように規制を強化。単純にその分だけ雇用が生まれる