投稿元:
レビューを見る
ミステリとしてはそこそこ及第点をあげられるんですけど、とにもかくにも主人公が情けなさ過ぎて感情移入できません。ストーリー的にも冗長な部分が多く、読み進めるのに苦労しました。
投稿元:
レビューを見る
(No.14-13) ミステリです。
『大槇辰男は一年前に離婚。小学生の息子・俊也とは月に一度会っている。その面会日の帰りの駅のホームで女性が辰男を見ていた。彼女の身体が傾き入ってくる電車の前に転落。その時も彼女は辰男を見ていた。あの人だ・・・。
辰男は子供の頃、ある事件で父を亡くしている。その後母と辰男は母の実家に戻り、姓も母の姓に変えた。記憶に蓋をして成長した辰男は、あの時何があったのか分からなくなっていた。息子の俊也があの頃の辰男の年齢に近づいたためか、辰男は悪夢を見たり何か聞いたりするようになり心を病み、それが離婚につながった。
元妻から勤務の関係で、学校が休みの間俊也を預かって欲しいと頼まれた辰男は、俊也を連れて故郷を訪問することにした。
あの人は何故あの時駅のホームにいたのか、かつて何が起こったのか、聞こえてくる音は・・・。
過去と向き会うつもりだ。その時を俊也とともに過ごしたい。』
ストーリーの合間合間に出てくる悪夢。目が覚めると辰男は忘れているらしいのですが、いったいその夢にどういう意味があるのか、何故そういう夢を見るのか気になって仕方ありませんでした。
辰男は、思い出したくないけれど、思い出したい。思い出したいけれど、思い出すのは怖い。矛盾しているようですが、きっとそういう気持ちなのでしょう。
皆が少しずつ、誤解したり勘違いしたり軽い気持ちで何かやってしまったりして、過去に悲劇の連鎖が起こりました。
落ち着かない気持ちで、のめりこむように読みました。
父に保護される立場の俊也が、ある時から父を守ろうと変わっていきます。大丈夫かな?無理やり成長してしまって。でも、そうだね、子供でも大事なことにちゃんと向き合う方が、真実を隠されて不安なまま大人になるよりきっと良いのだと信じたい。
そうでないと辰男の苦しみを俊也が再現しかねないから。
途中かなり暗かったし読後感は爽やかとまではいきませんが、何か救いを感じて最後にはちょっと気持ちが軽くなりました。
一気読みして満足しました。
投稿元:
レビューを見る
+++
真実は「悪夢」の中に隠されている――。幻惑の極致が待ち受ける道尾ミステリーの頂点! あの女が、私の眼前で死んだ。かつて父親が犯した殺人に関わり、行方不明だった女が、今になってなぜ……真相を求めて信州の寒村を訪ねた私を次々に襲う異様な出来事。はたして、誰が誰を殺したのか? 薬物、写真、昆虫、地下水路など多彩な道具立てを駆使したトリックで驚愕の世界に誘う、待望の書下ろし超本格ミステリー!
+++
悪夢と現実が入り交じり、見えていたものが一瞬にしてぐるりと反転して様相を変える。疑わしい人物が実は自分を見守ってくれていたり、信じていた人が初めから自分を欺いていたり。すべてが終わった後でも、実際は誰が誰を殺したのか、どれが事実なのかが定かにはならないような心地である。自分自身さえ信じきることができないような、不安な気分の一冊である。
投稿元:
レビューを見る
悪夢に悩まされている私の目の前で、女が死んだ。過去の事件の真相を求め、故郷を訪れた私と息子。過去と向き合う覚悟が出来た時、真実の扉が開かれる。
架空の村の歴史やら祭りなどすごく細かく書き込まれていて、ストーリーは本当に良く練られています。現実と悪夢のシーンが交互に出てくるのですが、悪夢だけにグロい。それさえクリア出来れば、楽しめるかな。
この話は映像向きだなぁと思いつつ、アタシの好みではなかったので、ちょっと残念。
かなり残念。
投稿元:
レビューを見る
私は、息子とともにかつて暮らした小さな村へ向かっていた。離婚した妻に引き取られた息子とのんびりとした時間を過ごすために、そして、昔、家族を苦しめた事件のすべてを知るために。
三十二年前、村の組合長が殺された。その胸に突き刺さっていたのは父の名前が彫られた小刀だった。時を同じくして村の娘も一人姿を消していた。二人を殺したと思われる父は、村で唯一の水路の穴で死んでいた。
そして現在、姿を消していた娘が私の前で電車に轢かれて死んだ。彼女はこの三十二年間どこにいたのか。その当時の真実はどこにあるのか。
どっしりと重厚で、余りにも悲しい話だった。途中で挟まれる悪夢も雰囲気作りに一役買っていてよかった。
投稿元:
レビューを見る
これまた、映像化しにくい小説。穴堰がやたら出てきて。
地方の因習にとらわれた村。
思わせぶりな語り。
いろんな事件が起きるけど、すべてボタンの掛け違いともいうべき勘違いから発端してるなんて。
彩根、あまりにもあの村に詳しすぎるから疑っていたけど、命の恩人になったね。
ラスト主人公の息子に救いがあってよかった。
投稿元:
レビューを見る
この人の小説の中では、罪を犯す人は、みんな悲しい。振り返れば、初期の頃からそうだ。出てくる人は誰もが、運命や現実の重みにたえて生き、あるいは、たえきれぬように死んでいく。子供も例外ではない。むしろ子供こそ、抗うすべもなく何かを背負わされる存在として描かれることが多いと思う。
ここでも語り手である辰男と、その息子の俊也は、しばしば重ね合わされながら運命に翻弄されている。ただ、以前と違って、読後感が悪くない。ラストの俊也の言葉がけなげで切ない。ミステリ的な「真相」がどうだとか、なんだかどうでもよくなる。いや、それもよくできていると思うけど。
投稿元:
レビューを見る
短編連作として発表した「貘」シリーズをもとにした書き下ろし長編だったのですね~( ̄ω ̄;)
なぜか「病葉」だけ読んだことがあったので、書下ろしなのに!?とビビりましたw
現在と過去と悪夢とが入り混じるので不安定な気持ちに・・・お互いを思いやっての行動が裏目裏目に出るような悲劇の連鎖の中での、普段は離れて暮らしていて上手く接しられていなかった父親と息子の繋がりが、事件を通して深まっていくのがよかったです。
投稿元:
レビューを見る
道尾さんらしい作品。でも私には横溝作品の匂いがちょっとだけした。
かけ違ってしまったボタンに気がつかずに、更なる悲劇が生まれてしまう。
道尾さんの作品には、山とか村がよくでてきますが、そういう湿気というか草と土の香がする、日本の少し前の情景が良く描かれているミステリー。
投稿元:
レビューを見る
八年振りの長編。
父親が犯した殺人と自身に迫る悪夢。息子を連れて故郷の村に戻って、過去の事件と避けて来た過去と対面する。その過程で、迫り来る何かを夢として読者に迫りながら、事実を蛾を通して見た世界から伝える等不思議な情景を用いてトリックを重ねていく。
息子の行方不明から、一気に物語が進んでいくが、伏線が結び付く感じ、恐ろしく暗い闇を感じがさらにこの世界観を深めている。最初重たいかなと思うのだが、読み進めていくと一気に。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに作者らしさを感じる作品だった。過去に起きた殺人事件が田舎の村を舞台に悪夢と相まって不気味さや深く暗い世界を作り上げていた。多少長く感じたがラストは一気の畳みかけだった。
投稿元:
レビューを見る
父親の誤解が解けないままだなんてイヤだなぁ。
自分が信じていた人に裏切られるようなことがあると心が折れそう。
他人を傷つけてもいいと思うほど誰かを好きになってしまうってことがあるのか……。
投稿元:
レビューを見る
過去に見た忌まわしい現実が精神のバランスを崩壊させる。時を経ても消えない現実逃避の悪夢。ひたひたと心を蝕み翻弄する。個人の力ではどうすることもできない理不尽と圧倒的な絶望感。押しつぶされそうになりながらも自らに決着をつけるべく懸命に道を模索する。人は弱いが強くもなれる。すべてを成し遂げ静かに安らかに目を閉じる主人公が印象的であった。
投稿元:
レビューを見る
あの女が、私の目の前で死んだ。かつて父親が犯した殺人に関わり、行方不明だった女が、今になってなぜ…。真相を求めて信州の寒村を訪ねた私を次々に襲う異様な出来事。果たして、誰が誰を殺したのか? 本格ミステリー。
薬の副作用で悩まされる悪夢のシーンや信州の方言の会話など、どうもとっつきにくいミステリーだった。登場人物が限られているせいか、本格ミステリーという謳い文句にもやや疑問が残る。
(C)
投稿元:
レビューを見る
悪夢の部分がよく分かりませんでした。
息子さんを拐った犯人は
予想通りでした。
う〜ん。
このお話は苦手…