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沖縄が日本じゃなかった時代。
米軍の精神科医として沖縄にやって来たエドと
沖縄の若い画家達との出逢い。
絵心に乏しい私でも
彼らと共にスケッチがしたくなる。
【図書館・初読・5/2読了】
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沖縄が日本では無くアメリカだった時に、軍事医として、赴任する。そこで、現地のニシムイ美術村の若い画家達に出会い交流し友情が生まれる。
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生きるために、つなぎ止めるために、同じものをただ信じるために、言葉だけではなく、アートに込められたメッセージは偽らざる想いに溢れる。アーティストもオーディエンスも同じくひと。わかりあえないはずはない。一度わかり合えば、決して壊れるものはない。
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実在の人たちなんだね。
戦後すぐの沖縄でこうした芸術活動をしていた人たちがいたなんて驚いたし、その生き方の迫力に心動かされた。
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戦後間もない沖縄に赴任した若き軍医と、集団で暮らし制作し、必死に生きた画家たちとの交流を、実話を元に描いた作品。日本とアメリカのはざまでゆれる当時の沖縄で、偶然にも出会った彼らの美しい日々が、まるで映画のように鮮やかに、それでいて切なくも哀しくつづられ、画家たちの描く作品が、まるで目の前にあるかのように浮かんできた。灼熱の沖縄で、棘のように刺さった痛みや辛さ。戦争。壊れゆく心。友情。貧困。生命。
さらりと読めて、じんわりと余韻を残す作品。作品のモデルとなりカバーでも使われている玉那覇正吉氏の作品を、ぜひ観てみたくなった。
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沖縄県立美術館が開館する直前から半年間アルバイトしていました毎日イスに座って「ニシムイ」作家の作品を観ることができました
分厚い作品集もっています
首里の高台から見える港、かまぼこ型のコンセット
沖縄に住んでいるので情景が浮かびサクッと読めました
が頭の中では「どぅちゅいむに」という歌が流れてました
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戦後の沖縄基地のアメリカ精神科医師と沖縄のニシムイの人々が絵画を通して心を通い合わせていく、ノンフィクション小説。太陽の棘のタイトルが読み終えて、納得。
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戦後直後の沖縄に配属される米国人医師と沖縄の画家達の友情物語。
何かするすると話が進み、淡々と終わっていく感じで、陰陽が無い。
ヒガのキャラをもっと立たせると、相対的に他の登場人物が浮かび上がるような気がしたが、、。
絵画の話も『等伯』ぐらい読んでて絵が浮かぶようだと良かった。
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沖縄と米兵の絵画を通しての交流が深く胸に沁み渡る。
沖縄の辛さが切々と伝わって来るが、絵を描くという事に希望を持っている人達に救われえる気持ちになる。
また、絵画と言う芸術を偏見なく感じ取れる米兵もいたという事にも救われる。
最後の別れが辛く、読み終えてまた最初に戻った。
彼ら達の再会はあったのかな~と切なく思う。
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「楽園のカンヴァス」に続いて。
ちょうど、終戦直後の沖縄について調べていただけに、タイミングよく。表紙と裏表紙の2つの肖像画が表すように、アメリカ人の従軍精神科医とニシムイ(アートビレッジ)の沖縄の画家の交流を中心に、戦後、本土とは違う生き方をしてきたOKINAWAが語られる。
史実をベースとしているだけに、リアリティ豊かで、シンプルな構成が心に響く。今すぐにでも実際の絵を見に行きたくなる物語。
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占領下の沖縄に実在した芸術家たちのコロニーと、一人のアメリカ人軍医との関わりという非常に興味深い題材が描かれている。が故に、もっと、せめてもう少し描き込んでもらえていたら...という惜しさが残ってしまった。単に読み手としてもっと読んでいたかった、というだけかもしれないけど。アートの力とともに、沖縄という地の宿命と底力を感じた一作。
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原田マハ氏らしい作品。
実話をもとに作られた作品なんですね。
当時はまだ一般的ではなかったアメリカ人と日本人との交流が絵を通してつながっていく。ラストのニシムイの人たちの鏡の反射の見送りには思わずホロリとさせられた。
原田マハ氏の美術品を題材にした作品を読むとモチーフにされている品々を見てみたくなる(笑)
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戦後すぐの沖縄のとある地に住む芸術家と米軍の軍医との熱い友情を描いた作品。戦後すぐの沖縄というのは小学校の頃に毎年、勉強をしていたのでそれとなくは知っていたが作品を通して米国の植民地時代の沖縄を見ると想像以上に悲惨である。絵画を含むアートで交流し、友情を深め、国同士の過去のいざこざというものを払拭していく姿を見るとやはり、芸術というものの力というのは人の心を穏やかにする作用が少なからず、あるのではないだろうか。最後にタイトルに込められた意味がわかり、胸が熱くなるような感覚があった。
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戦後アメリカの統治下にあった時代。
通常ならばアメリカ軍と沖縄の住人が仲良くなることはない。
しかし、軍医と沖縄の画家が通じ合い、親友となる。
それを結び付けるのは「絵画」。
敗戦国と戦勝国という大きな壁があっても、絵画を通じて、徐々に近づいていく心情が鮮やかに描かれている。
その中に、いまだに続いている沖縄問題があり、アメリカ軍の都合、統治されている沖縄の状況、両者の観点が書かれ、考えさせられた。
テンポの良い文体で、あっという間に読めた。作者は広島出身であるが知らなかった。他の本も読んでみたい。
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音楽は国境を越える、とはよく聞くが、確かに芸術は国境や時代を越える。
魂のこもった力のある表現物や表現者は、見る者の心に直接働きかけるからだろう。
理屈も理由も考える暇なく、感動を呼び胸を震えさせる。
戦後すぐの沖縄の米軍基地に軍医として派遣された新米精神科医エド。
ニシムイに美術村を作り、画家として生きるために描くタイラ。
自らも画家志望だったエドは、ニシムイの画家たちの描く絵と、純粋に創作に向き合うきらきらした瞳に惹きつけられる。
巡り合うとは夢にも思っていなかった彼らが、巡り合い、国も立場も越えた友情を育む。
しかし、戦後間もない時代の沖縄という特殊な場所にあって直面する現実は、タイラたちニシムイの画家に厳しく、エドたち米軍の軍医に苦いものも多かった。
物語終盤の別れの気配と、ニシムイの画家の一人である描くために生きるヒガに降りかかる不条理な悲劇の辺りから、鼻の奥がツンとなる。
エドの怒り、画家たちの誇り、お互いに対する信頼と友情。
胸が熱くなり、沁みたものは堪えきれず目から零れ落ちた。
沖縄を去るエドが大事に抱えた二枚の肖像画。
チカッ、チカッ……。七つの光の棘。
眩い太陽を集めた光の棘は、小さいけれど強く、胸にほんのり温かい痛みを残す。