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二人のヒロインの人生がすごくリアルに描かれていると思います。人生ってちょっとしたことでコロッと上がったり下がったりしますよね。でもどこかで立ち直って最後に笑っていられればそれでいいのかな、なんて思います。
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ダイアナ、しかもそれが漢字の“大穴”なんて名前をつけられたら、どんな気持ちになるだろう。
僕なら、とても学校に行けない。
小学校の一学期から、もう登校拒否だ。
競馬好きの父親がラッキーな娘になるようにとつけられた名前。
人前で呼ばれるたび、恥ずかしさが募る。
それでも、めげずにダイアナは強く生きる。
そんなダイアナを何故か眩しく見つめる彩子。
お金持ちで何の不自由もなく育った彼女なのに、箱入り娘の状態が不満で、正反対の環境のダイアナに秘かに憧れていたのだ。
二人の交流は順調に続くが、小学校卒業前の出来事をきっかけに喧嘩をし、ダイアナは公立に、彩子は私立の名門お嬢様中学に進学し離れ離れになることもあって、二人は10年以上も会わないようになる。
その後ダイアナは、キャバ嬢をしながら育ててくれた母親ティアラの少女時代の秘密を知ることになる。
二人の少女が全く違った環境でそれぞれ葛藤し、紆余曲折の道を歩みながら成長していく姿が心に響く。
特に、ダイアナの奔放で、かと思えば堅実で、ひた向きな姿に感動を覚える。
彩子のほうは、大学生になると。10年ほど前に社会事件にもなった大学サークル「スーフリ」を思い起こさせる出来事に遭遇して悩む。
二人の成長の対比の仕方やエピソードが絶妙で、どんどん話に引き込まれていく。
所々に張られた伏線が後半に回収されていく様も見事で、読んでいて爽快感がある。
最近の柚木さん、作品の構成やキャラ立てが一段と上手くなり、やはり一皮も二皮もむけた。
直木賞も遠くないだろう。
実に面白い小説でまさに一気読みでした。
次作にも期待だ。
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大穴と書いてダイアナと読む女の子と
クラスメイトの彩子。
ダイアナは名前のせいで疎外されるが
彩子と仲良くなり大好きな本の話で盛り上がる。
彩子ダイアナに憧れダイアナは彩子に憧れる。
隣の芝生は青く見える
というように家庭環境から何もかも対照的な二人は
仲違いをする。
それから22歳までの二人が描かれるのだけど
離れていても
どこかで繋がっているようなふとした瞬間に
お互いを思い出す。
再会した二人の清々しさといったら!
本がもたらす影響の素敵さ。
すごくいい小説でした。
読書好きな人には
たまらないと思います。
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2人の少女が大人になるために通り抜けなければならなかった道の険しさ、払った代償の大きさ、を思い胸が痛む。
自分をまるごと受け入れ、そして肯定する事。多分、誰もが(意識していなかったとしても)どこかでそれを超えて生きているのだろうね。
自分にかけられている呪いに気付かず、それを解くこともせずに生きているヒトは幸せなのかどうなのか。
女の子が何かを乗り越える力を、本と本屋が与えらえたら、それが一番うれしい。
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赤毛のアンは子どもの頃に、テレビと漫画で読んで知っていた。今度はちゃんと小説で読みたいと思う。ダイアナみたいに強くいきたい。こんな自分でもいいかな、と自分が好きになる本です。
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全く違う家庭環境に生まれた二人の女性の成長物語。主人公のダイアナに関わる秘密が徐々に明らかになる展開とリアルなエピでどんどん惹き付けられる。二人の母親がまた魅力的でたまらん。読後感もいいしとにかく面白い。著者の作品に外れはない。
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少女から大人になるまでの女子のえげつなさとキラキラした感じ。わかるなぁ。わたしにもあったなぁ。柚木さんはすっかりお気に入りの作家さんですが、自分が予想してたラストとちょっぴり違うオチがあって幸せになれる読後感がとても好きです。いつもよりお腹は空かずに済みました。
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来年の本屋大賞のノミネート予想の先読みのつもりで手にした本だけど、読みだしたら止まらなくなりました。今年最高の1冊。現代版「赤毛のアン」とありますが、「赤毛のアン」も少女の心理を知らない私でも楽しめる(痛々しさと感動と悩みと素直さの)一冊でした。世界一ラッキーな子になってほしいと「大穴」と書いて「ダイアナ」と読ませる金色に染められたバサバサの髪の女の子。彼女の孤独な心を満たしてくれるのが本の世界と親友「彩子」でしたが、その後の15年間、もどかしくて痛々しい青春を経て、自らの呪いを解くシーンに素直に感動してしまいました。
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名前も性格も家庭環境も正反対の2人が出会い、お互いに憧れ親友となった小学生時代。
ちょっとした行き違いから、その後10年間別々の道を歩むダイアナと彩子。
自分のいる環境にもがきながらも、やがて自分を認めて受け入れられるようになる様子が丁寧に描かれていてとてもよかった。
ダイアナの母・ティアラが最初強烈なキャラに思えたけど、一番性根の据わった強い女だったなぁ。そんなティアラに彩子が、彩子母にダイアナが励まされたりするシーンが時々あってグッと来た。
家族以外にも自分のことちゃんと見てくれる大人がいるって幸せなことだ。
とても好きな内容だったから、そのうち購入しようかな。
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「大穴」と書いてダイアナ、と読む名前の主人公。この名前が大嫌い。シングルマザーで、キャバクラで仕事をしながら育ててくれているティアラ(源氏名)は、美人だけど派手でケバくて、ダイアナにとっては恥ずかしい。ついでに、小学生なのに、母と同じにされている金髪もキャラクターの服も恥ずかしい。ダイアナは名前と、(美人だけど)奇抜なファッションにコンプレックスを感じて誰とも友達になれなかった。
小学3年生、神崎彩子ちゃんに会うまでは。
出会ってから2人は親友になった。
大好きな本の話をいっぱいした。
彩子ちゃんは両親とも落ちついていて、素敵な家に住んでいて、ダイアナの理想の家庭の子だった。
彩子にとっては、自分の家はちょっと窮屈な家・・・彩子には、ダイアナの家はティアラの趣味の可愛いキラキラしたものにあふれた部屋が羨ましく、ジャンクフードが美味しく、ティアラとテレビゲームして遊んだりするなんて心から羨ましいのだ。
全然タイプが違うために、お互い惹かれあった2人。
けれど、中学受験で彩子が心理的に不安になった時、ダイアナも両親のことで悩み、ちょっとしたことから喧嘩して、
仲直りできないままに、中学・高校を離れて過ごすことになる。
ダイアナと彩子、それぞれにコンプレックスや悩みがありつつも成長してゆき、いつしか自分そのままを受け入れるようになる。
私の呪いをとけるのは私だけ。
本好きの女の子だけでなく、全ての女の子に読んでほしい。
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大穴と書いてダイアナと読む。髪は幼い頃から母に染められた金髪。小さな顔に大きな瞳。目を引くけれど、人を寄せ付けない。そんな彼女は実は本が大好きな内気な女の子だった。そんな彼女が小学三年生の時に出会ったのは彩子という美しい少女。穏やかな両親と綺麗な家に住む、豊かに恵まれた少女。二人はあっという間に仲良くなるが、少女たちは少しずつ大人になっていく。そして、二人にとって別れの日が来る。
女子二人の物語。最初は非常に穏やかで平和であまりにも幸せそうで、まあそれはそれで面白かったのだけど、だんだん女子がおとなになってキリキリ痛く切なくなっていって安心した。
どちらの親も非常にまっとうで、魅力的な大人で、その存在が物語を落ち着かせていてよかった。
大学生になるまでの彩子ちゃんはふわふわしすぎてて案の定だし、ダイアナは一匹狼貫きすぎというか純情すぎたし、心配でしょうがなかったけど、二人の呪いがとけてよかった。これから2人がやっとほんとのことを言い合いながら喧嘩しながらほんとのともだちになっていくんだろうなあ。出版社に勤める彩子ちゃんと本屋さんのダイアナの二人のお仕事小説としての続きがあっても面白いかも。
良き本、良き友に出会えることの僥倖を噛み締められる一冊。
しかし最近の柚木さんの本がラッキーガールのハッピーエンドばかりになっているような気がして、初期のようなぎりぎり痛い少女たちの話もまた読みたい。
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久しぶりに「これだ!」という本に出会った。
母にダイアナと名付けられ、髪を金髪に染められ、決して裕福とはいえない環境で育ったダイアナ。正反対な環境で育った彩子。2人の視点から、かけ合いのように物語は進んでいく。
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私の呪いを解けるのは、私だけ――。すべての女子を肯定する、現代の『赤毛のアン』。「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人だけど、私たちは一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に――。自分を受け入れた時、初めて自分を好きになれる! 試練を越えて大人になる二人の少女。最強のダブルヒロイン小説。
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姉のような歳でキャバ嬢の母と二人暮らしの大穴(ダイアナ)と誰もが羨む家庭環境にある彩子の二人が主人公の物語である。大筋は、彩子が挫折し、ダイアナが思い通りの道を掴み取るという、大方の想像通りではあるが、付随する出来事が、それぞれにとってなかなか過酷に描かれている。だが、それぞれが自分を信じ、自分自身でそれを乗り越えた先で再会し、再び心を通わせる場面は、心底ほっとさせられる。そして、小学校三年生からずっとダイアナを見守り続ける肉屋の武田君がとてもいい。ダイアナの母ティアラも、これほど極端に走らず、もう少し何とかならなかったものかと思いもするが、それでこその物語なのでまあ良しとするか。自分に呪いをかけるのもそれを解くのも、自分だけなのだと改めて思わされる一冊でもある。
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なんだか読み終わったあと抱きしめたくなった(本を)。最後の方、村岡花子さんの言葉が出てくるんだけど、ストーリーに惹き込まれた後だから、ただその言葉だけを読むよりも心に響いた気がする。
2人の女の子が小学生から社会人になるまで、それぞれの視点から交互に語られていくんだけど、子ども時代を過ごした人なら多分何かしら思い当たることがあるんじゃないだろうか。10代の頃に読んでいたら何を感じたのかなぁ。
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私の中で最近アツイ、柚木さんの新刊!
なんとも可愛らしくて、ホワっと暖かくなれて、ちょっぴり泣ける良い本でした(*'ー'*)
本が大好きな二人の女の子のお話しが、朝ドラでもやっている『赤毛のアン』と絡みながら進んでいきます。
やし、もちろん村岡花子さんのお名前も登場しますw
別々の道を進んでいくけど、どちらの道も一生懸命に生きてて、その姿に元気をもらえる。
帯に書いてあるように、全ての女子を肯定してくれるし、大丈夫って言うてくれてるような安心感を与えてくれる。
本の中に「栞を挟んだところを開けば、本を閉じた時の記憶と空気が蘇る」っていう節があって、物語とは関係ないところで、そーなの!!って声を出してしまいそうになったww
この本を含めて、一瞬にして本の世界に戻してくれる本に出逢えてるコトに感謝♡