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欲望に蓋をして生きていくつもりだった。けれど――。第10回R-18文学賞大賞受賞作。アルコール依存から脱することのみを目的に生きる女。「きみとはもうセックスしたくない」と夫から宣言された女。母になるか否かを考え続ける女。もっと愛したい、もっともっと愛されたい、なのに――40代を漂う彼女たちが見つけた、すべて剥がれ落ちた果ての欲望の正体とは。女の危うさと哀しみを迫力の筆致であぶり出した、連作短編集。
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「結婚について私たちが語ること、語らないこと」 「花車」 「母にならなくてもいい」 「残欠」 「熊沢亜里紗、公園でへらべったくなってみました」 「べしみ」
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ここまで極端ではなくても、身近にあってもおかしくないようなシチュエーションではある物語たちである。リストラされたり親を亡くしたり、自分はこの先どうなっていくのだろうかと、ふと不安に駆られる年代が40代なのかもしれない。いくばくかの焦りと、諦め、そしてまだ尽きぬ欲望が、人生の第二段階に入ろうとする女たちを翻弄しているようである。好き嫌いは分かれるかもしれない。装丁が内容をよく表している一冊である。
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40代の女性達の悲哀にあふれる短編集。
前のストーリーで脇役だった人が、次のストーリーで主役になるという、最近多い私好みの1冊でした。
それぞれの主人公が、現状に満足していない悩みを持つ人たち。
同世代としては、どこかに共通点を見つけることがありましたが、あまり共感は出来なかったです。
母にならなくてもいい、が良かった。
女性上司に反発していたようだった部下が、実は彼女を認めていたという下り、私も香穂と一緒に、晴れやかな気持ちになりました。
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これはなかなかイイと思いましたよ、自分は…!
ヽ(・ω・)/ズコー
30代から40代くらいの?中年差し掛かり、あるいは真っ只中にいる女性たちが主人公の群像劇とでも言えばいいんでしょうか…? 一つの短編に出てきた別の登場人物が、次の短編の主人公だったり…まあ、色々な人物の視点から楽しめる作りになっていますねぇ…!
ヽ(・ω・)/ズコー
最近は小説と言えばミステリのような、娯楽に傾いたものばかり読んでいたので、こういった内面掘り下げる系の小説はある意味新鮮でもありました…。
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、作者の登場人物たちの内面の掘り下げ方には舌を巻きましたけれども、個人的な好みを言ったら…多少、アレですかね…いやまあ、読みながら登場人物の内面に影響されるのか、だんだん苦しくなってくるんですねぇ…。
ヽ(・ω・)/ズコー
けれどもまあ、デビュー作としてはかなり上出来というか、帯にもありましたけれども、まさしく傑作の部類に入るんじゃないかと…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
最近は独身のまま中年期に入る女性らも増えているようですし、そういった女性たちをターゲットに当作品のような小説がたくさん書かれるのかもしれないですねぇ…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー
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帯のそうそうたる作家の押しに、買ってみた本書。
なんと、力強い作家に出会ったな、と思う。
短編が進むにつれ、どんどん印象の強い、なんともどろっとするような、すごく真をつかれたような、女性として、この感情、なくない。と、ある、と言い切れないなにかまっすぐ向き合えない気持ちとともに、共感する。
とても良い、作家が誕生したな、痛い、擦り切れる気持ちになる、リアルな、女性の日々が、本当にリアルに、今まで読んだことのないリアルさで、表されている。
後半に向かうにつれ、切実と、女のリアルを、描いているように思え、苦しくも、なにか安堵感を時に感じる、不思議な、リアルな、作品でした。
2017.05.02小浜島
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甘いお菓子で前を向けるほど、オンナはラクじゃない。
セックスレス、アル中、母にならないこと…。
すべて剥がれ落ちた果てに、彼女たちが見つけた
欲望の正体とは…。40代女性の生きることの危うさと
悦びをあぶり出す。
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面白くなかったわけではないんだけど、なかなか読み進められなかった。
そして表紙が好みだった。
2018.4.5 読了
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なんなんでしょ、これは文学なのでしょうか。よく、わかりませんでした。
ただものすごくリアルな感じとずしずしと差し迫るような迫力はあったと思います。いやぁ~な読後感でしたがそれが狙いだとしたら作者の強みでしょう。
「べしみ」の眉をひそめたくなるような、女の、誰にも言えないえろくてぐろいこころの奥底。真正面過ぎて。。
読まなきゃよかった。
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色々なタイプの40代女性の、心と身体と欲望のリアル。軽いタッチの文章で読みやすく、それでいて深く抉るような描写がぐっとくる。ほんのりと切なさが残る読後感もいい。
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後味は良くないが、一気に読んでしまったのだから面白かった。
ちょっとゴミを集めて捨てました。という感じか。
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短編集6編
中年の女性の悩み問題を,色んな切り口で目の前に広げて見せてくれたよう.それぞれの主人公達の行動がその処方箋かな.猫を飼って癒されながら強く生きている「母にならなくていい」が良かった.
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第10回 R-18文学賞大賞作品…今は「女性による女性のための文学賞」ですが、第10回までは「女の性を描く文学賞」だったらしい。うん、その通りの短編集でした。 主人公以外の登場人物が、次の作品の主人公になるバトンリレー構成になってるのも面白い。 男性はこの本、手に取りにくいでしょうねぇ。そして、知られたくないような、知って欲しいような内容(笑)
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人生を半世紀近く生きてきたアラフォー・アラフィフ世代の女性達。
それぞれの問題を抱える彼女達が次々に繋がる連作短篇集。
世の中はそんなに甘くない、とつくづく思い知らされた。
社会は、世間は、どうしてこんなにも彼女達に辛く当たるのだろう。
なぜこんなにも生きにくいのだろう。
結婚、性欲、子供、老い、依存症、再就職…"もう若くもない"女性の前に立ちはだかる壁は大きく厚く、途方に暮れるばかり。
彼女達と同世代の私には塩辛過ぎて、とても身につまされた。
特に『残欠』がとても印象深い。
「残欠」とは書物や骨董品等の一部分が欠けたモノのこと。
アラフォー・アラフィフ世代はこの「残欠」のように欠けていびつな不完全なモノとして世間に思われている、ということか。
確かに世間が思うような"完成形"ではないかもしれない。
割れて欠けた部分が痛ましく、見るにも耐えない時もあるかもしれないけれど、欠けずに残ったモノが光輝いて見える時もある。
金継ぎ等を施せば新たな美しいモノへ生まれ変わることもできる。
人生の甘いお菓子は食べない、と自ら決めた彼女達。
背筋をのばし颯爽と歩く彼女達に、同世代の女として心からエールを送りたい。
どの短編も終わり方が希望を持てるもので良かった。
R-18文学賞大賞受賞作家さん、という田中さんの作品をもっと読んでみたい。
女性として共感する文章も多かった。
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どれも物哀しい感じ。
でも、どの話にもひとつくらい共感ポイントがある。
人生がうまく行っている時に読む方がいいと思う。
今、ちょっと下降気味なのできつかった。
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「べしみ」は女による女のためのR-18文学賞大賞受賞作。
6編の短編集。40代女性の性愛にまつわる話。独身だったり、結婚間近だったり、母親だったり。
田中兆子さんのデビュー作。女性側の話ということもあり、なかなか共感しづらい。わからないでもないが、まどろっこしさが先に立つかな。
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【女による女のためのR-18文学賞】大賞を受賞した『べしみ』を含む6つの短編集
アルコール依存、セックスレス、未婚の老後etc…
「結婚」を通して 女性の目線から語られる物語
話の中でチラッっと出てくる人物が次の話の主人公となっている
とにかく、主人公たちの自問自答が過ぎて なんだか途中でお腹いっぱいというか飽きちゃったというか。
でも、アルコール依存に苦しむ女性を描いた『残欠』は読んでいて息が苦しくなりそうなほど、主人公の壊れた心と身体が痛かった。
「我が子と同じくらい愛してしまった酒をやめてまで、生きる理由がみつからない。理由がないけれど、死なないから生きている。」 …辛い。
「ママは悪くないよ。お酒飲んでないんだから。」と言った息子の直也の気持ちも…辛い。
わたしが1番 好きだったのは『熊澤亜理沙、公園でへらべったくなってみました』
「熊澤亜理沙、49歳。独身、一人暮らし、結婚歴無し、両親はすでに亡くなり、兄弟なし、彼氏無し。リストラされて無職。ある意味最悪、ある意味最強。あははー。」から始まる話。笑
リストラされて やりたい事もない、外出しても行きたい所もない。→よし!公園の土の上に寝てみよう!(しかも うつ伏せ)
え?笑
強い。
『べしみ』は、ある日 突然、女性器が奇妙なおっさんの顔になってしまった女性の話。
え???
怖い。