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一応児童書ということにはなっているが、かなり純粋に怖い。主人公サイモンの、思春期独特の複雑かつ微妙な心理が鋭く描かれており、飽きさせない。ラストがいきなりぶつ切れた感があるのが残念だが、大人が読んでも結構楽しめると思う。
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ちょっと前に読んだ。主人公サイモンの心理描写が丁寧で「あんた中坊をよくわかってるよ…!」と言いたくなる。かかしって好きだ。
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個人的にはトリスの伏線をもっと張っておいてほしかったなーとか思ったのですが、ラスト近くの主人公とトリスとの会話では何だか泣きそうになりました。ここをこんなにきれいに描けるんだったら、何で前半の学校生活での同世代の子どもたち(例外1人を除く)との関係性をもっと豊かに描けなかったんだ、と思いました。それだけがすごく惜しい本です。
主人公の少年視線を貫きながら、大人同士の関係性やその感情の起伏までがはっきり伝わってくる筆致には圧倒されました。
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小学生の時に読んだ本だったけど
今でも、この本から受けた印象というのが強く残っている。
主人公の男の子の中に芽生えていく憎悪に惹かれるかのように近づいてくる“かかし”
家族の中で孤立していく少年の孤独感が痛いほど伝わってきて
母親にわかってもらえないもどかしさ
死んだ父親をひきずり、新しい父親をみとめたくない気持ち
どんどん屈折していく主人公の男の子の様子がつらかった、
わかってくれない母親に怒りを覚えてしまった
徐々に近づいてくるかかしの存在も怖かった
ずっしりと心に残る本だった
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ジュヴナイルホラーの名作、という評判は聞いていたけれど、絶版品切れだった本作。今年に入って復刊したようなので、読む機会にありつけました。
ジュヴナイルとは思えない重さ。特に、主人公と同じくらいの年齢で感情移入して読むと……痛いよこれは。どんどん膨れ上がっていく孤独感と疎外感は、子供にとってはなによりも恐ろしいものなんじゃないかな。憎悪や嫉妬なんかよりも、そっちのほうが断然怖い。
そして「かかし」。かかしが少しずつ近づいてくる……という場面、想像しただけで鳥肌モノ。たんなるサイコホラーとしてでさえ充分に怖いのに、こんな怨念漂う要素まで付け加えられちゃあ、もういうことなし。こんなの子供の時分に読んでいたら、絶対トラウマになるほど怖かったと思う。
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子どもの頃、反抗期まっさかりの頃読んで大好きだった本。主人公のサイモンが反抗期まっさかり。その孤独にシンクロしていた。大人になってから読むと、子どものときわからなかったことがわかったりする。ママや新しい父親の気持ちもわかる。最後の家族のために戦うシーンは感動的だった。子どもの頃はわからなかったけど。
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(「BOOK」データベースより)
全寮制の学校に通うサイモンは、ママが再婚した売れっ子画家ジョーの家で夏休みを過ごすはめになる。パパが死んだ今でも、強い軍人だったパパの方が絶対かっこいいと思っているサイモンは、新しい生活にどうしてもなじめない。うつろな気持ちで広いカブ畑を歩いていたとき、古い水車小屋を見つけ、強く心惹かれるサイモン。だが、その日を境に継父との関係はますます悪化し、ある日ついに「それ」が姿を現した。ぼろぼろの三体の「かかし」だ。かつて忌まわしい事件があった水車小屋に巣食っていた邪悪なものを、サイモンの孤独な心が目覚めさせてしまったのだ。日ごとサイモンたちの住む家に近づいてくる「かかし」。目の錯覚などではない。サイモンを待つのは、破滅か、それとも…。継父への憎悪を募らせるたび、追いつめられていく少年の心理を鮮やかに描く。カーネギー賞受賞作。
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ウェストールの名作として名高い『かかし』。13歳の男の子の孤独と怒りの膨れ上がり方がリアルで怖い。中盤からはS.キングの『シャイニング』を思わせる恐ろしさ。スピーディにやってくる結末が見事。
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少しは心を開いたのかと思わせておいて、読み進めると元に戻ってる。本当に思春期の子供を相手にしている感覚でした。
それにしても主人公の母親も妹も、残酷なクラスメイトも怖すぎ。気持ちはわかるけど、主人公はあまりにも衝動的で、やることが怖すぎ。
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まがまがしすぎる。これはこわかった。本さえも呪われてるような気がした。「中学生から」って児童書みたいだけど、これ中学生で読んでたらトラウマになってたかも。。こわかった。作者による日本向けの優しいあとがきを読んでなぜか泣きそうになったw
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なんというか…
読了後の怖さというよりも、中盤から後半辺りにかけての主人公の気持ちの動きがきつかった。
というのも、再婚相手との寝室の上にわざわざ子供部屋を設置する?というそもそもの問題が私としては本当に疑問というか、精神的にキツイことするなあ、、、という印象でした。
うっすら、夫婦間のそういう動きを思わせる描写があって、(・・・これ幼児向けの本だよね?)と、たまに確認したくなりました。
かかしが怖い、というより、うまくいかなくなる家庭の雰囲気とか会話がうまく描写されてて、そっちの方が怖かったです。
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全寮制の学校に通うサイモンは、ママが再婚した売れっ子画家ジョーの家で夏休みを過ごす羽目になる。パパが死んだ今でも、強い軍人だったパパの方が絶対かっこいいと思っているサイモンは、新しい生活にどうしてもなじめない。うつろな気持ちで広いカブ畑を歩いていたとき、古い水車小屋を見つけ、強く心惹かれるサイモン。だが、その日を境に継父との関係はますます悪化し、或る日ついに「それ」が姿を現した。ぼろぼろの三体の「かかし」だ。かつて忌まわしい事件があった水車小屋に巣食っていた邪悪なものを、サイモンの孤独な心が目覚めさせてしまったのだ。日ごとサイモンたちの住む家に近づいてくる「かかし」。目の錯覚などではない。サイモンを待つのは、破滅か、それとも・・・?
追いつめられていく少年の心理を鮮やかに描く、イギリス児童文学の巨匠ウェストール、二度目のカーネギー賞受賞作。
はじめて読んだのは中学生のときだった。久しぶりに『夏の庭』を読むまで忘れていた。思春期の少年の繊細で残酷な心理に、こっちも気持ちがちくちくさせられる。夏に読むのがぴったり。
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人に薦められて手に取った一冊。
「ホラーが苦手な私にホラーを薦めるなんて!」と少々憤慨しながら(←大袈裟)恐々と読み始めたのですが……
不思議や不思議、全然怖くありませんでした。
もちろん心地良く読めるものではなかったけど、私にとっては怖いっていうよりは重い話で色々考えながら最後まで行くことが出来ました。
思春期の孤独感とか、反発心とか、思い込みとか、憎しみとかでドロドロになって、周りを否定するあまりちっとも問題の解決に至れない主人公のサイモン。可愛くて、同時に憎たらしくて哀れで、色んな事を思わせてくれました。
意外に酷いなと思ったのはママですね。勝手に再婚を決めたり、息子相手に私の血は一滴も流れてないって言ったり。自分の思い通りにならないことを完全に否定して弾圧しようとする姿勢は息子のサイモンにそっくりでしたが(笑)
否定して、憎んで、根本的な解決を諦めていたら……そりゃ、死んでもなお生に執着する悪霊に付け込まれるでしょう。
助かったのは本当にトリスのお陰だったと思います。彼が出てこなかったら、これはドロドロにまみれたホラーになっていて私は読めなかったか、読んだとしても中てられたと思うし。
そういう意味では、ホラー嫌いとか初心者でも読みやすいかなと思いました。
でも、おススメはしません。
このままの話でも映像化したら泣くぐらい怖いと思いますから(苦笑)
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じわりじわりの恐怖感がメインのはずだったけど、
家族関係の不和、かつての水車小屋の恐怖感のほうが印象的でした。
ちょっと、納得しにくい部分もあった。
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(No.11-81) 徳間書店の児童書です。
内容紹介を表紙裏から転載します。
『全寮制の学校に通うサイモンは、ママが再婚した売れっ子画家ジョーの家で夏休みを過ごすはめになる。パパが死んだ今でも、強い軍人だったパパの方が絶対かっこいいと思っているサイモンは、新しい生活にどうしても馴染めない。うつろな気持ちで広いカブ畑を歩いていたとき、古い水車小屋を見つけ、強く心惹かれるサイモン。だが、その日を堺に継父との関係はますます悪化し、ある日ついに「それ」が姿を現した。ぼろぼろの三体の「かかし」だ。かつて忌まわしい事件があった水車小屋に巣食っていた邪悪なものを、サイモンの孤独な心が目覚めさせてしまったのだ。日ごとサイモンたちの住む家に近づいてくる「かかし」。目の錯覚などではない。サイモンを待つのは、破滅か、それとも・・・。
継父への憎悪を募らせるたび、追いつめられていく少年の心理を鮮やかに描く、イギリス児童文学の巨匠ウェストール、二度目のカーネギー賞受賞作。』
サイモンは死んだお父さんが大好きで誇りに思っています。それと同じようにお母さんが大好き。参観などで学校にやってくるお母さんは、他のお母さんより振る舞いが洗練されていてそつなくて嬉しい。
でも、サイモンのお母さんは母親としての演技をしているように私には見えてしまいます。なんていうか久し振りに会った息子に対して冷静すぎる感じ。この人本当に息子を愛しているのかな?と疑問に思いました。
あからさまには書いてませんでしたが、お母さんはそれほど夫を愛してなかったみたいだなとそのうち感じてきました。結婚するのに適当な相手だったから結婚し、調子を合わせていただけかもしれません。
本当に愛しあうことが出来るジョーと出会って再婚し、前の夫に似ているサイモンがジョーを嫌っていることをうっとおしく思っているようです。
サイモンの、お母さんが好きでたまらない気持ちを分かってあげていない彼女に苛立ちを覚えました。
そしてまだ小学生の妹のジェーンのこと。サイモンはジェーンのことも好きなのですが。ジェーンの中の「女」は充分母親と張り合うくらいあって、読んでいて気持ちが悪いくらいでした。
ジョーはジェーンのことを子供だと思ってそれなりの相手をしていますが、数年後のことを考えると恐ろしくなります。お母さんがそのことを分かっているらしいことに驚いてしまいました。
一家四人のうち、男一人に女が二人、少年がはみだして孤独になるのは当たり前で、サイモンがかわいそうでなりませんでした。
これではサイモンがかかしを呼び寄せても無理ありません。
トリスの登場はかなり唐突で無理っぽい感じがします。でも外から誰かが来ないと、サイモンだけではどうにもならないところまで来てしまっていたということなんでしょう。
サイモンはジョーのことを嫌っていましたが、読者としてはそれほど嫌な人には思えません。でもサイモンが大好きなお母さんには、好感が持てませんでした。どちらかというと嫌悪感が・・・。妹のジェーンにはぞっとします。
あの水車小屋に昔住んでいた女性にも、到底好感が持てませ��でいた。
これを多感な少年が読んだら、女性不信に陥りそうだわ。それとも登場する女性の不気味さに気がつくのは私が大人の女性だからかしら。
少年はもしかして気がつかない?