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朝ドラの影響で村岡花子さんがどんな方なのか、気になって手にしてみた。
言葉が凝縮されたエッセーで、美しい文章がつづられている。
翻訳家としても母親としも苦労をされて来た人ならではの強い信念を感じさせてくれた。
これからのドラマも並行して観て行きたい!
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花子さんはこの文章を、いったいいつの時代に書いたのだろう……そう思わざるを得ないほど、文章が昔っぽくない。昨日書いたんじゃないの?っていう感じで優しく語りかけてくるから不思議な気持ちになる。
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エッセイ集なのに、学術論文か新聞の社説であるかのような固い文体。自分の生活を楽しむより、他人の生活を指導しようという感じが鼻について、読みづらいなぁと最初は思ったのです。
が、何編か読んでハッとしました。今読むと当たり前の「常識」「良識」だけれど、発表当時の旧弊な社会では、かなり革新的な意見だったかもしれないと。
新しい価値観が、斬新な意見が、こんな風に書かれ、読まれるうちに、だんだんこなれて現代にいたるのかと、うたた感慨にたえません。
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「生活意欲が盛ん。人間の生活を愛し、感情を肯定し、そこから温かさも優しさもまたたくましさも厳しさも発してくる。決して冷たさからではなく、ひたむきにそそぎかける愛情の切なさが厳しい憤りともなってあらわれるのだ」
花子さんが歌人・今井邦子さんを評した一部だが、同じ印象を私は花子さんに抱く。
また、立派な職業婦人だった彼女の、芯には母性を感じる。こどもと女性を深い愛情をもって見ておられるからだ。
ただ出来の悪い「娘」である私は、「時にやや主観に囚われすぎはしないかと反発したくなる場合もなくはない」という一文にも大きく頷いてしまうのだ。
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戦前・戦後のエッセイなのに、まったく古い感じがしない。
「花子とアン」のドラマも好きだったが、
やはり、村岡花子さんご本人から発せられる言葉にふれたい。
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装丁がとても可愛いエッセイ集。
村岡花子さんの、豊かな心を持って日々を生きようとする姿勢が、どこかあの赤毛のアンと重なって見えた。
「わたしは自分の子供時代__少女時代__を思い返すと、何だかいつも周囲とはなれていた自分の姿が見えてくる。どういうわけなのか、別にけんかをするのでもない、非社交的でもない、しかし、何となくまわりの友だちとちがったことを考えている私だったのである。」55ページより
そんな文学少女。
しなやかな強さというか、気丈さを持っていて、日本人女性であることに誇りを持っているのが伝わってくる。映画が好きで、おしゃれが好きで、好奇心旺盛な村岡さん。読み終わる頃には、尊敬する女性のひとりになっていた。
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◆きっかけ
『少年少女のための文学全集があったころ』で松村由利子さんが、村岡花子の随筆集」若き母に語る』(1960年)の中の「うろこのごときもの」という文章について触れておられ、村岡花子のエッセイを読みたいと思った。若き母に語るは絶版になっており、Amazonでも中古の取り扱いも無かったので、こちらで。2016/9/27