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紙の本
とろとろに蕩けて溺れていく熟女感
2014/05/05 16:49
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
2012年2月の『義母と民宿の母娘-美熟女たちの甘い誘い』(リアルドリーム文庫)より2年2ヶ月振り、「黒本」では2011年10月の『美臀の隣人-熟母娘 vs. 女教師』以来となる新作である。匂い立つほど濃厚に漂う熟女の薫りを楽しみに読み始めたが、奔放で無防備な18歳の娘が見せる主人公(20歳)へのアプローチを危惧する38歳の未亡人母が、その矛先を変えるべく取った行動によってメロメロのトロトロに蕩けて溺れてしまう内容で期待以上の官能描写を堪能することができた。
だがしかし、タイトルこそ『母娘』なものの、その比率は圧倒的に母であり、娘はほぼサブとも言える。娘を心配する母という構図にはなっているが、母の営むレストランに住み込みで働く主人公の想いは当初から母に向いており、娘の想いはほとんど一方通行である。関係を結ぶ直接的なきっかけにも娘は関わっておらず、言うなれば母が主人公と関係するための言い訳として、結果的の無自覚ながら娘がダシに使われている感じもしてくる。
その娘にしても後半から本格登場するものの、この時点では母と主人公との関係が既に出来上がっているために出遅れは否めず、娘自身もそのことは自覚しているので焦りも募るのだが、昼下がりの情事的な母と主人公の睦言を出歯亀しては興奮して濡らすことを冗長に繰り返している印象が強く、むしろ乱れる母のいやらしさを底上げする結果となっているようでもある。熟女好みな諸兄には歓迎要素なれど、全体を眺めた時には母娘丼への道筋を意識し過ぎた結果なのか、娘は取って付けたような存在になってしまっているように写るのである。
実は主人公には秘めた過去があり、そこで未亡人または年上女性への憧憬や経験を積んだことによる熟女キラーなテクを得ていて、タイトルにもあらすじにも出てこない隠しヒロイン(これがまたイイ感じの熟女)の登場と情交もあるのだが、このヒロインを主人公の過去と現在を結ぶ役回りだけに留めるのは勿体なく、作者の得意とする描写をより活かすならば、いっそのこと母娘には拘らずに熟女オンリーで濃いぃ路線を突き進んだ方が内容的な魅力はさらに増したのでは?と思ってしまった。
熟女感たっぷりのしっとりした描写が素敵で官能的には文句無しの星5つだが、作品全体に感じたバランスの違和感によって1つ減じざるを得ないのは残念至極である。
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