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紙の本
記念すべきガイドブック
2015/09/05 21:21
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投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
出版のタイミングからすると、NHK朝ドラの『花子とアン』を意識したものかもしれない。
しかし話題性に便乗して儲けようというような安易な本ではまったくない。
『赤毛のアン』をしっかり読むならこれ、とあとあとまで読者に重宝される本になると思う。
児童文学の名作が数ある中で、こと少女ものとなれば、
日本で『赤毛のアン』以上に人気のある作品はないのではないか。
しかしそれだけの人気はどうやら日本だけらしい。
そもそも発表当時はカナダはまだイギリスから独立してさえいない。
つまり、『赤毛のアン』を読んだ読者であっても必ずしも把握していない事情がいろいろあるのだ。
本書は『赤毛のアン』についての一種のガイドブックとして、
そうした社会的文化的背景を
場面場面に照らしながら綿密に徹底的に分析、解説した本である。
さらには現代における批判や評価、日本における受容についての考察や、
3種類の日本語訳の比較考察もある。
その内容は緻密かつ説得力があり、なるほどと感心する着眼も数多くあって
作品の奥深さもわかるし、読む味わいも増すというものだ。
文章も柔らかく、噛んで含めるようなスタイルでわかりやすい。
たとえばレポートや論文で『赤毛のアン』を取り上げる大学生、高校生などにはすごく参考になりそうだ。
著者は英米の児童文学を専門とする大学教授なので、
そういう研究やら講義をしてきた人なのかもしれない。
ただここまで詳しいと、逆に疲れてしまう場合もあるかもしれない。
一般の読者ではなかなかここまで掘り下げては読まないだろうから。
しかし流し読みのようにしながら、気になるところ、興味をそそられるところだけじっくり読んでも
いろいろ発見があって楽しいと思う。
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