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認知症は高齢になれば誰もがなる可能性がある。
どんなに気をつけたところでなる人はなる。
そして、
すべての症状が消えて
すっかり元通りになるような治療法はいま現在ない。
(周辺症状の改善や認知機能が向上することはあっても)
まず大前提として
治る病気ではないということを理解し
治そう、矯正しようと躍起になるのではなく
「治らなくていい」
「そのままでいい」
とありのまま受け入れたうえで
本人の自尊心(自己肯定感)を大切にしてあげて
「張り合い」のある生活になるよう
お膳立てしてあげましょう、というのが本書の主張。
そうすることで結果的に
困った周辺症状が穏やかになるケースが多いですよ、と。
認知症の人をケアする側の心がまえとして有効な本だとは思う。
ただしちょっと不満なのは
多くの認知症の本や報道と同様
認知症≒アルツハイマー
という扱いだというところ。
心がまえ以前に
まずはそこんところが
多くの誤解と混乱(そして悲劇)を招いている気がする。
(だいぶコウノメソッドに洗脳されてるな、笑)
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著者は精神科医をオーガニック派とメンタル派に大別し認知症臨床はその谷間という。認知症診療の書物はオーガニック派によるものが多く、著書はメンタル派である。その分、新鮮な書物ではあるが、一般向け書物のようにわかりやすい。しかし認知症診療に従事しようと思う人には基礎的な始まりの著書となるだろう。備忘録として、キットウッドの公式を再確認した。キットウッドは認知症症状が5つの要因の重なりで生じるとし、性格(Personality)、生活史(Biography)、身体状態(Health)、神経学的障害(NI)、対人心理(SP)の構成要因を挙げた。最後に治療に関して、まずは非薬物療法というが、著者まず「本人により注目し関心を持つこと」「本人と接する時間を増やし、話をする(あるいは聴く)ことである」と簡潔に述べる。明日からできることである。私はこれにユマニチュードを加えたい。
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認知症治療・介護の基本姿勢が書いてある本です。
この本は、まず高齢者では認知障害は当然起こるものであるという前提にたって書いています。
家族は、親が認知障害をきたしたことに戸惑い、回復して欲しいと強く願うでしょう。
その気持ちから、つい間違いを指摘して、訂正するような口調になってしまいます。
この対応が、さらに認知障害者に混乱を引き起こし精神的な反応を引き起こします。
ひどくなると家族関係がこじれ、障害者が妄想や暴言・暴行などの問題行動を起こす原因となります。
「指摘しない、議論しない、叱らない」ことがケアの基本です。
http://ameblo.jp/nancli/entry-12039430501.html