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休業日に入手した本を、入手した日から早速紐解き始め、頁を繰る手が停められなくなり、素早く読了に至った。
少し「訳アリ」な鮫島警部が、事件の解決に向けて奔走する<新宿鮫>シリーズの1冊だ。最近、シリーズ各作品をランダムに読んでいる。本作は、大胆なアクションが入る動的な感じというよりも、密かに悪事を重ねる人達の思惑を挫こうと奔走する様子の静的な感じと言えると思う。シリーズ各作品では、そういうように動的なモノも静的なモノも入り混じっていて、それらは各々に面白い。
物語は西新宿の高層ホテルの1階に在る珈琲ラウンジから起こる。
鮫島は盗品等を売買する故買屋の三森という男を見張っていた。ラウンジに現れて、何者かと話し合っていた。
鮫島の大学の同期に滝沢という男が在る。国税庁に査察官として勤めている。通常、国税庁の査察官は警察に表立って協力を要請しない。が、滝沢は非公式に鮫島に申し入れた。追っている事案に関与しているらしい三森の人物を特定したいというのだ。鮫島は三森を知っていた。そこで、決まった事務所を構えるのでもなく、ホテルの喫茶室のような場所に現れて用談をしているという三森を探し出して、滝沢と共に見張ったのだった。
やがて三森が去ると、滝沢は三森を静かに追って去った。三森と会っていた男がエレベーターに向かう。その男と言葉を交わす男が在った。鮫島と面識の在る浜倉という男だった。浜倉はコールガールの元締めであった。数人の女性を抱えて管理売春をしていることになる。暴力団等との繋がりは無く、独立的にそれを行うという男だった。
鮫島は浜倉と言葉を交わした。浜倉が言葉を交わした男が、鮫島が新宿署に来る前に退職した光塚という元刑事だと知った。更に、ホテルの上階に在る高級エステサロンの仕事をしているということも知った。そして浜倉の近況を聴けば、或る病院に苦情を申し入れようとしているという話しだった。浜倉の下で仕事をした女性が、内縁の夫との間に子が出来たことで仕事を退いていた。その女性が腹痛を起こし、近くの病院に駆け込んだところ、緊急手術と称して子を堕胎されてしまった。供養をしたいから遺体を引き渡すように申し入れても、処分したとの一点張りだった。浜倉は、それでは余りにも酷いと、苦情を申し入れるというのだった。そんな話しを聴いて、鮫島は浜倉と別れた。
やがて浜倉が死亡したという情報が入った。発見された遺体は、他殺か病死か判然としない状態であった。遺体を解剖すると、白血病や癌の患者に発生する場合が在る、血栓が方々に発生する状態だったという。浜倉はその種の症状を患っていた訳でもない。関係者に話しを聴こうにも、表に出し悪い仕事を手掛ける浜倉の関係者を見出すことは難航した。
こんな状態から起こった事案に、鮫島は関与して事案の謎を解こうとする。妙な横槍も入りながら奮戦し、恐るべきことが進行していて、関連して次々と人が死ぬ事態にもなってしまっていることを知るのである。秘密めいたモノを持つ高級エステサロンの女性経営者を核に進む事態に、鮫島は如何に向き合って行くのか?
という物語である。1993年頃に登場で、既に読了と��う方も多い作品であるとは思ったが、“ネタバレ”を避ける程度に内容を振り返っておいた。何か妖しい感じが立ち込める中で展開する物語だ。
この<新宿鮫>シリーズは、“山脈”のように、秀作が連なっていると思う。「今更…」かもしれないが、愉しんでいる。
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Kindleにて再購入で再読了
数年ぶりに読み直して
あれ?こんなに面白かったっけ⁈
ってなった
しかし恐ろしい設定…
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屍蘭★4
安定の新宿鮫シリーズ。面白かった。今回は殺しに使われた毒だったり病院の話だったりと医療の話が多かったがその正確さに驚いた。非常に良く下調べされていて医療関係の自分でもすべて腑に落ちる設定にできていてすごいなと感じた。国家試験前の唯一の息抜きとしてこの一冊をちょっとずつ読み進めたのもいい思い出になった。
早く次も読みたい。
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新宿鮫、第三弾。今回の容疑者はサイコな中年女性。鮫島大ピンチの局面をどう潜り抜けるか。犯人の大胆な殺人。読み応えがあり、面白かった。