紙の本
アカサギ
2020/10/30 07:18
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
男相手の結婚詐欺師ってどうなの?って
かなり気になっていたのですが
理由もやり方も筋が通っていてなるほどってうなりました。
男相手に結婚(養子縁組)詐欺もありなのか・・・、
作者さんうまいなぁって。
槙が詐欺をする理由も納得で、うなりました。
恩田弁護士・・・本当に弁護士やっていて大丈夫なのか的な部分もありましたが
「色恋の案件なんぞ反吐が出る」などという強面な男が
どんどん惹かれていって、
そこまで執着したらだめだろう!!的なところまでいくのを見られます。
(食事を共にするシーンが実はわたし的には印象的で
これが鉄仮面の罅割れをおこさせたのだと思うのです。
食欲は人間の三大欲求のひとつですからね
「食欲」「睡眠欲」「性欲」なのでリンクしてしまうのもわかるというか…)
槇のアプローチ、恩田のほんの少しずつ緩くなってしまうガードって
割と現実的にある感じでしたが
最後の執着のあたりははやはりこの作者さんだったかと・・・。
(そこ来てしまいましたか)
どちらの抱えている問題も溶解して、
収まるところに収まった感じのラストです。
息子さん絡ませてくるあたりがほんわかしながらも
息子さんの教育上大丈夫かという心配もしてしまいました。
余談ですが、
安藤さん・・・いくら恩田さんのためとはいえ
あれを買いに行って、あまつさえ装着を手伝うとは・・・
それだけでもとても気になる人物です。
さらに余談ですが
ガラステーブルはなかなか衝撃的でした。
さすが沙野風結子さんやってくれるなぁって
ため息でてしまいました。
思っていたほどがつんとはきませんでしたが
良作ではありました。
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アカサギとは赤詐欺、結婚詐欺師の別名です。
もちろんBLなので、アカサギ槙桂人のカモは女じゃなくて男。あらすじ読んで女装か!?と危ぶみましたが、そうではないんですよね。でもいくら美人でもノンケ相手では無理があるんじゃ…とツッコミましたが、そこはさすが沙野センセ。BLファンタジーとして違和感なく、しかもアダルト色もしっかり。小山田あみセンセとのタッグもぴったり息が合っているなと思いました。
弁護士の恩田は29歳バツイチの強面のヤメ検。見るからに情け容赦なさそうな男です。彼は結婚詐欺に遭った男からの依頼で、槙桂人を追い詰めることに。
槙にはノンケの男を騙して金品巻き上げるなんて悪い奴だという先入観がありましたが、彼なりの深い事情があり、そこがストーリーの要にもなっていて印象が変化し魅力がありました。単にエロ特化ではないところが面白かったです。
槙の奔放に見えて実は傷つきやすくデリケートな本当の姿が、恩田によって徐々に明らかになっていくのにすごくキュンとさせられました。
むしろ恩田が最強えろ魔人でした!
エロはもう品質保証ですね。ガラステーブルにやられました…
目からウロコ。
そして、貞操帯もすごく萌えました。久々の大ヒットです。
犯罪ギリギリのシーンやドキドキする場所でのHなど心拍数があちこちで上がりましたが、そんな中で親子の情について考えさせられる場面もあって切なくなったり胸が熱くなったりと、センセの作品の中ではかなりハートフルな仕上がりです。
騙したり騙されたりだった二人の関係がどうなっていくのか、最後まで固唾を呑んで見守る感じ。
恩田が嫉妬まる出しでポロポロ本音を言ってるのがかわいかったです。
それにまったく気付いてない槙の方が、素は甘え下手でかわいくできないところも微笑ましかったです。
9月末発売のラブコレにこのお話のショートが載るそうですが、それに二人のエロくて甘くてラブラブなイチャコラがあればいいなと期待しています!
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▼あらすじ
結婚詐欺師の槇圭人(まきけいと)のカモは、ある条件を備えたノンケの男だ。普通の男たちが自分によって骨抜きになっていく様は愉快で仕方がない。だが、ある日、槇は弁護士の恩田奏源(おんだそうげん)に捕まってしまう。槇の被害者が示談を依頼したのだ。
恩田は他の男と違って、槇の手管が通用せず、槇の金目の持ち物をすべて押収して去って行った。
「色恋の案件など反吐が出る」
そう言い残して……。槇は、腹いせに恩田を次のカモと決め、さりげなく接近を始めるが――!?
***
個人的に、文句無しに面白いと言えたのは中盤ぐらいまで。
特にガラス越しに愛撫するシーンが挿絵も含めエロくてめちゃくちゃ萌えたんですが、正直、萌えのピークはそこまでで後は徐々に失速していく感じでした。
設定自体は悪くない…決して悪くないけど、恩田にはもっと鉄面皮っぷりを貫いて欲しかった…!(笑)
ちょっと明らさまに態度が変わるのが早過ぎというか…うーん…。
「色恋沙汰なんて反吐が出る」と言っていた恩田が割りと早い段階から嘘のように受けに惚れ込んでいて「性格丸くなり過ぎだろー!」と思わずツッコミを入れたくなりました…(笑)
丸くなるのは全然構わないんですがもっと甘さを抑えるとか、後は前半に見られるようなクールな部分をもっと見せてほしかったなぁというのが率直な感想です。
(正直、あそこまでデレデレになるとは思ってなかった…笑)
でもお話自体は最後まで楽しく読めましたし、何より小山田あみ先生の挿絵が小説に合っていたのが凄く良かったです!
ゾクッとするほど色気のあるイラストに思わず時間を忘れて見惚れた方も多いのではないでしょうか!?(笑)
これだけでも★3つは余裕で確定です(笑)
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私にしてはハードボイルドな作品を読んだ(^^)恋愛どころか人の持つ柔らかい感情なんてほど遠いでしょ、っていう、うーんゴールデンカムイにおける土方さんみたいなゴルゴみたいな(言い過ぎか?)攻に、あっという間に取っ捕まって金目のものを洗いざらい没収されちゃった男相手の結婚詐欺師の受。
でもこちらもただのチャラいにーちゃんじゃなかった。逆にゴルゴをカモにしようと網を張る大胆さ。「男」としてのプライド、「ひと」としての感情、少しずつ交差していく関係が面白かった。なぜ、一定の条件の男を狙ってサギるのか。なぜ、時計をねだるのか。最後までだれるところのない本でした。
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弁護士×男専門結婚詐欺師
キャラもいいし、ストーリーも完璧に作られてるし。エロも萌える!読後感も良くて、もっと読んでいたかった…と思える作品。