紙の本
美しさとは
2021/06/30 22:42
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投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しさに執着した女の妄念とたたかうお初を、しゃべる猫の鉄が助けてくれる。鉄とのシーンがほほえましく、少しかすんでいた感のある右京之介が終盤、心を動かさざるを得ないような素敵な告白(?)をするので参ります。
紙の本
けっこう怖い
2019/07/09 17:43
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番怖いのは人間の心。
霊験お初シリーズの第2弾ですが、このt展開の仕方だと続けるのは
厳しいんじゃないかと思ってたら、続きは出てないんですよね。
お初が経験しないと物語が進まないから、幅がもたせられないのかなと。
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宮部さんの江戸ものミステリーは
ちょっと不思議で怖いのだけど
人の心の中の嫉妬や暗い悲しい気持ちが
おこしてしまう事件を
人情豊かに書いていて
読んでいて本当にいつもホッとします
お初シリーズも大好きだな
他のシリーズに出てくる人も
ちょっと出て来たりしているとこがご愛嬌
日道はやっぱり悪い奴で登場した
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神隠しという非現実と阿片という現実が上手く組合された作品でした。鉄の変化もうっかり違和感を感じなくなるところでした。
それにしても人の欲とは難しいものです。十分並よりも恵まれているのにもっともっとと思ってしまう。案外こういう怨念は説明のつかない何かとして現代にもあるのかもしれませんね。
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不思議なものが見えるお初ちゃんが、神隠しの謎に挑むお話。
あるものが猫の姿を借りて活躍します。
その中の1匹、鉄ちゃんとお初ちゃんのセリフ(P-411)
「人間の女ってのは、よくよくの阿呆だね」
鉄は後ろ足で耳のうしろをかいた。
「肌がきれいの髪がきれいのって、ばばあになっちまえばみんな同じだろうがよ」
「そこがあんたたちと違うところよ。あんたたちは先月子猫だったかと思うとすぐに大人になるし、大人になると、今度は本当に年寄りになるまで、見た目はたいして変わらないでしょう。でも、あたしたちには、ばばあになるまでの道中があるからね」
う~ん、確かに。
お初ちゃんと右京之介さんの、今後も気になります。
是非、続編を。
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江戸物ということで、へたな謎解きになってないところがいい。女性作家だからこそのおんなの情念のおそろしさなのか、これは、現代も江戸も変わらない。
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お初ちゃんシリーズ第2弾!
出張の帰りに読み始めて、先が気になって、次の日には読みきってしまった本でしたw
さくら、鏡、ネコ、女が求める美(妄念)
背中をぞんぞんさせるに相応しいものたちがお話を膨らませていきます。
例えばさくら。
本の中で例えられてて初めて意識したけど、人の爪を思わせるね。
今回の本では不思議な存在として捉えられてるけど、でも、さくらほうさらでは心を安心させてくれる存在として捉えられてる。
怖くもあって神秘的でもあるものたちが出てくる今回の本も、めっちゃ面白かったぁー⭐︎
ちょー楽しめました♪
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このシリーズは2冊でお仕舞いなのですか。
ちょっとさみしいけど、主人公と主人公を巡る人たちが変わらずにいた方が、素敵なのかも。
しっぽの先が鉤方で、足の先の毛が真っ白なとら猫がにゃあと鳴いて、物語が終わります。
女の情念、妄執、嫉妬など、そこかしこに隠れている、ある意味、正直で自然な感情をこんなふうに描けるのは、宮部さんなのだなぁ。
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霊験お初シリーズ、ファンも多そうなのに、続きが出てないのが残念。
三島屋おちかに押されている?
おきゃんなお初と元祖草食系の右京之介とのやり取りが好きなんだけどなぁ。
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面白かった。
虚か実かわからない感じがいい。
お美代ちゃんと消えた娘さんとの会話が良かった。どちらも普通の女の子でわかりあえる所もあるんだなって思った。
猫。かわいいな。和尚はこれまでどう生きてきたのか気になった。スメラギの国の動物みたいな歴史ありそう。
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お初シリーズ2冊目。
ちょっとまとまりの無い印象。首すっ飛ばす悪霊の割に、妙に回りくどい。
猫もやり過ぎ感。
もうちょいお初の能力を深掘りした話がよみたいなー
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このシリーズ、2冊しか出てないんだよなぁ…
初ものがたりも途中で終わっちゃってるし…
宮部みゆきの時代ものの中で私が好きなやつにかぎってそんな状態(u_u)なんか出版事情があるんだろうけど残念。
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鉄がうちの飼い猫とだぶって楽しく読めた。
きっと死んじゃうんだろうなって思いながら読んでいたから
ラスト戻ってきてくれて良かった!
もう20年も次作が出ていないからこれでこのシリーズはおしまいなのかな。残念!
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宮部みゆきらしい少女のまっすぐな思いと、それを捻じ曲げようとする邪念や苦しみ。悲しみ。それをないまぜにして素晴らしい世界を作り上げる。
時代小説の中に超能力をうまく、そしてあたかも本当のように見せる描き方は、リアルな小説を飛び越えて心に迫る小説。
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結婚を控えた娘が突然姿を消した。
「神隠し」と思われた直後、父親が殺人の疑いで捕らえられる。
自白直後、父親は自ら命を絶つが、お初の身に不可解な出来事が降りかかり、新たにまた娘が「神隠し」に遭う。
”嫉妬と憧れ。美しさと醜さ。すべて表裏一体だ。”
帯の文章が全てだろう。
幸不幸は見た目の美醜で決まるものではない。
けれども蝶よ花よと育てられ、自分の美しさに絶対の自信があった娘が幸せになれなかったとき、彼女がすがれるものは自分の美しさだけだった。
これはとても哀しい話だ。
幸せになれなかったから哀しいのではない。
彼女の世界には、彼女しかいなかったことが哀しいのだ。
「あんたは間違っていた。あんたの不幸な人生は、あんたが自分で招いたことよ。どれほど顔かたちが美しかろうと、それだけじゃ人間は生きていけない。見た目の美しさだけで支えられるほど、人生は軽いもんじゃないのよ!」
「美しさは、それを見る者の心のなかだけにあるのよ!」
お初は両親こそいないけれども、兄夫婦や周囲の人たちに愛され、支えられ、信頼されて生きてきたことをお初自身がわかっている。
身を挺してお初を守った鉄。
真実を見せてくれた右京之介の眼鏡。
そういうものをついに持つことができなかった天狗の人生が、とても哀れで哀しいのだ。