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キクりんの瑞々しい感性にハッとする。忘れていた懐かしい感覚。
キクりんから肉子ちゃんへ伝えられた「大好き」という言葉には、途方もなく優しい無敵さが溢れ、肉子ちゃんの今までが報われた気がして自分もたまらなく嬉しい。
「誰の前に出ても、いつも、全力で肉子ちゃん」の明るさと大きさに、最初から最後まで気持ちよく呑み込まれた。
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「漁港の肉子ちゃん」という題名にインパクトがあるが、とびらを開くと、さらに強烈な個性の肉子ちゃんが出迎える。
デブで、ずぼらで、不細工で、おまけに趣味も悪いが、誰の前でも明るくおおらかにありのまま振る舞う肉子ちゃん。
そんな母を、うるさがりながらも、気をつかうキクりん。
町に流れてきたこの親子を自然に受け入れ、面倒をみるサッサンと周囲のひとびと。
突然、変な顔をする二宮くん、そして突然、動物などの声が聞こえるキクりん。いろいろな出来事を消化しきれずに、衝動を抑えられなくなり、変な行動をしてしまう子供たち。
そんなキクりんが、肉子ちゃんやサッサンの助けを受け、すこしずつ心を開放し成長していく。
しかし、肉子ちゃんは素敵な人ですね。きっと何もかもをその肉体に封じ込め、その上で明るくおおらかに振る舞っているのでしょう。がんばれ、二人のきく子ちゃん。
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明るさだけが取り柄の駄目な母親と、美人でしっかりした娘のお話。貧乏にも負けない女の子視点が心地よい。
やっぱり、て思っちゃうオチすら愛おしく思えた。
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何年か前に図書館で借りて読んだ。
文庫で買って2回目。
やっぱり面白い。
感動の場面で笑いもある。
とても良い小説。
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大半が意味のないダラダラとした日常なのに…最後ちょっと泣けるのは、知らない間に感情移入してて心が動かされた…実はとってもスゴイ小説なんちゃうか?
重い力と書いて動くだからッ!
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最近よく耳にする"ありのまま"なんて肉子ちゃんの"ありのまま"に比べればまだまだだな…なんて思いながら読んだ一冊。
しばらくしたらまた読みたくなるだろうな〜
ホント心が暖かくなる物語でした。
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最後の最後で泣かせてくれた。
母と娘の物語。
大きな体で真正面からすべてを包み込む肉子ちゃん。
喜久子のすべてを受け入れてくれる。
肉子ちゃんに共感はできない
(だってこんなひとなかなかいない)、
でも、肉子ちゃんのことが大好きになる。
そんな作品。
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だめな男を吸い寄せる肉子ちゃん。ださい何かも、ばんばん手に入れる肉子ちゃん。冷静で大人びた小学生の娘キクりん。そんな二人の日常生活が語られてゆく。
最後にキクりんの出生の秘密が明かされる場面では鼻の奥がツンとしてくる。賢いキクりんはずっと前に気づいていた。
お馬鹿でダサい肉子ちゃんの大きな愛に包まれてキクりんが素直で綺麗な娘に育つことを期待する。
本当は石巻を舞台にしたかったのだが東日本大震災の影響で日本海側の漁港を舞台にしたそうだ。話される方言は聞き覚えのある新潟県中越地方のものだった。
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2014/06/26
円卓のように、子どもの頃にしか感じなかったとても懐かしい感覚を味わう。
そして読み終わると、体も心もでっかい肉子ちゃんの愛情に包まれて、とても幸せな気持ちになる。
西加奈子が本当に好き。
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3.5。
肉子ちゃんとキクりんの母娘の話。
何気ない日常を描いているけど、なんとも憎めないキャラの肉子ちゃんが可愛くて、また切ない所もあって、そして最後は涙って感じ。
なんだかんだ言っても、やっぱり肉子ちゃんは大人で、キクりんは小学生の子供。
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2014.8.26
かなしいはずなのに、楽しい話。楽しい•幸せ•嬉しい。そういう感情を現せる人は、周りの人を幸せにできるのだなぁ。
天気が良くて、ごはんが美味しくて、空が青くて、風が気持ち良くて、好きな人が隣にいて幸せ。そういうことを忘れずにいられる人でいたい。ないものや、あったかもしれない可能性じゃなく、今目の前にある事をきちんと見て、幸せと言える人でありたい。
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ユーモアにだまされてはいけない。ことによると、これはとてもすごい小説なのではないか。
このひとの書いた本を読むのは初めて。読み始めてすぐ、ものすごく多彩な「ことば」のパレットを持っているひとだということに気づく。さらに読み進めてゆくうち、他愛のない「ことば」がひとつひとつ「糸」で宇宙とつながっているように感じられてくる。
不細工で、美しい、肉子ちゃんっ!
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大好きな本の一つになりました。
肉子ちゃんの澄み切った心に私の心も洗われたかも(笑)
無償の愛ってこの事かもね。
良い本に出会えました。
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〝肉子ちゃんは、だめな男を吸い寄せるように、ださい何かも、ばんばん手に入れるのだ。〟
とか、肉子ちゃんの描写はくすっと笑ってしまう。二重あご。
キクりんの、小学生ならではのあの空気感わかるなー、経験あるなー。なんともいえないもやっとした友達との関係。
キクりんの出生の秘密。肉子ちゃんの大きな愛。
最後の方は泣きっぱなしだった(肉子ちゃんには劣るけど)。
肉子ちゃんみたいな母親になりたいな。
2020.1.6再読
ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描く。
肉子ちゃんのキャラがいいんだよね~
明るくて豪快で。確かに肉子ちゃんが母親だとうっとうしいかもしれないけど(笑)
でもやっぱり肉子ちゃんの生き方に憧れる。
定期的に読みたい作品。
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小説の登場人物って大体こじらせていて、そうでない人は嫉妬や嘲笑の対象になると思うのですが、肉子ちゃんのピュアさ、阿呆さは突き抜けていて、大好きになってしまった。それでいてこれを観察するキクりんも大人びた冷静さと小学生らしさのギャップが愛おしく、少しずつ読んでいましたがいつでもこの二人に会える楽しさがありました。
特に展開を予想することもなく、平凡な日常を描いたものとして読んでいたのですが、途中から一気に悲しいやら優しいやら感情が揺れることとなり、電車で溢れる涙を抑えられなくなってしまいました。
今もどこかでこの母娘が仲良く暮らしていることを祈ります。