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地方都市の女の子を描いた珍しい作品。
ただただ退屈で、ここを離れたらきっと幸せになれるという幻想を抱きたい気持ちは痛いほどわかった。
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田舎と都会と女性が描かれた8つの短編集。
知り合いに薦められたので購入して読んでみたものの、共感できる点が少なく合わなかった。
特別盛り上がる展開でもないのでページをめくる楽しみはないが、時代的に最近の話で読みやすい点に救われていた。
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大傑作。地方の若者のやるせなさが見事に描かれている。ここまで身に迫る共感と痛感は、なかなか体験できません。
地方には現実がある。「ファスト風土」だ。幹線道路沿いに、同じようなショッピングセンターやチェーン店が林立する、あの風景です。いつでもどこでも(!)同じ現実が、郊外には広がっている。この平べったさに違和感を感じる人びと、適応しきれない人びと、それが本作にはたくさん登場する。
彼らからすると、現実の風景はあまりにもつまらない。つまらないけど、世界を変えられるわけでもない。地方に順応するか、逃避するか、反抗するか、あるいは昇華するか...?どのような手段をとるかは、もちろん人によって違う。でも、どれも共感できる。
それと男性への視点も絶妙だ。本作はどの話も女性が主人公ということになっている。男性は、ダメ男かオヤジ(=地方に順応した労働者)しか出てこない。悲しいことに、私はダメ男の心理・行動がすごく分かる。俺かよ!ってくらい。だからこそ、女性側の視線がひどく痛い。もう、読んでて何度心を痛めたことか。
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地方の女の子の話。東京がいいだの、よくないだの言ったところで、誰しもが何かしらの東京に対する憧れを持っていると思った。初体験が早い遅いで焦るのも10代の女の子ならではの話で、他人に憧れてみては自分の状況に退屈さを感じ、ここではないどこかに思いを馳せる…わかる気がする。自分にもそんな時期があったな~と思った。
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一度読み出したら最後までノンストップで読んじゃった!!
懐かしいような、ちょっぴり昔を思い出して恥ずかしいような気持ちになった!
20代の今だからこそよりそう感じるのかなー
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地方都市の若者の生き方を、若者らしい文体で綴る。最近、この手の本が多いと思うが、書評で読み、気になり読んでみた。地方の幹線道路沿いに並ぶ大型店舗の感じも、ユニクロ、ニトリ、TSUTAYAなど、ブランドをストレートに語るスタイルがおもしろい。最近、地元に帰る地方都市の若者を取り上げた小説が多いと思うが、まさに、マイルドヤンキーの特徴で、それがよく表れていると思う。
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この本の登場人物は、まさに自分と同類。イオンとEXILEを忌み嫌って、悦に浸ってる。自意識こじらせた面倒くさいだけの凡人。三十になっても四十になってもこんな燻り方をしてるのかもと思うとゾッとする。
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なんだか自分を見てるような作品。
世代も全く違うのに重なる。
読了後はなぜか頭をよしよしされたい気分に。
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これもまたこじらせ女子の小説なのですね。意外とめちゃ面白かった。なんか魚喃キリコ思い出したし、ちょっとだけソフィアコッポラがかすめていくような、なんともガーリーでセンスあって楽しくせつないよい本。
作中で「桐島」のごとく登場する椎名というアイドル的不良男子の描写もすごくよさが伝わった。みんなの憧れだったサッカー部のスターが、その都市で地味にくすんでいくけど、でもなんだかんだかっこいいかんじ。わかるなあ。
次の本もぜったい読もう。
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地方出身者としては読んでて辛くなるくらい、この空気感がわかる。椎名のような存在もいた気がする。刺さる言葉も多かった。
各章のタイトルもいい。
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都会に憧れる人たちを一刀両断した感じ。
眩しく見える都会も、住んでみれば本当は薄っぺらくて対したことない場所なのかも。
都会に行けば何でも出来る、何でも買えるという錯覚を起こしてしまう、都会の魔力ってすごい。
都会に魅せられて飛び込んで、意気消沈して田舎へ帰る。
1話読み終えるたびにタイトルを思い出す。
ここは退屈迎えに来て…なにこのタイトル、読めば読むほどツボ、強烈。
特に笑える本ではないはずなのに、何故かニヤニヤしながら読了。
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8作品による連作短編集。
どの作品にも、椎名くんが出てくる。
地方都市の普通の女の子の話。
何か普通の話過ぎて、そうゆう事もあるよね〜的な感じ。
びっくりする話はないけど30代、40代の女子向けかな〜
'14.08.15読書完了
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「東京」という憧れの対象の町と子供時代の同級生の「ヒーロー」
その二つを中心にして、焦燥感と劣等感に包まれた女性たちの物語
「東京」と「地方」という対立関係は鮮明で、地方にいる人は、それだけで劣等感を感じてしまう。
日本における「東京」は、それだけ特別な町。
その東京の特別性は、「東京タワー」で見事に描かれ、この作品はそのことを再び思い出させた。
東京へ行けば、何者かになれるのではないかという、強い憧れは、小学校時代の「ヒーロー」への憧れと似ている。
しかし、「ヒーロー」が、結局は平凡な人生を送るように、「東京」へ行ったからといって、何かを得られ、自分が何者かになれるわけではない。
実体のない憧れは、虚しいが、そのことをわかっていても現状に満ち足りるということは難しい。
だからこそ、自分は特別ではないということを、認識できる年齢になっても、虚しさを見ないようにし、あこがれ続けるという嘘を自分に対してつき続けるのかもしれない
作者の年代とドンピシャで重なるので、そのときどきの文化が懐かしい。
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読んでいてとても落ち込む小説
でもおもしろいかったです。
年齢も二十五すぎて、地方都市に住んでいるわたしにとっては、思い当たる節というか、自分を各々にあてはめがちになりやすく
読んでいて辛かった。
とてもリアルに書かれていて、いやだなあと思った。
でも読後、最近よくある自意識をテーマにした小説の読後にある、ああ人間っていやだなあっていうのはこの小説で思わなかったです。
十六歳はセックスの齢のあたしと薫ちゃんのやりとりとか良かったです。
山内さんもこれでデビュー作らしいですが、書くのとても上手だ。なんかとっても正直な小説だと思いました。
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月4〜5冊本読んでるけど今年一番のヒット。全体は柔らかいけど、最近キーワードになる地方のことも深く考えさせられる。