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山へ行き、自分を見つめる話。
40代の体力のない素人女性が苦労して登っているように見えるが、けっこう高度な山を縦走している。
装備や行程、山小屋の様子など、かなり本格的に記述されている。
自分にも登れそうで行きたい気にさせてくれる。
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帯にあった「元気をくれる」というのはちょっと???どちらかというとパニックしている人、慌ただしい生活をしている人が平安な気持ちになれるというような…。
主人公がへこんでいるときに年下の同僚に山登りに誘われ今まで何の経験もないのに本格的な登山にはまっていき、そこで自己をみつめ、人に出会い、自然に圧倒されというだけだと、大して登山に興味のない私には面白くなかったのだけれど、40代独身女性の仕事と私生活がさりげなくかかれているのが面白かった。ただ、一章ごとバラバラに出版されたらしく、登場人物が何度も説明されるのがちょっとうるさかった。単行本化のとき、その辺を考えてくれても良かったかなとも思いました。
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地上の世界を離れ、一人の世界を楽しむ。歩き、歩き、そして歩く。自分の中の凝った物を溶かしだして、素の自分と語り合う。自然にエネルギーが溜る気がする。下界を生き抜くエネルギーが。
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北村薫さん、といえば、確か落語家さんがでてくるシリーズがあったはず。あれ、好きだったんだよなーっと思い
献本応募。
見事ゲット!ブクログさん角川さんありがと~~っと思いつつ読破。
一気に夢中になって読む、というよりも、
それこそ山を登るように、一歩一歩踏みしめつつ読んだ感じ。
まずは槍ヶ岳。湯の中での出会い。「話していい?」と
ひとこと断ってくれる、その感覚がいいなあっと思った。
9月の山は終り、次は2月。
時期も主人公も変わるのかな、と思ったら藤原ちゃん登場で、なるほど、これはこの「わたし」の山遍歴(?)になるんだなーっと、以後読み進める。
山は非日常だよな、と思う。
日常は変わっていく。仕事環境やら、友人関係、自分の身体の感覚。けれど、そこに山があることは変わらない。変わっていくことは、いいことでもあるけれど、
それが変化なのか、摩耗なのか。
山に登るってことは、「わたし」にとっての自分の浄化作用、みたいなものなんだろう。いや、というより、整理整頓?いわゆるPCのデフラグみたいな感じ。
現在の自分、過去の自分、あの時の怒りや、悲しみ、
そーゆーのを全く違う状況下で想うことによって新たにみえてくるもの、そんなものがあるんじゃないだろーか?
とはいうものの、やっぱり体力いりそうだし、大変そうだし、私はご遠慮するが・・・。
まあ、でも「わたし」にしてもちょっとしたタイミング、によって山に登り始めたんだし、そーゆーきっかけってのは誰にでも起きるのかも。
毎回荷物につめこむお菓子の数々は魅力的でしたし。
山登りの食料ってゆーとチョコレートくらいしかイメージなかったんだけど、彼女の荷物に入っていくお菓子のバラエティの豊かなこと。そのお菓子たちの羅列をみるだけでなんか楽しそう、と思ってしまった私はかなり単純なんだろう。でも、途中、たまたま行き会った人たちにキャラメルもらったり、とか、そーゆーちょっとしたやりとりが、なんか、山っていいなあ、とほんわりした。
よくいうよな、山を行きかう人はすれ違うときに挨拶する、とか。ある意味、おなじ目的をもつ同志って感覚なのかなあ?私もがんばる、あなたもがんばって、みたいな?
そうそう、占いの人に山はいいです、とおススメされたのがおもしろかった。へえ、上って南なんだあ、と。
身体はきつかったりしても、心は温まるのかもねえ。
ただ、なんだかんだいって「わたし」は結構恵まれてるっぽいよな、とも思う。結婚はしてないけれど、頑張れる仕事があって、休みをとって、山に登りにいく、なんて余裕もある。心を寄せてくれる友人もいるし、昔馴染みの友人を亡くしはしたが、その存在は確かに彼女を今も支えてくれている。いや、別に、救いのない小説をよみたいわけじゃないので、全く文句はないし、
むしろ、こーゆーさわやかっぽいのが好き。
あ、それから山に持っていく本選びも楽しかった。ちょっと気になったのは南方熊楠の十二支考。
実際のところ、本持っていく人っているのかな?それともやっぱ重い荷物って感じるのかな?
私だったら、何を持っていくだろう?っと本棚をみやる。読む、読まない、は関係なく、持ってることがおまもりのような。私にとっても本ってそーゆーとこあるよなあ。
送られてきたのは表紙がなかったので、レビュー登録時にへえ、こーゆー表紙だったのかあ、と思う。
まあ、イメージとしてはこの画の通りかな?
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山地図を広げながら読了。
燕岳からの槍を思い出し、あこがれの雲の平に思いをはせながらと大変楽しませて頂きました。
会話の軽妙さも良かったのですが、会社勤めの現実とそれを振り切って山へ向かう主人公の姿があまりにも私達と等身大で、小説の中の話というカンジがしませんでした。
雨が降ってびしょ濡れになったり、体調不良で登頂できずにルート変更して下山したりと、変に美化されず山登りのありのままがあった。
文庫がでたら購入して山のお供にしよう
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★9月のシルバーウィークにはじめてひとりで北アルプスを3泊4日で歩いた。ひとり歩きの気楽さとそして、ほんとうにひとりぼっちという孤独感を味わった。必ず本をザックに忍ばせていくという共通点を持つ主人公と一緒に歩いてみたくなり再読。何か深いことが書かれているわけではないのだけれど、何度読んでもあきない。好きなんだな、この本が。(2015/10/24)
★山に行きたい。青々とした緑の中をてくてく歩きたい。そう思いながら、低山は春を迎えたけれど、なかなか腰が重くて行けていない。だから、脳内登山。山を歩きながら考えごとをする人も多いらしいけれど、私は山を歩く時は心が空っぽになっていると思う。歩くことに集中(というか必死?!)しているから、ぐるぐる考えをめぐらすことはできない。思い煩うことなく歩けることに幸せを感じるのだよなぁと思った。きっと、この主人公も歩いているときは無心だと思う。(2015/4/1)
★山を歩く女性が主人公と知り、北村薫さんの書かれたものを初めて読む。単独ではじめて歩いたのが燕~常念だったので(本当は主人公と同じように、槍を目指したかったけれど、台風接近中だったので、大天荘の分岐で常念を選んだのだ)、何かの縁を感じて、あっという間に読んでしまった。主人公が歩いた北アルプスは微妙にルートはちがうけれど、重なるところを歩いていて、自分が歩いた時を思い出して、にやにやしながら読んでしまった。私も欠け落ちた「何か」を広いに、早く山に行きたい。
私は横尾から槍を目指したけれど、登頂した時は生憎のお天気で(あの雨、風の中、よく登ったなあ)、穂先からの展望を楽しめなかったので、表銀座コースで天気のいい時にまた槍を目指したいな。(2014/6/2)
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等身大のアラフォーの女性の山登り
今はやりの山ガールとはちょっと違った種類の山女
山女と言うとガチな雰囲気の人を想像させられるけれど、そんなことはなく子供のように自然に対しては素直なところが率直に好感が持てます。
どっちかと言うと山が好きな女性の日常日記かな?
都会の職場の中では、肩に力を入れてがんばっているけれど職場を離れると肩の力が抜けてだらんと等身大になるもがまたいいです。
だから、山では子供もように感じて素直になれるもしれませんね。
紹介のように山女のガチな取り組みを規定して読まれるとがっかりしますが、等身大の女性の日記を読んでいると思うととっても充実すると思います。
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2014年59冊目。
ある編集者ウーマンの登山記。
著者自身の体験記じゃないかとずっと錯覚していた。
毎回荷造りのシーンで「今回は何の本を入れるのだろう」と楽しみだった。
力の入っていない感じがとてもよく、軽やかな本だった。
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荷物が重たくなってしまうけど、どうしても本を持っていってしまう。
同じことしてる(笑)
山を登ってるときは、重たくて辛いので、なんでバックに入れてしまったのか後悔するけど、読むものがないと不安になるんですよね。
2014/7
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久しくしていない山歩き(山登りではない)をまたしてみたくなった。
日常から離れて非日常としての山を歩くことは、日常の自分と、いつもとは別の次元で向き合うことなのでしょう。
麝香鹿さんとのつながり合いが好きです。
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景色が目の前に迫ってくるようでした。読むだけで山登りできた気分です。自分にとって、小説を読むことが「わたし」の山登りと同じやもしれないです。スノーシューは、一度やってみたいですね。『何もやらないツアー』も参加したいです!
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北村薫『八月の六日間』
ブランチで特集されていたので、その日の内に中身も見ずに購入。
あけてびっくり。
目次には、『八月の六日間』ならぬ
『?月の?日間』がずらり。
少しは見てから買ったんじゃないの?
普通見るでしょ?ぱらぱらっと くらい。
と言われてしまいました。
やっぱり、山登りってきついんだ。
何で登ってんだろう?って後悔してもいいんだ。
何だか、また山に登りたくなりました。
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主人公と年が近い所為か、すんなりと物語に入って行けました。
山登りのエッセイ的な作品かと思いきやなかなかどうして彼女の生き方に憧れてしまいました。
私は山登りはしないので詳しいことは分かりませんが、山の風景や関わる人々が眩しくてしょうがないです。
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ここ最近、平日は池袋・ジュンク堂に日参しています。
その中に設置されているカフェで出会ったのがこちら。
といっても、本そのものが置いてあるわけではなく、
とある雑誌での、著者の北村さんと華恵さんの対談にて。
“年を経ていくごとに繰り返して読みたい”、
そんな風に語っておられたのがなんとも印象的で。
主人公はアラフォーの編集女子、副編集長からそろそろ長に。
役を持たない若いころは男性上司を、文字通り泣かしたことも。
基本的には不器用で、ただひたむきに仕事を積み重ねてきた、
それが故に“恋”もうまくこなせずに、未だに一人。
そんな“強い”主人公が、日常から逃れるためにいくのが“山”。
その山登りの様子が、5編からなる連作短編としてまとまっています。
徐々に責任のある立場になっていくことで、
若いころのように“自由”に仕事ができなくなるジレンマ。
それ以上に自分の思い通りになることが無い自然の中で、
その自然の美しさや一期一会の奇跡に魅入られていく主人公。
なお、山歩きの際に必ず“文庫本”を持参するとの設定が、
個人的には何とも素敵だなぁ、、と感じてしまいます。
主人公の職業柄、“本”からは離れられないのでしょうが、
ある意味そんな“仕事道具”を、非日常でどう昇華するのか。
“ずっと本と一緒だった”
そんな風に本への想いを綴っているのは、華恵さん。
そのエッセイ集、『本を読むわたし』の中にて。
これを狙っての対談であったとすれば、私は見事にやられました。
日常と非日常をつないでくれるのが“本”、
ケでもハレでも、自身の軸を思い出させてくれる、
私にとっての本とはそんな存在なんだなと、あらためて。
久々に人生唯一のトラウマに囚われつつあった自分を、
現実に引き戻してくれた、そんな一冊でもあります、なんて。
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ブクログより献本のメールでこの作品を知りました。
山歩きに興味を持ち、トレッキングシューズなど買った私、そして主人公と同年代だと読みたくて、近くの本屋さんになかったので、車で大きい町に行き購入したのが、昨日。
読み終わったのが本日。
そう、面白かったのだ。とても。
また、読み返したくなっている