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流行りの20代の山ガール(初心者)ではなく、
アラフォーの働く山女子(初級者)を主人公に、
♪アルプス一万尺でお馴染みの北アルプス縦走が、
日常の一服の清涼剤として爽やかに描かれています。
日常の精力的なキャリアウーマンの姿と、
その弱音を癒す何ヶ月に一度の山歩きが、
気持ちよく溶け合っており、読了感のよぃ作品です。
山歩きをしなぃ方にも、興味を持たれる作品でそぅ。
主人公が、
日常のキャリアウーマンとしては、ベテランの域で、
そのストレスを癒してくれるアルピニストとしては、
初級者といぅ点も、ふつぅ感があって好感でした…。
舞台となる北アルプスの一部は、
20年以上前の高校時代に、2度、縦走しましたが…、
その頃と、ほとんど変わっていなぃ今の様子もまた、
悠久の大自然を感じさせてくれ、懐かしかったです。
山歩きは、ベテランにとってもキツイ運動ですが…、
少しばかり無理しても、無謀なことは決してしなぃ、
といぅ不文律も、作中ではしっかりと守っており…、
山ガール(予備軍)にとっても、参考になるでそぅ。
差し当たり、夏(休み)に向けて、オススメかも…。
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2014.7.29読了
読後、間違いなく山へ行きたくなる。
ソロで、かなりハードな山行なので、やわな私には真似できないが、足を踏み入れた事のある場所が出てくると親近感。
苦しいながらも、一緒に登っているような感覚。
山は逃げない。
まずは私の技量に見合った山への計画をたてよう。
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山ガールという言葉が定着してきたが、日常から離れてまた自分を取り戻せる場所が「山」なのだろう。編集者の彼女が重くても持っていく本の中身がおもしろかった。
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タイトルみて「何やろ?」と思い、目次みて「ホントに何やろ?」と思ったけど、山女(山ガール?)の話でしたか。
平日は、ちゃんと仕事持って、たまに休みに山女になる。
困ったことがあっても、お金で解決しちゃうところがいい。
人とのかかわりが煩わしいと思ってるけど、人恋しい。
そんな普通のお話で、ほっこりしました。
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いつも『なんで一人で山なんて行くのよ?』って言われるあたし。
いつも返答に困るんだけど、この本読んでもらえればわかる?
同じような山女には理解してもらえるかな?w
久しぶりにほのぼのいいお話でした。
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山ガールという言葉を聞くようになったのはいつごろだろう。北村薫さんの3年ぶりの小説作品は、帯によれば“働く山女子”小説だという。
出版社で多忙な日々を送る主人公は、同僚に誘われたのをきっかけに登山に目覚める。仕事が一段落し、長い休みが取れると、計画を練って山に向かう。各編扉にルートのイラストが載っているが、巻末によれば本格的なルートであるという。
軽装で実力に見合わない難しい山を目指し、遭難する登山者が後を絶たないが、彼女は実力に見合った山で3年間経験を積んでから、これらのルートに挑んでいる。それでも何度もひやっとするのだから、ずぶの初心者ならどうなるか、推して知るべし。
ひたすら山の描写が続くのかと思ったら、半分くらいは彼女の仕事やプライベートの話であり、山の描写はそっけない。それもそのはず、彼女は写真をほとんど撮らない。記録を残すことより、山に身を委ねる今この瞬間を大事にしているようだ。
小説というよりは日記に近いかもしれない。その日の出来事を時系列順に、ありのままに綴る。正直、山の素晴らしさが伝わってきたとは言えない。だが逆に、変に脚色されていない分、想像の余地があるとも言えるのではないか。
単独登山を好む彼女だが、山には出会いがあるし、人との交流を何が何でも避けているわけではない。プライベートの独白から察するに、むしろ人恋しいように察せられる。本作中最も印象的なシーンは、実は山ではないとだけ書いておく。
気軽な気持ちで登りに行くことがないよう、くれぐれもご注意ください─と、巻末で読者に釘を刺しているが、できれば経験を積み、その目で確かめてほしいというメッセージとも受け取れる。背伸びをせず、自分のペースを守ること。人生においても然り。
彼女は今日も忙しく働きつつ、次の計画を練っているのだろう。
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山にとっても行きたくなる!
各章のイラストもかわいくて、各章読み終わる度にイラスト見ておさらい?してました笑
これからも山シーズンなんで、近くの山に登ろうかなー
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主人公の約3年間5度にわたる登山記録の連作短編集。
著者の体験が反映されていることは、状況の細かな描写によって伺い知れるが、それをそのまま書いたならエッセーになっていただろう。しかし性別を変え境遇や条件を変え、デフォルメすることにより、とても面白い小説になっているように思う。
町での社会生活と山の日々とは異なるが、それはオンとオフという切り離され区切られた時間では無く、互いに重なりあう時間なのだろう。同様に現在は過去と切り離せず、未来もまた現在と繋がっているという至極あたりまえの事に思いを馳せる。
高校時代の親友と山で出会った麝香鹿さん。この二人の存在が物語に幅と奥行きを与えているように感じた。山に於いて町での人生を俯瞰するような物語。
あ~山に登りたいなぁ~。
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ブログでもTVでも紹介されていた本でしたが、なぜか食指が動かず。先日本屋のポップに誘われ何気なく開き、表題の八月の六日間をぱらりとめくり、挿画に思わずあっ、となりました。
富山駅からバスで薬師岳の登山口に達し、北アルプスの山懐、黒部川源流の雲ノ平に至る山行。何十年前に辿った登山と同じルートではないか。
アプローチが長く、歩く人も少ないので、山渓では天上の楽園と紹介されていました。そのまま即購入、単独山行の静かな雰囲気と、時折少しだけ不安になるあの感覚を再度味わうことになりました。
会社生活を始め、週末になるとあちこちの山を巡っていた時代が懐かしい。私も主人公と同じく、人のペースに合わせるのが苦手で単独行を好んでいました。山に入りひたすら歩き続け、深い森で迷い、急峻な岩場に緊張したり、全身の感覚が鋭くなり、幾分ハイな気持ちで山歩きを楽しんでいた、あの頃と主人公の気持ちが重なります。
雲ノ平に至る太郎小屋でも午後の2時ごろ天候が悪化、ゴロゴロと稲妻が鳴り出し、慌てて小屋に駆け込んだところ激しい雷雨が襲ってきた経験も今は懐かしい。黒部川の源流は斜面に残る雪渓の雪解けの雫。ポツンと溶けて滴り落ちる一滴が集まり、やがて大きな黒部川となっていく。
むろん、雫をカップにあつめて生まれたての黒部の水を堪能しました。
雲ノ平以外にも、八ヶ岳連邦の天狗岳、高見石小屋、白駒池など、自分と同じ山行ルートがいくつも出てきました。はしご場、ザレ場、鮮やかな高山植物、ガスって見通しの効かない行く手、雨に打たれ気持ちが萎えかけるが、やっと着いた山小屋でのビールの旨いこと、全く同じ感覚です。
読後、押入れに保管していた古い40リットルのザックを出し、本棚に飾られた雲ノ平から撮影した薬師岳の写真を眺めながら、はるか昔?の山行を思い出す。山好きには大変面白い一冊でした。
むろん、地上に戻った主人公、独身アラフォー、女性編集長の思いも聴いてあげねば。
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40歳目前のわたしが山に登る話。
忙しいとは心が亡びると書く。
ちょっと山登りに興味が出た。
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5つの短~中編?小説よりなる構成。連作といえば連作だが、それぞれ独立した小説とも言える。
感動で興奮したり、涙するとかと言う本ではないが、何かじんわりとして「そうだよね」と言う読後感のする本でした。
私の友人に仕事でクタクタになり、ストレスでパンクしそうになる人と、身体が疲れてボロボロなのに一人で山へ向かう人がいるが、この本を読むとその人の気持ちがよく理解できる。
山を登るというのは、元々自然というか山が好きで山に登る人と、もう一つは自身の破滅を救うために山に登る人とがあるように思える。
特に中高年になってから、山に嵌る人がいるが、その気持ちが少しは分かるような気にさせてくれる本でした。
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だいたい読むと舞台になったところに
行きたくなりがちなのだが、
山は別かも、読むだけで十分。
脳内登山を楽しませてもらいました。
山に向かう前の荷物の準備の方が案外
読んでてワクワクするのはナゼ?(笑)
それにしても、北村さんって中身は完全に
女子なのかも、ってくらいよく分かっておられる。
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40歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。ひたむきに仕事をしてきたが、生来の負けず嫌いと不器用さゆえか、心を擦り減らすことも多い。一緒に住んでいた男とは、3年前に別れた。そんな人生の不調が重なったときに、わたしの心を開いてくれるもの―山歩きと出逢った。四季折々の山の美しさ、怖ろしさ。様々な人との一期一会。いくつもの偶然の巡り合いを経て、心は次第にほどけていく。だが少しずつ、けれど確実に自分を取り巻く環境が変化していくなかで、わたしは思いもよらない報せを耳にして…。生きづらい世の中を生きる全ての人に贈る“働く山女子”小説!
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「九月の五日間」 「二月の三日間」 「十月の五日間」 「五月の三日間」 そして表題作である「八月の六日間」
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読み始めて、著者は北村薫氏ではなく、40代の女性エッセイストだったかと、思わず表紙を見直してしまった。山登りの経験はないので、その辺りのリアルさは判らないが、それでも、装備やらルートやら、山小屋でのあれこれやら、体験した人でないと判らないような臨場感が漂っている。荻原浩氏オバサン説(わたしが勝手に思っているだけだが)に加えて、北村薫氏女性説も唱えたくなる。それを抜きにしても、三年間一緒に暮らした男性と離れ、仕事で責任ある立場になり、古くからの心を許せる友人を喪い、心細さと力強さの間で揺れ動く女性の姿が目の前に立ち上ってくるようで見事である。読んでいる間、くっきりと彼女が目の前にいると思える一冊である。
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山は、異世界だ。
山を登ることで、現実から離れる。それは想像がつく。 でも、北村薫先生の筆で書かれた山の世界は、想像していた以上に異世界だ。 別に、妖怪の類が出てくるわけでもなければ、タイムスリップするわけでもない。 冒頭の、雨天から連想させる霧のかかった連峰とそのモヤモヤした情景。山に登る過程で出会う、現実にいそうでいな い、でも確実にいるちょっと変わった人たち。その人たちとの出会いを、ゆっくりゆっくり咀嚼する主人公。 風景が、人物が、浮世離れしているから、一緒に異世界へ連れて行ってくれるのだ。
ほら、もう気分はファンタジー小説を読んでいるよう。話に酔い、山に酔い、世界に酔い、酩酊気分である。
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読了して、爽やかな気持ちになりました。
女性の作家だとばかり思っていたら、男性。本当に女性としか思えない感性です。