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出版業界でキャリアを積み出世もした独身女性が39歳で恋人と別れてから登山に目覚める。40代で気心知れた旧友の病死が起き、仕事一筋の日々の中で登山だけは日常の喧騒から離れられ、主人公はリフレッシュできる。山で出会う人達と下界でも繋がる事もでき、別れた恋人と偶然の再会が起きた時にも逃げずに会話ができる自分になっていた。時の流れは辛い思い出を軽くする。北村薫さんの文章は品がある。
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久しぶりの新刊。嬉しい。
題材が登山でびっくり。慌ただしい日常の合間の登山。1人登山が好きな主人公は、登山をしながら、ゆっくり自分と向き合う。アクシデントあり、失敗あり。後悔あり。でも、登山中に出会うひと、景色、食べ物。いろんなことに感謝しつつ、また、山に向かいます。頑張るんだけど、無理はしてはいけません。と、優しく言ってくれる感じが大好きです。主人公は登山に行く時に、本を2.3冊持っていくのですが、その本の紹介もあって、それが、オマケのようなお得感でなお、嬉しい。
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自然の沈黙の圧力。。言葉の使い方が巧みすぎる!
30代なんて若いと思うけど30代の時にはそれに気づかないという言葉も重い。年齢は関係ないねって思う。
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山登りの癒しや精神修行的な側面を描く1冊。女性編集者の物語であり、山に登りながら日常の断片について考え事をする様子、人生における山登りの位置付けに共感できる。登山しない人にとっては登山用具やら北アルプスの地名やらが多くて読みづらいかも。
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登山家の書く山の本ではなく、作家の書く山の本。なので、山に登ることを読むのではなく、ひとりの女性の心を読む。だから、これを山岳小説とは思わないほうがよいのだと思う。一気に読んでしまったけれど、「山は死にに行くところ」そんな感覚。もちろん、物理的な滅亡としての死ではなく、良い意味でも悪い意味でもの「死」であるけれど。
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登山小説?登山初心者の女性が色んな季節の山を登る。登るなら一人でだな。
2014.7.16
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山に目覚めたアラフォー女子の山歩き日記的成長物語連作短編。ちょっと無謀とも思えるような主人公の山行には若干の疑問を覚えますが、山と向かい合うことで変わっていく主人公の思いには共感させられました。
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読後、山に登りたくなる本。山がとても魅力的。でも私がその爽快感を味わうには、体型的にも、体力的にも今のままでは不可能ですけど。まずは高尾山にでもケーブルカーで登ってみようかな(笑)
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山に行きたくなった。小学生の時に一度山登りしただけで全く経験なし。しかも高所恐怖症だけど、とりあえず道具(装備?)だけでも買いたくなった。…そして、トレッキングシューズとウインドブレーカーを買って、上高地まででも行こうかと松本のホテルを予約した。そんな気にさせる本でした。言葉遣いが普段周りにいる女子そのもの。仕事と友達と過去の話が少しあるだけで、ほとんど山を登るだけ。だけど、それがとても良かった。買って大正解。
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中学生の頃北村薫さんの小説にはまって読み漁ったっけー。
山登り好きな女性の話と知って久しぶりに手に取りました。
私も1人歩きもするので、心情の移り変わりとかとても共感しやすかった!
また山に行きたくなる本。
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山登りたくなりました。
雨の中の学校登山で2度と山登りしない!!
って思っていた燕岳にリベンジしたくなりました。
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7月21日
予約をして二ヶ月待った。まだその時はこの公共施設は購入に至っていなかったので、早々に手配して配給は二番目のチケットを手に入れていたにもかかわらず、ここまで待つことになったのである。図書館のお姉さんが「これですね」と持ってきてくれた。そうそう、これこれ。ネットではみていたけど、実物の表紙の艶々した手触りに、女性のような細やかさを感じた。
実は私は一つのミッションを抱えていた。以下の新刊本の紹介を読んで「!!あの本の続編が始まった」と思ったのである。
40歳目前、文芸雑誌の副編集長をしている“わたし”。
元来負けず嫌いで、若い頃は曲がったことには否、とかみついた性格だ。
だがもちろん肩書がついてからはそうもいかず、上司と部下の調整役で
心を擦り減らすことも多い。
一緒に住んでいた男とは、……3年前に別れた。
忙しいとは《心》が《亡びる》と書くのだ。
そんな人生の不調が重なったときに山歩きの魅力に出逢った。
山は、わたしの心を開いてくれる。四季折々の山の美しさ、恐ろしさ、様々な人との一期一会。
いくつもの偶然の巡り会いを経て、心は次第にほどけていく。
だが少しずつ、しかし確実に自分を取り巻く環境が変化していくなかで、わたしはある思いもよらない報せを耳にして……。 (以上引用終わり)
私はこの「わたし」という一人称の主人公に読み覚えがある。北村薫のデビュー作「空飛ぶ馬」から始まる《円紫さんと私》シリーズの日常の謎を解く傑作の数々。その第五作「朝霧」において、「わたし」は編集者に成って終わった。あれから十数年しか経ってないから40歳目前というのは勘定が合わないけれど、「空飛ぶ馬」の大学一年生が89年刊行だったことを考えると、勘定が合う。《円紫さんと私》シリーズがまた始まるのか!と考えたのであった。処が、本の書評やAmazonの書評を読んでもその気配がない。ただ、北村さんのことだから、何処かに謎が隠されているかもしれない。私はその謎に挑むことにしたのである。
しかし、35頁目で「高校時代、演劇部にいたことまでしゃべってしまった」と読んで、早々に「…違うかも」と思ってしまった。《円紫さんと私》シリーズで彼女は高校時代演劇部には在籍していなかったのである!(後で確かめると、高校3年間生徒会の役員をしていた)
7月22日
「わたし」は35歳で男と別れ、38歳で槍ヶ岳に登り、39歳で小学校からの親友と死に別れている。で、その年はどうやら大震災のあった年になっているようだ。「わたし」にとって、原田という男と名もなき親友との別れは、とてつもなく大きなことのように思えた。事件になるほどは大袈裟ではないけれど、日常に潜む深い傷を、北村さんはどのようにして癒すことが出来るのか。
7月23日
やっとまとまった読書する時間がもてる。まだ三章分が残っているけど、最後まで行きつける。登山も読書も何処かに「これがヤマだった」という箇所がある。そこを過ぎると、どんなに傾斜がキツくても勢いがつくのである。
「わたし」は山の上や仕事の中で、いい出会いを重ねながら、次第次第と自分を取り戻してゆく。
もしかしたら、あの《円紫さんと私》シリーズの「わたし」は、この主人公が落ち込んでいる時に絶妙なタイミングで助け舟を出す同じ編集者の「藤原ちゃん」なのではないか、などと想像してみる。だとすると歳もあっている!いやいや、ちょっとあり得ない。名前を明かしてしまうのもルール違反だし、結婚もして子どもも出来て、あまりにも完結し過ぎる。
登山初心者には、とてつもなく魅力的な山女小説なのかもしれないが、私はこれで登山に目覚めることはないだろうと思う。けれども「既視感有りあり」だったことを告白せざるにはおられない。
私はかつて当ての無い20日以上の外国旅行(韓国)をしたことが二回ある。一週間ほどは10数回。其処でとんでもないトラブルで参ったこともあるが、素晴らしい出会いと景色や経験に、やはり止められなくなるのである。
「八月の六日間」を読む三日間が終わり、私はまた日常に戻った。
2014年7月23日読了
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女性の一人山歩きのお話。
同僚に誘われたのをきっかけに、登山に目覚めた40歳の独身女性。
マイペースで登るきままな中の山での出会いが、とても良い。
山に登り、日頃のストレスを落とす。
読んでいるだけでも爽快で、山の景色が浮かぶようだった。
2014.7.27
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働く山女子小説 ということで、山好きとしては楽しく読みました!北アルプス、すごーく行きたくなりました。単独行で、マイペースというところがいいな。山で出会った人とも、ベタベタしないのも清々しい。元恋人に最後に言った言葉も、あっさりさわやかでよかったです。
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山歩きはしませんし、この先も本格登山は絶対する事は
ないと思いますが、ちょっと心惹かれてしまいました。
途中紡がれる日常部分もラストの流れまでよかった。