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幼少期から大人になってからもずっと踊らなかった優子。
落ちこぼれだった会社の同期の女2人のそれぞれの道。
父の遺言で緑地の平家に住む風変わりな姉妹。
不運続きで住む場所すら失い、実家に電話して言われた一言。
「贅沢なことを言うんじゃないよ、それはおまえがおまえの人生を生きている証拠じゃないの。」
二人の場合、で、親密だった女友達が結婚や出産に仕事と
別々の立場を経て気持ちが離れていく過程が
なんともリアルで、切ない。
見返しの作者直筆のやつ、とっても几帳面な字が物語に出ている感じ。
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【ダンス】
所感
本能100%の表現てこうだよな。
本能的な〇〇っていうけど、結局そこには理性や他人の目を気にする気持ちが混じっている。
優子のダンスは純度100%
そりゃ踊り出すのも怖くなるわ
なんで私ばっかりこんな災難に見舞われなきゃいけないの?それはおまえがおまえの人生を生きている証拠
【二人の場合】
二人の場合とはいうけど、どんな人にだって当てはまる。
お互いがずっと気が合うことなんて奇跡に等しいと改めて実感する。
年齢を重ねるに連れてどんどん経験値に違いが出る。
その違いを意識すればするほど、解消しようとすればするほどこじれる。
友人関係に限っては過去に固執した方がいいかもしれない。
【風】
澄子も貴子も、比較対象がお互いだけの寂しい世界にいる。
澄子はその二人だけの世界で、いつも貴子に負け続けているから、さらに寂しい。
なにかに懸命になったこともないから、その世界から抜け出すこともできない。
最後にはさらにその世界を深める選択をした。
諦め。
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ダンス、二人の場合、風の3作品が収録。
『ダンス』は踊らない優子という女の話。
『二人の場合』は、二人の女友達が他の女を揶揄することで友情を繋いでいたが、歳を重ねるにつれて二人の暮らしや関係性と感情の変化を描いた作品。
表題作の『風』は、かつての資産家の娘、アラフィフ女二人を描いた作品。
どの作品も女の妬みや、同調圧力、依存性を不思議な空気感で描いていて秀逸。