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父にキモいという言葉を直接言ったことはないですが、何を考えてるかよくわからなくて気持ち悪いと思ったことなら何度もあります。
この本でのお父さんがキモい理由というのは、やはり思春期独特の「父(一番身近な異性)」に対する嫌悪感だったりするようですが、我が家で言う所の気持ち悪いとはまた違ったものだなぁと思いながら読んでいました。
著者も40代と若め。
私の父はすでに還暦超えですので、やはり少し雰囲気は違います。
マイホームパパ的な著者と、我が家の昔ながらの気難しい頑固オヤジ系では考え方や物言いなども違うでしょう。
なので全体的に「なんだよいい親父じゃねぇか、もっと一癖あるやつかと思ったのに…」感は否めませんでした。
ただ、文中に出てきた以下の言葉にはピンとくるものがありました。
「私の父は仕事ひと筋の人間で、ほとんど家におらず、遊んでもらった思い出が少ないのです。父が私をどう思っていたのか、私のことが好きなのかも定かではなく、未だに父親を「家に同居しているオジサン」くらいにしか認識できないのです」
著者の知り合いの成人女性2名に、自分(著者)の娘への愛情のかけ方はキモいのかと聞いた時の返答からの抜粋です。
私もこの方達と同じで、著者の娘さんのようにわかりやすい愛情のかけられ方をされたことがありません。
そのため、娘さんが実は羨ましいとも書かれていましたが、私は特段羨ましいとも感じません。
ただ、もしされていたらウザいキモい!と言えていたのかもしれないなぁと思います。
私の場合、そういったスキンシップもなく、会話もなく、何を考えてるかわからない存在が同じ空間にいるという別の意味での気持ち悪さということなのでしょう。
しかしあえてそれを口に出して言うことは特にありません。
どちらかというとキモいウザいと相手に言えているだけ良いのではと思うこともあります。
もっと本質的な問題なので、なかなかライトに言えない部分があるのかもしれません。
本当に心の底から憎くて気持ち悪いと思っていたらそんなもの口にも出さないのではと思います。
無意識に「(会話もせずとも)家族だからいいだろう」「仕事で疲れてるんだからそれくらい」と考えてしまう気持ちもわからなくはないですが、何を考えてるかまではわかりません。
やはり会話することは一緒に暮らす上で大事なんだよなぁと改めて思うと同時に、プライドの高い我が父と話すのは簡単に出来ることじゃないなと再認識しました。
またお父さんと子どもとだけではなく、こういうぶっちゃけトークを友人間でも出来ると楽しいのかなと思いました。
色んな人とのぶっちゃけトーク、出来てこそ人付き合いが楽しいんだと思います。