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漂流する救命ボートでなにが起こったのか。主人公が裁判にかけられる、というところから始まって過去が語られる形式。こちらを機内で最初と最後の電子機器が使えない時間帯に読もうと持ち込んだのだが、途中でやめられなくて着陸前に読むものがなくなってしまったという。そして読了してもまだ、もやっとわからないところが残るこの感じがいい。
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一気に最後まで、とはいかなかったけれどおもしろかった。定員オーバーの救命ボートの中で(しかも救助がなかなか来ない)人を思いやれる人、自分の事でいっぱいいっぱいの人、リーダー的存在になる人、人の気持ちを操ろうとする人など、いろんな人が出てくる。自分以外は全員敵なのか、それとも最後まで味方はいるのか、救助の来ないボートで朦朧としながらも、その駆け引きがずーっと続くので、読んでる時にドキドキというか、しんどさはあるかもしれない。結局最後は主人公にとっては良い方向で終わった気がするので、最後まで読んできて、そこは救いだった。アン・ハサウェイで映画化との事なので、映画はどんな風になるのか楽しみです。
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1914年、大西洋で豪華客船が沈没し、ある一艘の救命ボートで逃れた人たちの、救助されるまでの約20日間の話。
序盤のすぐ救助されるという楽観から、徐々に不安、恐怖、おびえへと変わっていく人々の様子がよく書かれている。
内容はあまり変化はなく、少々退屈かも。
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これが処女作とは思えない上手い作品。この一語に尽きる。
漂流したボートからの脱出を自然の中で血沸き肉躍る冒険活劇ではなく、極限状態の海の中にも関わらず淡々とした筆致で描かれているのが何ともはがゆく、「心のサバイバル」を「密室劇」として描いた作者の才能に感服する。
多くの登場人物を描き分けただけではなく、遭難後から後半の裁判、救助を語る構成、そして主人公の視点で書かれた内容は読後に様々な解釈を思い起こさせる。
本当に怖いのは嵐ではなく人の心なのだろう。
決してすっきりもしないしわくわくもしない(むしろ気持ち悪い)けど、じっくりと深く読める一冊。長さも丁度良く普段小説をあまり読まない人にもお勧めできる。