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1回目
■背景
これからの自分がどこへ向かっていけばいいかよくわからなくなった
身の回りに散在する自分と関わりの深いキーワード(日本、グローバル、観光、伝統産業、建築、都市計画、まちづくり)とどう向き合っていけばいいかわからなくなっていた…
■あらすじ
総合的な取り組み、幅広い領域が学習の対象である近代都市計画(都市デザイン、交通計画、住宅計画、ランドスケープデザインなど)の現代の違い
設計主義から〇〇へ(住民参加とか)
震災によって、成熟と老化のみを考える時代から部分的な成長のプログラムも必要であるという考え方に変わった。
■講義編
日本の都市計画は何をしてきたのか
・都市計画はエンジニアリングではない。アーバンプランニングではなく、アーバニズムのように社会現象である。
・都市計画は成長のためのツールであり、成熟のためのツールとしての考え方は希薄である。
・日本には都市計画がない。三次元の空間計画でないものは都市計画ではない。日本は二次元的な区画整理といったもので考える傾向が強い。
・都市計画に携わる人は交通、住宅政策についての意識が希薄である。
・世界的な視点も欠けている。開発途上国と比較しなければ、日本の立ち位置や特異点はわからない。
近代都市計画の出発点は無政府主義。つまりコミュニティー。しかし、理想主義であり、現実はうまくいかなかった。
→これが、テクノロジーによってうまく機能する時代が来ようとしているのかもしれない。
成熟した社会では、市場性が大事であり、民活主義がよい。かもしれない笑。都市開発は起こしにくいが。どのように質を担保するかも課題。
金融市場主義にどのように対応するか。空間的にはおかしいが経済の活性化には繋がること、東京への集中投資による地方の疲弊。
我々は道を間違えないためにも、正確に描写することを常に心がけながら、現場に入った時にどう行動するかという問題を考えなければならない。
明治政府はそれまでの地域コミュニティーを破壊して国家を作った。無縁社会が100何年かのうちにできあがってしまった。こうした問題も解決しなければならない。
コミュニティvs地域の空間的な形の応答問題
地域自治権の拡大や地域共同体の再生を考える上で観光というツールはどのように使えるだろうか
日本人は無縁社会的な都市に住もうとする人もいる。しかし、どこに住んでも隣人との付き合いなど、無縁の世界は存在しない。日本にとって望ましい都市とは一体何なのか。
日本には町家での都市生活という長い歴史がある。マンションの歴史はここ30年の話。どちらがいいのか考えなければならない。
ー町家と高層マンションと観光。
交換価値と使用価値。それと観光笑
グローバリゼーションという競争によって地域特有の文化を推し進めていくとか考えるのは地域社会にとって必ずしもいいことではない。選別的にすべきである。
ブータンに行きたい。農村社会で自給自足。ついこの間まで都市はなく市しかなかった。
欧米は小さな自治体の力が日本より優れている。
本来の目標は、地域住民の福祉支援と生きがいの充実。
経済のグローバル化と情報化の問題。
マスタープランは必要か
空間的総合調整機能が必要
ー川と後背建築物などを一体的に開発する
銀座のまちづくり
なぜ面で計画するのか
歩くことを優先する立場からのモビリティデザイン。
学校や駅は文化的背景から社会的吸引力が高い。
地元じゃないといけない店。価値ある
「街のイメージ」の向上
コンパクトシティについて
集約思考からネットワーク思考への転換
都市はどのように縮小していくか
超小規模化、多方向化、場所のランダム化
空き家活用まちづくり計画
ー空き家が空き地が再利用され、小さな不動産事業が復活することを目指す
不動産業は不動産を交換する手間賃で食っていたが、これからはなにを交換するのか見定めなければならない。空き家の再利用など交換するものを変える必要がある。一つ一つは個別的で効率の悪い仕事だが、パターン化を見つけられれば大きな仕事になる。長期的に考え、ゆっくり業態を変えて、応用していかなければならない。
行政は、組織のサイジングに課税、公共事業、規制の3つをどう組み合わせるか考えるべき。
ー自治体、学校などの破綻や崩壊が起きないように。また、市民の個別ニーズに合わせて
これからの都市計画は現場ごとに計画して、試行錯誤を繰り返して、マニュアル化を目指すべき。
都市計画はなぜ人と自然の関係性から出発しないのか
地形図などから地域環境の特性を把握し、それに合わせた住まい方をするべき。そして、土地管理をどのように行うべきか考えなければならない。土地の活用可能性、管理の必要性、土地の将来像を考える必要がある。
近代都市計画にはなかった新しい視点
一概に森林というのではなく、生物多様性や固有種など、保全すべき森林を保護する。
環境保全と住環境の改善の2つの視点を持つ。つまり保全だけではなく、都市側とのやりとりも考えなけばならない。
自然立地的土地利用計画
食の物々交換や土地の共有は経済的価値では測れない幸福をもたらす
ー農家は地域の自然環境をよく知っている。講義ができるよね。
ドイツの土地利用計画(Fプラン)と環境保全計画(Lプラン)
欧米の自然は単純で脆弱。一方で、日本は生物多様性に優れている。そのため西欧では自然を守らなければならないという意識が強いが、日本はほっとけば育つという土地の良さが裏目に出ている状態。
地球環境への危惧などから、都市の将来を考えるよりも今ある状態をどう改善するかが計画の主要な役割となっている。一方で、現実的で短期的なプロジェクトをやりつつ、それが長期的にどう変わって行くのかを考えることを忘れてはならない。
都市計画は時間にどう向き合っていくのか
今、私たちは無邪気に新しさに溢れた都市空間よりも過去を豊かに包含する生活環境に価値を見出そうとしている
時間を消し去ろうとした近代化の過ち。
地域の内発性を感じる建築
循環型の死生観。「みえてはいるが誰もみていないものをみえるようにする」ということは時間の蓄積という視点で都市空間を��ればもっと豊かになれるということ。
ーどうやって可視化するか。
時間は多様性を担保する技術の1つ
段階的に都市を形成してって、時間概念を生み出す技術。
地域共同体の復活。
ー超高齢化社会、相互ケアー
都市の固有な魅力の損失。
林業は、森林生産の効率性だけでなく、治山治水、自然生態系、生物多様性の維持など総合的な政策判断が必要。
ー役割は一つじゃない。市場優先主義になると視野が狭くなる。目的に合わせた手段が必要。
農家は営農を通じて、環境保全機能を担っているという社会的認識が必要。
ー食料自給率という概念は国際的にはなく、農家と農協を守るためだけのものだから、農業の議論ではない。
ー農業や林業を生産ベースではなく、自然環境の維持、国土管理というベースに切り替える必要がある。
これからは漸進主義。少しずつ変えていく。
■調べること
IBAエムシャーパークプロジェクト
ー展望的漸進主義