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「野球は、努力でも練習でもなかったし、大試合やトロフィーを意味するものでもなかった。野球は冒険だったのだ。」
6人の冒険者に焦点をあてた、6本の短編からなる本書は、トマス・ボスウェル氏の「人生はワールド・シリーズ」からこの言葉を引用してはじまる。
誰もが知るスターの冒険ではない。
スターへの道が見えかけていたにもかかわらず、戦力外通告により表の世界から一度は消えた冒険者達のその後に焦点をあてた実話である。
野球は人生に必要な全てのものを教えてくれる---野球が好きか嫌いか、上手いか下手かといったことに関係なく、一度でも野球に真剣に取り組んだことがあるものにのみに与えられる贈りものがある。
私はずっとそう思ってきた。
それは何か、と問われても、「全てだ」としか答えようがない。
本書にはその答えがあった。
「自分自身にしかわからない」という答えが。
至極の一冊。
【本書 あとがき より】
どれだけ野球を愛しても、いつでも野球から愛されるとは限らない。
野球によって傷つくこともあれば、野球によってうちのめされることもある。
けれども、彼らの、終わりなき冒険が教えてくれた。
結果ばかりでなく、その過程において懸命であれたのなら、その冒険の数だけ、なにかが、もたらされるということを。
それは、懸命であったかどうかを知る、たった一人の人間である、自分自身の心でしか感じることのできない、誰の目にも見えない、真の勝利という、野球からの贈りもの。
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初めて読む著者の作品。かつて栄光に包まれた者たちの逆転の物語。どれも涙なしには読めません。強くお勧め。特にパリーグ審判の平林さんと元駒大苫小牧の香田監督のエピソード。
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野球ってスポーツは、プレーするに奥が深く、語るに懐が深い。成功した者にも失敗した者にも、チャンスとピンチは訪れる。そこを乗りきった者が勝者だが、敗者にも逆転のドラマがある。そんな男たちの人生をまとめたのがこの作品だ。
「野球が、好きだから」。間にある句点の中にそれぞれの思いがある。♪今日も聴こえる野球狂の詩