投稿元:
レビューを見る
著者は税理士。大学卒業後、国税庁入庁。東京国税局の調査部長として大企業の税務調査を指揮したほか、国税庁では全国国税局の資産課税事務等を経験。現在は、相続・事業承継。税務調査対策、国際税務に関するコンサルティングに取り組んでいる。
納税者にとっては負担感がを強まっていく時代に突入したわけであるが、税金ともっと賢く付き合っていくには、どうすればいいのか。
その答えの一つが、「減価償却」を使い尽くすことである。
減価償却は理解するのが比較的難しいルールである、しかし、具体的な償却資産と節税の仕組みさえ理解しておけば、実に様々な資産を経費にし、自在に税金額をコントロールすることができる。
利益が大きく出そうなときには、減価償却費を計上して課税額を減らし、同時にキャッシュフローを増加させる、まさに究極の節約術である。
本書の構成は以下の6章から成る。
①減価償却を知り尽くせば税金はコントロールできる
②高級中古車、クルーザーは使い勝手のいい償却資産
③不動産は建物割合を大きくとって利益圧縮
④航空機・ヘリコプターで大規模投資、短期償却
⑤太陽光事業で100%即時償却も
⑥安易な償却資産活用で後悔しないために
たしかに、減価償却はある企業にとってはものすごい武器になる。
利益が出そうなときには減価償却を活用して利益を減らし課税額を減らす。繰延の活用。
そしてキャッシュフローの確保により、利益は出ていないものの金融機関等の対外的な信用は損なわれない。資金調達にも影響は少ない。
しかし、闇雲な減価償却。
無計画かつ繰延べた課税への対応等を怠ると大怪我にもつながる。
スゴイ減価償却であるもコワイ減価償却であることも確か。未来は予測できない。そのために備えるのは必要であり、有効に活用出来ればこれほど素晴らしいものはない。
計画的かつ慎重に行うことと念入りな下調べが将来のキャッシュフロー及び経営に大きな影響を及ぼす。
投稿元:
レビューを見る
航空機、ヘリコプター、コンテナ、競走馬などの償却費を利用した節税を説く。ただ、航空機とかはアフターコストが馬鹿高いから取得費と維持費用の合計で考えた場合、節税どころではすまない。結局、減価償却なんて期ズレの話し。節税目的で高額な資産を購入するなんて愚の骨頂。あくまでも資金繰りの範囲内で。
投稿元:
レビューを見る
この本の趣旨である「減価償却」という言葉は、今から20年ほど前に、ある資格の勉強をしていたころに初めて知りました。確か定義は「現金支出を伴わない費用」というもので、演習問題等で、このように使うのか、という感覚しかなかったのを覚えています。
さて、この本は、減価償却という会計手法を用いて、節税を合法的に行う実例を、元・国税局部長の杉本氏が解説しています。実際に私がどのように使えるかは、よくわかりませんでしたが、世の中にはこの手法を使って、上手に節税をしている人や企業があるうようですね。
とにかく知っているのと知らないのでは大違いです。いつかこのような仕組みが活かせるようになれば良いなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・課税の繰り延べのメリット、1)先送りにした時点では、節税額分の無利息融資を受けたことと同じ効果、2)元本の運用益が非課税になるのと同じ効果(p31)
・特定の課税期間に集中的に減価償却費を計上するための方法として、1)耐用年数が短い中古資産を活用、2)定率法が使える減価償却資産を活用、3)政策税制による特別償却などを活用(p36)
・青色申告書を提出している個人の純損失や、法人の欠損金については、個人は3年間、法人は9年間、将来に繰り越すことができる(p38)
・時の経過によりその価値が減少しない資産の例としては、土地・借地権・書画骨董がある(p62)
・不動産の中でも減価償却でおすすめなのは中古の木造アパート、法定耐用年数が22年、売却した時点でその不動産を5年超保有していると、その売却益は長期譲渡所得となり、20.315%となる(p97)
2017年1月9日作成
投稿元:
レビューを見る
ベンツやクルーザーの購入は税金対策に使える、とかなんとなく知っているが、テクニックだけでなく税金を繰延るという考え方、メリットを理解することができる。