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つまるところ、勝ち組(金を持つ者)によって、負け組(金を持たざる者)の生命まで左右される時代に入っていることを示唆しているのではないだろうか。すべては「金(利益)」「株価」に収斂されるのだから。
本書は読むのにかなり時間がかかった。
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資本主義アメリカ。勝ち残るための戦略で、食品の工業化が、どんどん不健康に。大企業でそれらの仕事をしていた人が、心の呵責からか、それとは反対の仕事に転職する例もあり、少しは救いが。
近代化で便利になったようで、どんどん忙しくなって。時間に快楽に呑まれてる。グローバル化する世界。金、金、金…の力関係。
何が大切か、自分で知ろうとしないと、いけない。
食育は大切だが、金と時間、それに楽したい欲が。足るを知る事か。
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新聞の書評から興味を持って。食品の大企業により仕掛けられた、糖分脂肪分塩分の至福の罠。一日の摂取量を大幅に超えたところにある、人々の満足点。引き換えに不健康を得て(与えて)では健康的な物を開発…しても売れず。企業としては利益を得なければいけないゆえ、リバウンドのごとく盛られるこの至福の3アイテム。
甘いお菓子に手が伸びなくなるほど、ぞっとした内容です。
料理は苦手ですが、新鮮で安いアイテムの手に入る環境に感謝して、自分でも作れるようにしなくちゃと背を押されました。
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加工食品にしかけられている、数々の罠。
糖分、脂肪、塩分はもちろん、広告から店頭における配置まですべてはメーカーの利益追求のため。
メーカーの重役の多くが、自ら手がけた商品を避ける食生活を心がけているという事実から、いかに加工食品が身体によくないものかがわかるというものだ。
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糖分、脂肪分、塩分は、栄養素というより侵略兵器。アメリカの加工食品メーカーが、食品化学、人間の生理・心理・社会・脳測定実験や研究を経て、より多く売れ、株主利益を上げる商品を、いかに開発してきたか。
経営トップたちは、自社商品は体に悪いとして食べないわけですから。世界のための社会実験をやっているようなものかも。
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ソフトカバーで530P強。ものすごく小さい字のところもあり、読み応え充分……。
「糖分」「脂肪分」「塩分」の三章に分かれていて、ドキュメンタリータッチで真相に近づいていく。加工食品、外食産業花盛りのアメリカの話だけれど、沖縄に住んでいる今、とても他人事とは思えず。
なんにせよ、売る側は買う人の健康なんて考えていないし、自分達が売っている物を食べてもいない(人が大多数)。すごく見下している、というのが率直な感想。
内容的に勉強になったのは、人の身体は「液体のカロリー」を扱うのが苦手、ということ。砂糖も溶けていれば身体に入ってしまう。(個体では、コップ一杯の加糖の炭酸飲料分の小さじ6杯の砂糖は食べられない)
濃縮果汁還元の100%ジュースも、砂糖、コーンシロップ(果糖ブドウ等液糖)と同じ種類の糖分と思っていい。(栄養素は加工過程で抜けている)
私は、「これがないと生きていけない」は好きじゃない。だから、読んでよかったと思う。
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アメリカのジャーナリストの力強い調査と追求力は
眼を見張るものがある。渾身の筆圧が感じられる。
アメリカだからできるのだろうか。
徹底したインタビュー。
必要な文献の調査。そして、内部文書まであたる。
日本では、このようなジャーナリストが
育たないような気がしてならない。
なぜなのだろう。
砂糖、脂肪、塩は 『美味しい』を形づくる。
どんどん食べさせ、どんどんのませるには
どうしたらいいのか?
それを 食品企業は 徹底した 研究をして
戦略とマーケティングを行ない
そして 広告宣伝 によって ターゲットを陥落させる。
企業の論理は 収益獲得に徹底してこそ
はじめて 生き延びるが
そのことによって ニンゲンを 滅ぼす可能性がある。
まさに 食においての ジレンマの中にあることを
浮き彫りにする。
この本の題名は、フードトラップよりも
フードジレンマと言った方が良さそうだ。
砂糖、脂肪、塩をめぐって、フードカンパニーの
追及とジレンマを深く掘り下げる。
砂糖には『至福ポイント』がある。
そのポイントを正確に把握することが、
食品会社にとってのコストダウンとなる。
子供は 生まれた時から 糖を美味しいと思う。
3歳から5歳の時に 塩味を覚えるようになる。
塩味は、後天的な味とも言えるが、際限なく食べてしまう。
食べ始めたら、とまらないのだ。
子供は 甘いもの が好きな理由が 明らかになり
それを どうやって 飼いならすか
が食品会社のテーマだった。
至福ポイントは 点ではなく 点の集まりである。
『欲しがれ;Crave it』
欲求を高める商品。
味 香り 見た目 食感。
お腹がすくから買うのではない。
お腹がすく予定があるから、それを想定して買う。
食品の選択は 偶然が多い。必然的買い物は少ない。
近くにある 便利さが 欲しいものを買う。
アメリカでは 朝ごはんが シリアル。
昼ご飯が 簡単なランチ。それを、どう攻めるか?
砂糖と塩と脂肪まみれにする。
結局は、フードカンパニーは、
健康にいいものをつくろうとするが、
消費者が 受け入れられないことへの
失望と困惑が あるのだ。
結局 炭酸飲料会社は
肥満を生みつづけることになるのだ。
どうにもとまれない現実に ふかい罠が あるのだ。
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「脂肪です」
「糖分です」
「塩分です」
「出たな、余分3兄弟っ」
なんていう飲料のコマーシャルを思い出した。食事や間食での
摂取量に気をつけないと体に悪影響を及ぼす余分3兄弟。
この余分3兄弟をふんだんに使用しているのがアメリカの加工
食品だ。本書はアメリカの加工食品会社が商品に仕掛けた
巧妙な罠で、消費者を過食へと導く行程が描かれている。
文明かが進めば進むほど、人々は食事に時間をかけなくなって
行く。料理をする時間さえ惜しむほどだ。するとどうなるか。手軽に
食べられるインスタント食品やスナック菓子が喜ばれる。
そこには大量の脂質・糖質・塩分が含まれている。それが人々の
食欲を満足させる。満足させるだけならいいが、「もっと食べたい」
との欲求を起こさせる。
アメリカの加工食品がよく分からないので特定の商品についての
話は理解出来ない部分もあったが、加工食品の実態と食品会社
がいかに消費者の健康なんて考えてないかが描かれていて少々
ぞっとする。
ポテトチップスを例に取ると理解しやすいかもな。日本では食べ切り
サイズの小袋も販売されているけれど、あれだと「食べ足りない」と
感じる時があるんだよね。
だからって、大きな袋を開けて途中で食べるのを止めるのも難しい。
実際、本書を読みながらポテトチップスを食べていたのだが、危うく
1袋を空けてしまうところだったもの。気付いて片づけたけどね。
そんな食品加工会社の上級役員たちが自社の商品は食べないよう
にしているなんてなぁ。健康に良くない商品を売っているという自覚
はあるんだろうね。
一応、食品会社も商品の見直しはしている。余分3兄弟を減らした
商品を売り出した。ところが、売り上げが伸び悩み、株価が下がり、
ウォール街から「もっと売れる商品を作れ」と尻を叩かれる。
そして振出しに戻る。悪循環だよな。
それにしても、アメリカ人の食卓はシリアル、冷凍食品、スナック
菓子だけで成り立っているのか?いや、忙しいと食事を作るのが
面倒ってのは分かるんだ。分かるんだけど、手料理って大事じゃ
ないのか。
日本のスーパーに並んでいる「麺つゆ」。私はあれでそうめんや
うどん・そばが食べられない。だって、どんなに薄めても甘いの
だもの。大量に出汁を取って冷凍しとけば、それほど面倒じゃ
ないんだけどな。
日本もいつかアメリカみたいな食生活になって、余分3兄弟が
はびこるんだろうか。
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この本はアメリカのことを書いているけど、ではひるがえって我が国の状況を考えると、どうでしょう。食品を売るためにどんな味付けが仕組まれているか。必要以上に欲求を高めるための仕掛けづくりはどうなっているか。実質以上のみかけをつくりだすために偏った情報提示をされていないか。最後のことでいうと、「食物繊維の量を示す基準がレタスになってることが多いけど、レタスはあまり食物繊維は多くない。ゴボウのほうがずいぶん多い。でも、レタスのほうが〇個分っていうときに大きな数字が出やすいのでよく使われるのだ」という噂を聞いたことがあります。検証したわけではありませんが、今でもなんとなく頭に残っています。(2014年7月26日読了)
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●マイケル モス, 本間 徳子「フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠」
●畑中 三応子「カリスマフード: 肉・乳・米と日本人」
●アナスタシア・マークス・デ・サルセド, 田沢恭子「戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係」
●ジョン J. レイティ, エリック ヘイガーマン, 野中 香方子
「脳を鍛えるには運動しかない!」
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健康とは何か?
この問いを現代社会を取り巻く複雑な産業構造の視点で、
見解が述べられています。
自分達は、多くの食品企業、メディア、医療機関に、
ただ踊らされているだけかもしれません。
とにかく、著者の圧倒的な取材量を舌を巻きます。
これほどのジャーナリストは、まず日本にはいないでしょう。
文献・論文の読みこなしも、素晴らしいと思います。
食品企業は、消費者が、「はまるポイント」を常に探しています。
これは、食品企業に限ったことではなく、
どの企業も、この視点で、マーケティング活動を行っています。
人の生理機能ではなく、認知機能にまで、
影響を及ぼす情報が、日夜メディアから流され続けられています。
いったい自分達は、こういった社会構造の中で、
どうやって健康を実現していったいいのか?
非常に考えさせられる内容です。
特に、コカ・コーラの記述には、なるほどなと、させられました。
なぜ、コカ・コーラがロングセラーなのか、その一つの重大な秘密がわかります。
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砂糖・脂肪・塩分について、アメリカの食品会社がどのように消費者が好む製品を作るか、その結果どうなったかが詳細な資料とインタビューを元に書かれている。読んでいて糖分(特に清涼飲料水)の恐ろしさを感じたが、読んでいる内にコーラが飲みたくなりました。
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アメリカっちゅー国はコワイよの~
なんせ、国民よりも利益の方が需要っていうんだから~
「SALT」「SUGAR」「FAT」
この3つを制するものは全てを制す!
アメリカの食品業界においてこの3つこそが食品の売り上げを決める要素と言っても過言ではないのだとか。
砂糖の甘みが増せば増すほど脳は快感を感じ
油は人間の体がリミッターなく求めてしまうもので
塩は全ての生き物が細胞レベルで要求するもの
砂糖をもっと入れろ!
将来大きな消費者になる子供たちの脳に甘さをすり込め
油をたっぷり使った食品を手軽さをうりにして主婦に売れ
塩化ナトリウムが問題なら塩化カリウムでごまかせ!
みたいな国民の健康を無視して利益を追求(いかに売れるか)するメーカーがあまりにも多すぎる。
「いや~うちは色々守ってますよ。でも消費者さんが食べすぎるんですよね~」
なんて言い訳する恐ろしさったらない!
お手軽なインスタント食品や冷凍食品を売り込みたいがために、アメリカで家庭料理を作らなくさせたのはとある食品団体らしい。
こわ~!食文化が崩壊してるよ!
って思うんだけど、
日本でもすでに崩壊しかけてるのかな~?
人の味覚というのは作られるもの
子供の頃に甘いジュースやスナック、加工品、お菓子で育った子供たちは自然の甘みや旨みは感じなくなるそう
自由の国・アメリカが抱える肥満問題や貧困問題
それらは食文化の崩壊とは全く無関係ってわけじゃないそこには文化を犠牲にしても儲けたいという人々の恐ろしい罠が隠されている。
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私たちが日頃食べている食品、特に加工食品の恐ろしさを科学的に説いた本だった。
糖、脂肪、塩分の3つのカテゴリーを1つ1つ丁寧に書き上げ、これまでの科学者の発見に基づく加工食品が生み出されてきた。
人々の健康よりも利益を追い求め、私たちはそれに気付かず、ただただ至福なひと時を求め、身体を壊して行くことになっていた。
至福ポイントを見つけ出し、それらを操作する技術の進歩は素晴らしいものだった。
私たち購買者は、これからの時代は1人ひとりがよく自分の身体をよく考えて食品を選ぶことが必要だと思った。
そうしなければ、加工食品の依存性、中毒性に引き込まれてしまうからだ。
私たちが食品を選ぶのではなく、食品が私たちを操作していることに気づくべきだ。
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砂糖、脂肪酸、塩化ナトリウムは、人の味覚を依存症にしてしまう強い力があり、かつ(現代の摂取状況では)体に悪い、という話
加工食品を食べないという対策しか無いかも
厚すぎる。長過ぎる。なんで500ページも必要なの。