投稿元:
レビューを見る
ちょっとユニークな切り口の時代物。
最後、行方不明夫の件がやや性急で
消化不良気味だけど、続きがあれば読みたい。
投稿元:
レビューを見る
青く光る鷺を探しに出たまま音信不通になった夫を待ちながら、飼鳥屋を営むおけい。
夫の声色を真似る九官鳥・月丸とともに「ことり屋」を守り続けて三年になる。
鳥にまつわる不思議な出来事をおけいさんが解きほどく連作短編集。
自殺か他殺かなんていう事件も出てくるので、日常系とはいえないのかもしれないけど、おけいさんの人柄や周りの人たちの優しさでほっこりしたトーンになっている。
江戸時代に、鳥専門のペットショップのような飼鳥屋というお店や、鳥カフェといった趣の花鳥茶屋などがあったことに驚いた。飼鳥屋には白バタンと呼ばれる大型のオウムなどの洋鳥を扱うお店もあったり、茶屋の方は真鶴や孔雀までいたらしい。
曲亭馬琴が鳥好きで、おけいさんのお店の常連客という役どころで出てくるのもおもしろかった。
いつもむっとした顔をしている頑固爺なのに、実は一人になったおけいさんを気遣ってお店を覗きに来てくれるなんだか可愛らしい先生。
そしてもう一人、おけいさんを気にして店を訪れるのが、北町奉行所の定町廻り同心の永瀬。
おけいさんは強い女性という描かれ方ではなく、淋しさ弱さ、女一人の心細さを持ちながら必死に店を守る姿で描かれている。
夫への熱い恋情を思い出したり、永瀬の穏やかさに安らぎを覚えたり、揺れる心模様にこちらもゆらゆら。
六羽(六話)で、夫・羽吉の身に起こったことが判明し、同時に新たな謎が浮上。
最終話の七羽へと続く。
おけいさんの切なすぎる決断に「強えな、おめえは。」と応えるひと。
淋しさ弱さを押し込めてきたおけいさんがどんな気持ちでその言葉を聞いたかを思い、胸が締め付けられる。
九官鳥の月丸の「イマカエッタヨ」
おけいさんが一番聞きたかった言葉。だけど聞けなかった言葉。
その声色は……というところで切なさMAX。泣きました。
「イマカエッタヨ」に込められた3年間の思いは、羽吉にもきっと届いたはず。
新しい一歩を踏み出そうとしているおけいさんが幸せになりますように。
投稿元:
レビューを見る
失踪した旦那さんを待ちながら、ことり屋を切り盛りする奥さんのお話。
7章構成で、1章完結なので、本を読む時間のなかなか取れない人にも読みやすいかも。
九官鳥の月丸くんが問答無用で可愛いので、鳥好きさんにはオススメ。
投稿元:
レビューを見る
江戸の町が舞台。飼鳥屋を営む「おけい」という女性の物語。
元は夫婦ふたりで営んでいた飼鳥屋だったが、おけいの夫である羽吉は3年前に旗本からの要請を受けて、胸元が青く光る鷺(さぎ)を捕らえに旅に出、そのまま行方知らずとなってしまった。
おけいはひとりで立派にこの飼鳥屋を切り盛りし、羽吉が戻ってくるのを信じて待つ。
日々の飼鳥への世話の描写などは、取材だけではなく、もしかして作者の方は実際に鳥を飼育した経験があるのでは?とも感じられました。
また、物語のなかに出てきますが、江戸時代には「花鳥茶屋」という今でいう花鳥園のような施設もあったようです。
江戸時代の飼鳥事情がよく分かり、鳥好きな人ならとても興味深く読み進めることができると思います。
投稿元:
レビューを見る
L ことり屋おけい探鳥双紙
江戸の飼鳥屋が舞台。そういえば数ある店の中でも鳥屋を題材としたものには出会ったことがなかったな。
おけいは鳥を販売する女店主。夫は三年前に珍しい鷺を探しに信濃に行ったきり行方知らず。
夫の帰りを信じ懸命に鳥の世話をするおけい。
販売した鳥たちのその後や客にからんで事件勃発。さらに事件がらみで八丁堀の旦那が現れ、夫がいない寂しさを埋めるかのようにおけいの心に住み着く。
夫と武家の役人、戯作者の滝沢馬琴も相まって話が進んでいく。
夫とのことはけじめがつけられたけど、まだ話の振り幅あるなー。
投稿元:
レビューを見る
江戸時代、鳥を商い暮らす人がいた。
行方知れずの夫を待つ寂しさが
物語の中心を走りながらも
優しく、上品な女性が魅力的。
結末は悲しかったけど、希望の光を
ほわりと想像させてくれた終わり方が上手い。
投稿元:
レビューを見る
【収録作品】第一羽 かごのとり/第二羽 まよいどり/第三羽 魂迎えの鳥/第四羽 闇夜の白烏/第五羽 椋鳥の親子/第六羽 五位の光/第七羽 うそぶき
筋立てはありがちながら、「ことり屋」という商売にしたところに興がある。
投稿元:
レビューを見る
しっかり者のおけいのところにちょっとした事件がもちこまれる、短編集。行方知れずの夫とのことは切ないけれど、実生活でカナリアの繁殖をしていたといわれる馬琴や、同心が力を貸して、物語を盛り上げています。
江戸時代、飼い鳥を商う商売があることは知っていたけれど、こういうふうなのかと思いながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
幻の青い鷺を探しに行って行方不明になった夫を待ちながら、小鳥屋を守るおけいが主役の連作短編集。
江戸時代に小鳥を商う店というのが面白い。
謎解き話としてはわりと普通だが、語り口がいいしおけいの繊細な心情がスルリと入ってきて、ほっこりしてよかった。
投稿元:
レビューを見る
飼鳥屋を営みながら行方知れずの夫の帰りを待つ女性が主人公の7編の連作短編集。鳥を巡る大小様々な出来事の謎を解き明かしていく。
全編通して、寂しさと優しさが溢れている。切なく胸が締め付けられても、ふわり優しく包まれる感じがする。
主人公おけいを気遣う馬琴や同心など脇を固める人たちが固い。
おけいが幸せになりますように。
投稿元:
レビューを見る
朝顔、薬草と植物が続いたので、今度の作品が「鳥」がメインとはやられた。
九官鳥の月丸、なにげにいい味だしているね。
あと、途中ででてきたダルマインコの太助が、女の子の名前をいいだしたせいで、とんでもない事件に発展して、飼い主が太助に別の言葉を必死で教えているという、話には思わず笑ってしまった。
最後の永瀬さんとおけいさんの恋模様と、羽吉の行方が
あかされるあたり、なんかせつない。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしい!
優しい文章だけど、芯が通った文章。
1話目のパンチがいいね、ペットに対しても同じ事が言える。
自由を奪った以上、責任を持たないといけない。
いい言葉だ。
羽吉の件はなー、双方悪くないけど時間が経ち過ぎてたていうのがね。
後味悪いけど仕方がないんじゃないかね。
投稿元:
レビューを見る
仕事で鳥を探しに行って帰ってこない夫を待ちながら小鳥屋を続けるおけいさんが、鳥に関わる謎を解く…というほど勇ましくはなく人情話し寄り。滝沢馬琴先生ご活躍。どの話しもよかったが、最後が…後味悪く…永瀬様達と幸せになってよ!そして続きはあるんでしょうか…
投稿元:
レビューを見る
少し時間はかかったけど読み通せました。
小鳥屋さんという商売が昔からあったのですね。
今流行りのペットショップということになるんですね。この話を読んでいて はたと思い出したことがあるのですが、私の祖父が戦後 小鳥屋を営んでいたのを思い出しました。本に、出てくるように竹の籠で何樹類かの小鳥を売っていました。
私がほんの幼児だったので、忘れていたのですが、きっと昔は店が多くあったのだと思います。
この話は時代は違うけれど、現代でもありうる話で 主人公のおけいさんや近所に住む人たちの日が表されていて とても共感することもあり、読んで良かった一冊になりました❗️
投稿元:
レビューを見る
小鳥は支え支えられ人と寄り添い生きてる。
3年は長いなぁ。
おけいがこれから心の縛りから羽ばたけたらいいなと思いました。