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アルミ板をカットする技法で作品を製作している、あずみ虫、という方がイラストを担当しています。金属らしい、ちょっとカクカクした線どりが、子供の不器用な絵のような雰囲気を出していて、どこか子供の日記を見ているような感じがします。
題名の通り、いもむしが多数登場し、かつそこそこ模様がリアルなので、虫が苦手な方には決してオススメしません。私は虫はそこまで苦手ではありませんでしたが、改めて毒々しい模様のいもむしのイラストをみると、ちょっと「ひっ…」となってしまい、触れるのをためらってしまいました。
物語は、庭にお母さんがプランター栽培していた人参の葉っぱにキアゲハの幼虫が住み着くところから始まります。主人公の「ぼく」の目線で語られています。プランターには2匹の幼虫が住んでいて、成長途中で色や姿が変わることも話題になっています。2匹のキアゲハの幼虫たちは、プランターの人参の葉っぱをすっかり食べ尽くしてしまいます。子供たちは、近所の人参畑へ人参を分けてもらいに行きます。その道中、カラタチの木に住むアゲハの幼虫や桜の木に住む尺取り虫、草むらに住んでいたセスジスズメの幼虫、道を移動する無害なヒトリガの幼虫、キャベツに住むモンシロチョウの幼虫などを見つけます。
無事、人参を分けてもらい、いもむしを育てていきます。臭い触覚で威嚇をすることや脱皮を経て大きくなっていくことも語られています。最終的に、キアゲハの幼虫は、さなぎになり、羽化し、きれいな蝶へと変身します。物語に登場したいもむしたちの成長した姿も、最後に一覧できる形で紹介されています。
さなぎから蝶への変化を「はねのたねが育ってはねになる」という表現は、とても素敵だなぁと感じました。
大人にとってはどこか不気味で、気持ち悪いだけかもしれませんが、子供にとっては、自然への学びを深めるという意味で、結構いい本だな、という印象を持ちました。そういう観点で、評価を★5とさせていただきました。
文章は、ひらがなとカタカナで構成されていて、カタカナにふりがなはありません。
文字量も読み物まではいきませんが、いもむしの説明が多い分、絵本としてはそこそこ多い印象ですので、よっぽど虫好きでないのであれば、一人で読むのは、ある程度文字慣れしてから挑む方がいいかもしれません。
【参考】読み聞かせ:2歳0ヶ月
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芋虫愛に溢れた絵本。
七種の蝶や蛾の、幼虫時と成虫時の姿が紹介されている。語り手がどの芋虫も全肯定するのが良いし、芋虫愛に溢れすぎて、語り手のお母さんまであり得ないくらい芋虫に詳しかったり、優しかったりするのがちょっと面白い。
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生物学の本を読んでいるようで、いもむしの描写が文章も絵も、とても細かくて正確、本当に観察しているような気持ちになります。蛹になった時、死んでしまったのでは、と心配して夜もベッドの横に置いて寝る子供の気持ちにも共感しました。昆虫の研究をされていた澤口たまみさんとあずみ虫さん、というアゲアの飼育観察をずっと続けていた方の本でした。出てくるお母さんのセリフから、昆虫へのラブとワンダーを感じて、好感が持てます。
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「プランターのニンジンで見つけたキアゲハの幼虫が、葉っぱを全部たべてしまった! ぼくは、畑でニンジンの葉っぱをもらってきて、家で世話することにする。葉っぱをたっぷり食べたいもむしは、ある日さなぎに変身し……。いもむしたちはみんな、体の中に、蛾や蝶になり空を飛ぶ日のための、「はねのタネ」をもっているそうです。身近ないもむしとの出会いを通して、いもむしたちの不思議な生態にせまります。」
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本物のあおむしが動いてるのを見つけると、ちょっと気持ちが悪いけど、これからやがて、別物に成長していくのかと、不思議な気持ちになったものですが、あ〜こどもの頃に戻ってきましたよ。