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新聞記者の風間恭平は、いつものように刑事の勝山新次郎から暗黙のルールのもと、ネタをもらう。しかし今回そのメモに書かれていたのは忘れもしない、数年前に一緒に暮らしていたにも関わらずある日突然姿を消し、そして数か月前に再び恭平の元に戻ってきた愛しい女・・・「北瀬雪乃」の名前だった。
現在の2012年と、2人が初めて会った2000年の様子が交互に描かれる。思っていたよりミステリより恋愛小説の色が強かったが、2人の漫才のようなやりとりがおもしろく、そして関係性がすごく素敵だったのでこれはこれでよかったな。さすが関西出身の作家さんで、会話・やりとりが自然だった。
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京都を舞台に2000年と2012年という二つの時を交差させながら恋愛小説でありながらミステリー要素を色濃くだした小説だ。
京都も北大路から北山通り辺りを中心に描かれており、それは私にとっては土地勘のある場所でもあり、フィクションとはいえ、そこに登場するお店等は実際に似たようなお店もある。その場所の映像を頭の中で描きながら読み進めていった。
京都の四季、文化、行事をちりばめながら、しかし単なる甘ったるい恋愛小説に終わらせない。ヒロイン雪乃の本質をつかめないミステリアスな魅力と奔放な言動で恭平と読者を惑わせ、そこに殺人事件というミステリー要素を配し、読者を引きつける。
劇的な終盤を迎えるが、悲恋の結末ではない余韻を残しているところも魅力だ。
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大学生の恭平は腰を痛めて動けない雪乃を助けたが、そのまま厚かましくも、恭平のマンションに転がり込まれる。戸惑いつつも、傍若無人な雪乃に惹かれていく。楽しい日々を過ごすが、突然、雪乃は消えた。12年後、新聞記者となった恭平の前に突然現れた雪乃との同居生活が再び始まった矢先、ある事件の関係者の中に雪乃の名を見つけた。雪乃の正体は?そして、事件の犯人なのか?今の幸せが、いつまた終わるかわからない不安と共に雪乃を愛し続ける恭平がとても切ない。ミステリーであると同時に儚い2人の純愛がたまらなく美しかった。
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古都の風情と景色、季節と色、そして香り。ずっと漂う不穏な空気と、テンポの良い関西言葉の掛け合いに恋心。
緩急がすごいのに、気がついたら最後まで運ばれてた。
いま、とても京都に行きたい。そしたらもっと深く浸れる気がする。
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20180523-73京都が舞台の柔らかな言葉と会話のリズムが心地よく、風景が浮かぶ。不幸から訣別し幸せになってほしい。
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突然、失踪した彼女と数年後に偶然再会する設定の物語としては佐藤正午の『ジャンプ』と同じなんだけど、ジャンプと違って再会後の流れがハッピーエンドになったのが少し嬉しかったかな。あと舞台が学生時代の京都の街ってのもかなりの加点。
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現在と過去が入り乱れて、よくわからんくなる事があった。
でも、雪乃のキャラすっごく好き。
これから、穏やかに二人で過ごせていけることを心の底から祈ります。
最後がとても爽やかな終わり方でそこはめっちゃ好きやった。
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謎が多く一風変わった雪乃に、ただひたすら惹かれる恭平。2人のデートは、私がするそれとタイプが違っていて、ちょっと憧れた。
話の展開はとても上手だけど、言い回しが少々難しく眠気が誘われる。でも、楽しかった。恭平とともに、雪乃の潔白を祈った。
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塩田武士のラブサスペンス。舞台は京都。
◇
2014年。二年坂をひとり歩く男。彼は自分の前から2度も姿を消した女への想いを断ち切れないでいた。
2年前にネタ元の刑事から見せられたヤマのメモに、その女の名はあった。
女の名は雪乃という。
* * * * *
悲恋模様が色濃い出だしで読み進めるのがつらい筋立てだけに、構成の上手さが際立っていたと思います。
それは回想シーンでのやりとりをコミカルな漫才調にしたことです。読み進める際のやるせなさを軽減してくれると同時に、時折見せる雪乃の謎めいた儚さを引き立たせる効果がありました。
また優雅な古都の描写も終焉に向かう恋を盛り上げるに十分だったと思います。
そして迎えるエピローグ。やはり上手い! 作者の思惑にまんまと(実は喜んで)乗ってしまいました。
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2人のやりとり、会話は私的には大好き。
雪乃の強気な性格や大胆な行動が取れる人なのに、その道しかなかったんかなぁという違和感だけ残った。
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14年前、2年前、現在と時は移り変わっても二人の関係は何ひとつ変わらず、二人の漫才のような会話が面白くて癒された。久しぶりに京都に行ってみたくなりました。
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良く、考えて作られてます。
ミステリーであり、恋愛であり、物語りの中にドップリ入っていきます。
恭平の揺れ動く心がなんとも言えない。
最後の頃に、雪乃の心が少し理解できた。
ハッピーエンドになったが、2人にどの様な生活が待っているのか、楽しみです。