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水丸さんらしく淡々とした、小さな旅の記。歴史好きだそうで、各地の城下町について、その成り立ちや歴史上の出来事にかなり筆が割かれているところが、よくある文化人の地方探訪ものとは少し趣を異にしている。おおげさに面白がるわけでなく、ケチをつけまくるわけでもなく、少し引いた旅人のスタンスが心地よい。
祭が有名なある城下町についてのこんな一節なんか、いかにも水丸さんだなあと思う。
「祭り嫌いのぼくとしては、何でこんなことしなければいけないのか、他にするべきことがたくさんあるだろうに、などとおもって見ていたが、それにしても他に類のない勇壮な祭りだった。」
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小さな城下町を自分の思い出とともに訪ねる旅。その町、お城にまつわる物語が簡潔に記され、なるほどと知らない事が多く為になった。絵もたくさん挿入されていて、楽しかった。行ってみたい城跡もたくさん出来た。
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城下町とのご本人の想い出の関係や、城下町を訪れた時の感想・気持ちがやわらかな文章で書かれている。一緒に歩むように情景を思い浮かべつつスラスラと読めて、面白い。
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【三月に急逝した著者の遺作】村上・行田・岸和田・中津…城址に立つと不思議なロマンに包まれる。石垣からは敗者の美学が漂う。旅好き歴史好き垂涎のエッセイ集!
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土浦と木更津はマラソンで出掛けているのですが、城趾があるイメージがありませんでした。それぐらい小さな城趾を巡っています。のぼうの城を見たばかりですが、本書によると石田三成による行田市の忍城の水攻めが失敗に終わった原因は、豪雨にあい、築いた堤が決壊したそうです。映画だと、三成に雇われて堤を築いた堤の外の農夫が忍城城主に味方して堤を崩したことになってました。
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2014年に逝去した著者による全国的には知名度がやや低いかつての城下町の探訪録。現在では石垣の一部しか痕跡をとどめないような城にまつわる武将や藩主のエピソード、町の来歴などが軽妙な語り口で綴られる。独特の味わい深いイラストも大きな魅力である。
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石高は多くなく、歴史の授業で出てくる有名な大名がいたわけでもなく、天守閣が立派なわけでもなければ石垣がろくに残ってすらいないようなところまで、全国各地の、多くの人が目を向けないような城下町をめぐるエッセイです。
訪れたい街がたくさん出来ました。
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旅行に行きたくなる。
・村上市(新潟県)
宮尾酒造 〆張鶴
瀬波温泉 汐美荘
村上茶 鮭
・行田市(埼玉県)
忍城
のぼうの城
水の城 いまだ落城せず
さきたま古墳公園
忠次郎蔵 もり蕎麦
・高梁市(岡山県)
備中松山城
吉田 璋也
・鳥取市
たくみ工藝
・新宮市(和歌山県)
新宮城 尾鷲
・大洲市(愛媛県)
・亀山市 三重県
関宿
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水丸先生が常に四番目のポジションを狙っていたというのも納得の城下町セレクト。そこそこの規模の城下町を旅しています。歴史にも造詣が深くてスルスル読める。そして私も探訪してみたくなる。
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水丸さんが、こんな歴史好きだったとは。村上さんのイメージしかなかったので、新発見。イラストレーターの仕事など洋物っぽい感じとサムライは、見た目より、くっつくかもしれない。
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「ちいさな城下町」である。10万石以下あたりの城下町が一番それらしい雰囲気を残している、という書き出し。そして城址の楽しみは縄張りであり、天守閣などは大工仕事であると言い切る。復元天守などなくていい、石垣から漂う敗者の美学のようなものがたまらない、と。
激しく同意する。けれど、そんなアプローチだけでなく、ひとつひとつの城下町訪問の掘り下げ方が深い。
イラストはいわずもがなだが、さらに文章は決して重苦しくないものの、しっかりと城下町の歴史に引きこんでくれる。各項の締め方も短くも鮮やかである。
城下町を見る人には二種類あって、歴史が気になる人と、美味しいものを食べて、なんとなく武家屋敷などを見て満足、という人がいる、などと言われれば、そりゃあなんとなく満足、などしてはいられないだろう。
土地の歴史と著者の記憶が交錯しながら、城下町を巡っていく。そこに行ったら自分も素敵な旅が出来るような気持ちになる。読むのに城マニアである必要などない。かなり、素敵な本。
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私が馴染み深い城下町は、広島・三原・福山、松江・浜田・津和野、米子、熊本、岩槻・川越・行田(忍)です。城下町には例外なく、美味しい日本酒と和菓子がありますね(^-^) 安西水丸(1942~2014)「ちいさな城下町」、2014.6発行。20の城下町が紹介されています。