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事故で亡くなった一人の男が、住宅の強制立ち退き、嬰児の死体遺棄など、社会の暗部に直面しながら、自らの人生の意味を知ることになる。『兄弟』の著者による透明で哀切で心洗われる傑作。
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あとがきによれば「新聞報道の羅列であり、小説ではない」との批判があったとのことだが、このマジックリアリズム的なありさまが現実だというのもすごいことだ。さて、フアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』、ダンテの『神曲』を想起させるこの物語は、現代中国の一連の暗部を繰り広げながら、そこにほの見える人の愛情、善意、矜持を描いて感動的だ。
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余華「死者たちとの七日間」http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309206530/ … 読んだ、おもしろかった。移動の機内で一気読み。数々の信じ難いエピソードは南米ならマジックリアリズムと括られそうだけど、舞台は中国。幻想でも誇張でもない、日本人の想像を超越した中国の現実の、しかも日常(つづく
中国に衝撃を受けつつ、養親子の深く強い愛情と誠実であろうとする生き方に胸を打たれる。何度も泣いて洟をぶーぶーかんで、飛行機の中でものすごく変な人になってしまった。タイトルは原題の「安息の日」のほうがいい。あとがきで言い訳するくらいなら原題に忠実にしておけばよかったのに(おわり
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余華「死者たちとの七日間」http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309206530/ … 読んだ、おもしろかった。移動の機内で一気読み。数々の信じ難いエピソードは南米ならマジックリアリズムと括られそうだけど、舞台は中国。幻想でも誇張でもない、日本人の想像を超越した中国の現実の、しかも日常(つづく
中国に衝撃を受けつつ、養親子の深く強い愛情と誠実であろうとする生き方に胸を打たれる。何度も泣いて洟をぶーぶーかんで、飛行機の中でものすごく変な人になってしまった。タイトルは原題の「安息の日」のほうがいい。あとがきで言い訳するくらいなら原題に忠実にしておけばよかったのに(おわり
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原著の帯、現実のハチャメチャぶりに比べれば、小説のハチャメチャなんて大したことはない
中国の今を知る参考書 吉岡桂子
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現在の中国の問題を散りばめ、且つ物語として秀悦。訳も上手く、楽しめた。作者の才能に感服!でも、どうしてこんなに死に易いの?
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少々奇妙なこの物語は、主人公・楊飛(ヤン・フェイ)の「死」で始まる。理由はわからないが、楊飛は死んでしまい、葬儀場へと向かっている。生者の世界とはまた別に、死後の世界でも葬儀場へ行って火葬してもらう必要があるようなのだ。事情のわからぬまま、楊飛は指示にしたがう。
自分は誰で、なぜ死んで、それ以前にどのように生きてきたのか。
楊飛は死後の世界を歩きながら、記憶を辿り始める。
楊飛の前には、さまざまな「死者」たちが現れる。それぞれの事情を抱える死者たちはそれぞれの物語を語る。
また彼は自身の懐かしい人々にも会う。別れた妻。養母。ずっと探し続けている「父」。
楊飛はあの世とこの世の間をさまよい、どことも知れぬ「あわい」をさすらう。
死後の世界で将棋を指し続ける2人の男は、一方が他方を執拗に恨み、ついには殺してしまったという、「仇」同志といってもよい間柄である。だが永遠といってもよいほどの時間、じゃれ合いながら勝負に興じる2人の間に流れるものは、友情と呼ぶしかないようなものだった。
互いに恵まれた容姿を持ち、強く惹かれあい、思い合いながらも、暮らしはうまくなりたたず、貧困の極みに至る男女。罵り合い、傷つけ合って、片方が「あてつけ」のような形で自殺してしまう。しかしこの2人の間にあったのは、荒削りではあるが、確かに愛であったのだ。
思わぬことから赤ん坊を線路で拾った若い転轍手は、貰い乳をし、苦労しながら、愛情込めてこの子を育て上げる。長じて、これまた数奇な顛末で実の両親と対面が叶った男の子は、最終的には育ての父を選ぶ。血のつながりのないこの2人は実の親子に勝るとも劣らない情愛でつながれている。
「あわい」の世界は、ぼんやりした輪郭を伴いながら、骨組みが意外にしっかりしていて破綻を感じさせない。
死後の世界の描写に現実世界の回想を交え、主人公や周囲の人々の生き様を鮮やかに描き出す手腕は、マジックリアリズム的な見事さである。
だが、この物語の美点は、何よりも、湛える叙情にある。
ヤミ臓器売買や大事故の隠蔽、地下の貧民屈や「医療廃棄物」の不法投棄。途轍もない貧富の差や蔓延する汚職。現代中国の社会問題をいやというほど盛り込みながら、同時に非常にロマンティックなのだ。
それは描き出される多様な形の「愛」のゆえなのかもしれない。
終わりから始まる物語は、どことも知れぬ虚空の地へと、淡く着地する。
収束でありながら、同時に拡散も感じさせる結末である。
それは、幽かな気配を残し、読者の記憶にも物語の痕跡を残す。ある種の楽園とすら思える、虚空の地のポートレートとともに。
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余華の創作意欲は留まるところを知らない。
1作ごとに新境地を開いている。
死者があの世とこの世の間で、すこしずず幽霊になりながら
この世を歩き回る。
決してありえないことを、小説ならではの手法でえがく。
そして中国の社会の暗部や矛盾を照らし出す。
また純愛あり、親に対する感謝の念もあり
悲しく、せつなく滑稽で感動的な作品となっている。
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著者の作品を読むにつけ、この著者が人々の悲哀を淡々と紡いでいく世界観に引き込まれてしまう。悲しみのなかにもた魂の救いの様なものが残されている。
幸福や不幸といったものは、社会情勢によって大きく影響される。しかし、著者の作品を通して、どのような社会に生きようとも、どのような時代に生きようとも、ひとを思いやることが魂の救いにつながると感じることができる。
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先日読んだ著者の本を読んでみました。
墓場を 用意していないと
成仏できない という 考えが 広くあるのかな?
中国で 抱えている問題を
うまく ストーリーに 入れて
まとめていました。
貧しいとか
豊かとは 何かとか
人生とは 何なのだろうかとかを
考えさせられる お話でした。