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下巻、いいです!
盛り上がってきます。
縄文人青年のウルクが、一人で旅だ立たなければならなくなり
たくましくなっていくウルク。
冒険のようでワクワクし。
現代では、縄文人男性と一緒に弥生人女性の人骨が発見される。二体はしっかりと手を重ね、互いに顔を向け合った姿で。
なぜ?時代の違う、縄文人と弥生人が一緒に発見されたのか。
謎が生まれてくる!
縄文時代から弥生時代に移った境とは??
狩猟生活がいきなり農耕生活に変わるものなのだろうか!?どのようにして縄文時代から弥生時代に移っていたのか。
そして二千七百年近く前のこの男女にいったいどんなドラマがあったのか?
面白い!
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縄文人と弥生人、歴史の中でしか見たことのない表現だけど、彼ら・彼女らもまた日々を精一杯いきていた。
涙があふれる。
現代の物語が挿入されていたけれど、もっと長くて内容があってもよかったのに~あまり丁寧にかいたら、フィクションじゃなくなってしまう事柄だから?想像を広げられる小説で、出会えてよかった。
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縄文人と弥生人の壮大な恋物語。
いやまさかそんな時代を描くとは。
まるで本当にその時代にタイムスリップしたような描写はほんと素晴らしい。
二千七百年前に生きてた人間にも一人ひとりドラマがあって、その結果自分たちがいると思うと感慨深いね。
「歴史をつくっているのは国家や政治や経済じゃない。
歴史は恋がつくっているのだ。」
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関東の地方都市で縄文人と弥生人の骨が同じ場所から発掘された。彼(縄文人)と彼女(弥生人)は如何にして出会い、そこで命を失ったのか。
現代パートと「その」縄文人のパートが交互に描かれ、最後にどう終結するのか?が読み進むうちの興味の中心に。
食糧の大量生産・大量備蓄が集落と集落の戦いを生んだという視点は面白かった。
設定から言うと、半村良ばりの大伝奇小説を期待したんだけれど、そこは無かった。
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古代人の骨は二つ。古代人たちになにがあったのか?古代とは?日本人とは?
村を追放され、自分で考え自分で行動しなくては生きていけなくなったウルクは、少年から成長していきます。
自分で行動すること、違う民族、いろいろ考えさせられる内容でもあるのですが、ウルクの冒険物語はもう単純におもしろく、止められず下巻も一気読み。
時代が交差する構成があって、単なる昔物語になっていない、そんなところがまたいいのかな、と思いました。
とにかく面白い1冊。
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下巻は一気。テンポよく臨場感十分。結末は途中の前振りどおりの悲劇。まだ素朴さが残る縄文人と進化した社会を持つ弥生人。人類はどんどん悪い方に進化しているのかな。新聞記者と准教授の挿話は余計だった気がする。
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縄文末期の少年の弥生文化との接触の物語。
古代パートはよくできていると思います。
アイヌ語を参照にされているようなピナイの言葉の固有名詞がうっとおしいと思いましたが、海渡りという弥生文化との言語の違いを明確にする効果が出ていて、素晴らしいです。
もちろん縄文と弥生という異文化社会の違いも分かりやすく物語化されていて、このような時代を扱った小説は読んだことがないのですが、十分面白い時代小説になっていると思います。
惜しむらくは、現代パートの位置付けが、古代パートの先行きのネタバレ以上にはなっていないことです。
ラストを古代パートではなく、現代パートにして、文明社会の進化の警鐘なり、覚悟なりを提示して終わればよかったと思いますが、発端だけ現代から始まり、全編縄文時代小説とした方が良かったのではないでしょうか。
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#読了。現代と古代とが切り替わりながら物語は進む。ダム工事現場から、縄文人の男性と弥生人の女性とみられる白骨が発見される。二人は手を繋いでいるようにも見えるのだが・・・一方、縄文人のウルクは村を追われ、弥生人のカヒィと恋に落ちる。古代の話の方が多く、興味深く読めた。
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紀元前七世紀、東日本―ピナイ(谷の村)に住むウルクは十五歳。
野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。
近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の噂でもちきりだ。だがそれは「災いを招く」と囁かれてもいた。
そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。
最初は入り込みにくかったけど、気づけば夢中でした。
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遠い世界の物語のようで、でも、SFの世界に迷い込むのとも違う。自分の血肉のどこかに、つながっているような。
2700年もタイムスリップして、むかしむかしの森の音に、風の温度に、血の色に、ヒトの思いに心馳せるときがくるとはおもわなかった。衝撃だった。
作家という能力はすごいなと改めて。これを映像や実体で目の当たりにしてしまうと、きっとその生々しさに耐えられないとおもうけど。すごく、奥のところにじんと響く物語だった。
縄文期と弥生期。そうだよなあ、時代はある日突然入れ変わるわけじゃない。江戸から明治だって、区切りはあっても、サムライはその日から消えたわけじゃないもんな。こういう、出会いはあったのかもしれないな。二人がどういう運命になるのか、冒頭から伏線は、知らされてはいるんだけれど、ラストは手に汗握って、二人の逃避行を祈った。その先につながる未来をいっしょに夢見た。
若い子が読んだらどう思うのかなあ。きいてみたいなぁ。
ウルクとカヒィの顔を思い浮かべて、なんども胸を熱くした。素晴らしいタイムトリップでした、オススメの上下巻。
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掟に背いたために村を追われたウルク。
これまでに超えたことのない山を越え、南を目指す。
熊との戦いは、ウルクが勝つと分かっていてもハラハラした。
やがて着いた南の村は、ウルクがいたピナイの村とはすべてが違った。
恋あり、冒険ありの、縄文から弥生に移る時代の物語。
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文明がはたして幸せをもたらすのか?を、現代の私たちにとっても痛い、と思うところを上手くつきながらも、きれいなロマンスになっていたと思う。そこは私の好きな荻原節ならではで、時にユーモアを交え、重くなりすぎないようになっていたと感じた。だけれども、この題材だったならとことんブラックな荻原さんを読んでみたかった気もする。
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ピナイの集落を追い出され、一人で生きていくことになったウルク。いつでも食糧が手に入るという不思議な「コーミー」(米)を求めて、巨大なヒグマと戦いながら、高い山を越えていく。
弥生人の集落にたどり着いたウルクの驚きがリアルで、縄文人の暮らしとの違いが分かりやすい。
安定した食糧供給が可能になったのとひきかえに、社会に階級が生まれ、他の集落との争いが生まれ、人々がそれまで決してしなかった、人間が人間に弓を向けるという行動が生まれた、というのは物語で読むと説得力と臨場感があった。果たしてこれは、進化したと言えるのだろうか。
異なる文化を持ち、互いに理解し合うことの難しい二つの社会。
共に孤独で、強く相手を求めるウルクとカヒィは、どちらの社会でも生きていくことはできず……。
時折挿入される現代編から、彼らの結末は予想がつくものの、やはり胸を衝かれる思いだった。幾百年、幾千年前であろうと、人が人を想う気持ちは同じなのだと、博物館に展示され記号で呼ばれる骨になった人間にも、かつてせいいっぱい生きた人生があったのだと、改めて感じた。
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壮大なスケールだった。想像の世界なので、どうしても、私の苦手とするファンタジィに近くなるのは免れない。
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12月-10。4.0点。
縄文時代の物語。現代と場面転換。
村を追放された主人公。弥生人の村へ捕らえられる。
稲作を学び、米を持ち帰ろうと画策するが。
縄文人の暮らしが、目に浮かぶような面白さ。
縄文とやよいの違いが、わかるような物語。さすが。
どんなジャンルを描かせても、非常に面白い作家。