紙の本
偉大な創業者ジョブズから偉大な経営者クックへバトンが渡されるとに何が起きるか
2020/09/27 11:53
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の関係者や関係文書の徹底した取材により、本書はとんでもないページ数になった。著者の懸念は偉大なイノベーション企業としてのアップルはスティーブジョブズから生み出されたものでその後継者となったティムクックはこの企業を維持できるかという点である。また、アップルの巨大化により生じた諸問題、すなわち、アップル製品の製造先であるフォックスコンでの過重労働問題、アプリの利用料に対する独占的立場の濫用、サムスンとの特許戦争は今後のアップルに対して重要な問題となり得るものである。この本が刊行されたのが2014年でそれから5年がたった今でもアップルに対する懸念は重要なリスクとはなっていない。また、アップルの業績面はいうことのない水準で気が付いたら時価総額世界一を競う状況になっているし、徐々に見えてきたティムクックが最も大事にすべき価値として個人情報の保護、個人の健康に対する重視の姿勢は巨大企業となったアップルにこそふさわしいものにも思う。この本が出た10年後にどうでるかが楽しみ。
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アップル創業者スティーブ・ジョブズの仕事の仕方と、その副官ティム・クックの仕事。そこから出てきていた問題点。中国工場での労使問題、サムスンとの特許訴訟、創業者が亡くなる前から問題は発生していたこと。そしてティム・クックがCEOとなってからのアップルの今に至るまでの苦境が書かれています。
ipodなど革新的な商品の発表が止まり、創業者で有名すぎるスティーブ・ジョブズが亡くなり、アップルファンとしては「これから」が非常に気になっている状態だと思われます。他社から魅力的な(今はまだ価格的にですが)商品が出てきており、浮気したい気持ちも芽生えているかもしれません。本書では、その原因について、かなり踏み込んだ取材を元に解き明かされています。アップルの将来に不安があるのは事実です。いろいろな攻撃に晒され、アップル自身が抱える問題点も多いことも書かれています。しかし、その中からでも、革新的な商品を作らなければならないという使命は残っていることを感じました。
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(ジョブズが亡くなってから)一部の転職は「G2G」(Good to Great)と呼ばれている。ジム・コリンズが書いた『ビジョナリー・カンパニー2―飛躍の法則』の略称と同じだが、こちらは「グーグルへ行く」(Go to Google)の意味だ。
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著者は敏腕記者で、ジョブスの様態や新製品をすっぱぬいた経歴を持つ。著者も日本語を使えるらしいが、英語が原著でそれを翻訳者が訳している。
一言で言えば、ジョブス亡き後のアップルという会社の2年間の興亡史であり、かなり悲観的記述が多いためか、アメリカのamazonのレビューは★1つか5つの両極端が多いそうである。CEOのクック、デザイン面のアイブ、多くの優秀な人材が、中国の工場の限界やサムソンとの裁判などで、少しずつアップルが疲弊していく姿がよくわかる。
今後、どのようになるのかはまだまだわからないが、現時点では神話化されたアップルの成長伝説はなかなか厳しいものである可能性もあると認識した方が良いと思った。しかし、500ページの大作を読むのには、少々骨が折れた・・。
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大作ですが、ティムクックのアップル七転八倒操縦物語と言うべきか。自分も会社のトップになって10年になるけど、経営トップは決断することが仕事のほとんどだと思います。経営(マネジメント)はナンバー2でも出来ますが、大きな決断はトップしか出来ないし、理屈では無いと思える今日この頃です。
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アップルというのはスティーブ・ジョブズという希代のイノベーターが経営していたからあれほどの会社になれたのであって、そのジョブズがいなくなれば、普通にすごいという程度まで落ちてしまうという見方もあった。
一方、そのジョブズは「いつまでも続く会社を作ることに情熱を燃やしてきた」と言っているわけで、創業者よりも長生きする会社を作ろうとジョブズが注力してきたのだから、彼がいなくなってもアップルは大丈夫だという意見もあった。
いずれにせよ、ジョブズが亡くなった時点では、どのような予想も「当たるも八卦当たらぬも八卦」の世界でしかなかった。
ジョブズ後のアップルがどうなるのか、データがまったくなかったからだ。
だが、ジョブズが亡くなって2年あまりがたったいまなら、多少なりとも実績をもとにジョブズ後のアップルが予想できるはずだ。
著者の岩谷さんは、世界的な新聞であるウォール・ストリート・ジャーナル紙で敏腕記者として鳴らした人物である。
本書は、その彼女が記者時代に集めた情報に加え、本書のために改めて入念な取材をおこない、集められたたくさんの事実がもとになっている。
アップルの現状はどうなっているのか、未来はどうなるのか、多くの事実が全体的にしめされている。
世界中でアップルは訴訟を起こしているが、その過程を克明に記した記録はほとんどない。
アメリカの知財をめぐる熾烈な戦いの現実と、米国の裁判の制度、それに要する多大なエネルギーを理解し、今後の自社のグローバル戦略を考え行動するためにも役立つ。
また、フォックスコンを中心にした中国でのさまざまなエピソードは、日本の製造業/サプライヤーの方々がこれからのIT系グローバル企業とパートナーとしてつきあっていくために、リスクマネジメントの観点も含めてかなり参考になるだろう。
本書のもうひとつの読みどころとして、アップルのイノベーションやビジネスを実際に支えてきた副官たちの詳細な分析が挙げられる。
日本でも数多く発行されているアップル関係の本の多くは、テクノロジーや製品そのもの、そしてデザインの話が中心だ。
人の分析といえば、スティーブ・ジョブズのことがほとんどである。
スティーブ・ジョブズがあまりに目立ち、そして神格化されてきたので(加えてジョブズは、よく知られているように、人のアイデアを自分の手柄として話すタイプであったこともあり)、優秀な副官について子細に書かれたものはこれまでほとんど存在しなかった。
影でフォックスコンの工場労働者(多くは中国の農業労働者の子息)から血を振り絞って、其のくせ、一切を隠し、ひたすらブランドコントロールを行う。
アップルを裸にした良書でした。
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スティーブ・ジョブズ亡き後のアップルがどうなるかについての本。著者は日系の女性敏腕記者で、しっかりとした取材に基づいた本(日本語もできるが、本書は英語で書かれて、翻訳者により翻訳された)。ジョブズが肝臓移植手術をしていたのをスクープしたのが著者だという。アップル社から反論があって話題になったが、単にセンセーショナルさを求めた本ではない。ジョブズ後のフォックスコンの工場の労働環境の問題や、Samsungとの不毛な特許争いが関係者への取材を通して詳しく解説されている。
ティム・クックはうまくやっているが、「アップルの未来を描く人物としてクックが最良の人物なのか」というのが著者の疑問となる。たとえば第6章のタイトルは「ジョブズの影と黒子のクック」である。ジョブズがいる間は彼らは完璧な補完関係にあり、うまく行っていた。そして、ジョブズ亡きあと、幹部の間での綱引き含めて問題は鬱積している。実際にアップルを辞めてGoogleに行くものも多いらしい。
ジョブズは、クックへのCEO職の引き継ぎに際し、「僕だったらなにをしただろうかと考えないでほしい。ただ、正しいことをすればいい」とアドバイスをしたという。正しいこととは果たしてなんだろうか。会社の業績としては素晴らしい結果を出し続けている。起業価値もジョブズ後も増加している。それでも、著者は凋落の気配を見る。それは著者が過去その取材対象としてSONYの影を見ているからなのだろうか。「スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか」と帯に書かれているが、正しくそれがわれわれすべてが知りたいところだろう。そして、結果として時がそれを教えてくれるにしても、先にそれを知りたいのだ。
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ある時期のAppleは奇跡だった。
過去形なのが残念だけど、永続したらそれは奇跡ではない。いちAppleファンとして、まさにイノベーションのジレンマを体感させてもらってるんだな、と自分に言い聞かせ、そしてこの先もApple製品を無視出来ないんだろうな!
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ジョブズ復帰のアップルの最も大きな改革は、在庫整理と規格の統一、サプライヤーの重視など、「アタリマエのこと」をやり遂げたことで、これらは「良い戦略悪い戦略」に書かれている。
ジョブズやクックの人格やエピソードはアップル帝国の存立とほとんど関係ないと思われるし、中国工場の悲惨な労働現場の実態も、アップル一社の問題とはいえない。
いまいち焦点が合わないのに、非常に長い。
ノン・フィクションを謳い、しかし物語でまとめているテクストに、私が最近激しく嫌悪感を持っているからこういう感想になるのかもしれない。
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500ページ超もあるジョブズが死ぬまでと死んでからについてのアップルについての本。著者の名前が日本人っぽいので元から日本語で書かれた本かと思ったら翻訳本だった(アメリカ育ちだけど、日本語は分かるよう)。
ジョブズの車にはナンバープレートがついていなかったということを初めて知った。州法で購入後6ヶ月以内に取り付けるよう定められているようなのだけど、ジョブズは6ヶ月ごとに乗り換えていたらしい。ジョブズだからこそできることだな・・・。それと、ジョブズはWWDC2010でWi-Fiをすべて切るように言っていたらしい。いろいろすごいなこの人は。手術をすぐにしていれば今でも死なずに生きていただろうか(こればかりは、アホだろジョブズと思った。菜食主義とかはり治療ってなんだよと)。なお、死ぬ直前の最後の言葉は「うわぁ。うわぁ。うわぁ」だったとのこと。もうそれは言葉といっていいのかどうか・・・。苦しんで亡くなったんだろうなということが分かって悲しい・・・。
この本を読んで、フォックスコンという会社がすごいということが分かった。自殺者も出てるようだし、低賃金だと嘆いてる人もいるようだけど、これだけの規模の会社があるのかと驚いた。福利厚生も悪くなさそうだし、賃金や就業時間も改善していっているらしい。創業者のテリー・ゴウという人はアジアでは超がつく有名人なんだそう。知らなかった・・・。
たいして、サムスンはいろいろひどいと思った。製品はすごいのだろうけど、思想がいろいろひどそう。ただ、やっぱりこの会社もなんだかんだですごい。この本を読む限りではサムスンがアップルにとっての最大のライバルのようにも思えた。まあ、長いこと裁判で戦ってるしそう見えるのもしかたないか。なお、2012年末において世界のスマホ市場におけるサムスンのシェアは40%近くなのにたいして、アップルは25%なんだとか。日本にいると全くもって実感できないけど。
なお、ジョブズと違って現CEOのティム・クックはあまりお金を使わないようで、家も普通の広さだし車も中古らしい。下着はセールで買うのだとか。それと、ずっと独身でガールフレンドもいないよう。ゲイというウワサもあるらしく、ゲイ・レズビアン向けのアウト誌という雑誌のマニュアルパワー50というので3年連続1位なのだとか。なお、本人はゲイという噂を肯定も否定もしていないらしい。
最後の外村仁さんの解説は半分近くが著者についての話だった。すごい人らしい。なお、この本の原著はティム・クック自身が「ナンセンス」というコメントを出してるよう。話題になったんだろうなぁ。
アップルといえば先日、iPhone6が発売されて、iOS8も発表されたわけだけど、iOS8は不具合ばかりでまたもや「ジョブズがいたら...」とかなんとか言ってる人をよく見ますが、ジョブズがいなくなってからずっとこんな調子なんだろうなということがこの本を読んで実感しました。来年にはずっと噂になっていた腕時計型端末が発売されるわけだけど、どうなることやら。よくよく考えたら、ある意味Apple Watchがジョブズの死後初めての新製品となるのか。まあ、これだけ話題になってるうちはまだいいんだろうけど、これからど��なっていくか。
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ジョブズまで、を描いた本は多数あるが、ジョブズ後はなかなか分かりにくい。アップルに対しては悲観的な見方に終始しているので好き嫌いがはっきり分かれそうな内容ではあるが、最近の動向がよくまとまっており読みやすい
クリステンセンによると、大企業では創造的破壊が起きにくい。既存の製品の改良を際限なく続け、やがてそれはプラトーに達する(iphone にこれ以上の解像度もメモリーも速度も、向上すればもちろんありがたいが、製品の魅力をとても高める、というものではない)。そうしているうちに、粗悪な後追いとして出てきたもの(アンドロイド)がより一層のスピードで改良を続け、先行者を駆逐してしまう。ここで、ソニーが挙げられているのはややショックだが、アップルも同じ道を辿っているという。
ジョブズはクックに「僕だったらなにをしただろうかと考えないでほしい。ただ、正しいことをすればいい」と言ってCEOを引き継いだそうだが、クックはやはりビジョナリーではないと感じている人が多数だろう。失敗に対して容赦がないので、イノベーションが起こりにくい。
ジョナサン・アイブのデザインこそがアップルをアップルたらしめているものだと思うのだが、、、新体制になってからは、アイブがユーザーインターフェースも担当することになったそうで、次の製品を期待をもって待ちたい。
・カリフォルニアの州法では、新車は6ヶ月以内にナンバープレートを取得しないといけないので、6ヶ月ごとに同じ車をリースし、新車に乗り換えることでナンバープレートのない状態をずっと維持している。
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断片的には知っていた裏面がよくまとまっていると思うが,若干重複感が否めない箇所もある。
p.68の「ゴシラ」は「ゴジラ」のことか?
固有名詞なので「深せん」でなく「深圳」と書いて欲しかった。
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たらたらと長々と話が続いて、後半まで集中が続かなかった。もう少しコンパクトにまとめることが出来ると思うんだけど・・・ で、果たしてこの先どうなりますやら
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アップルの将来性の何が問題なのかを知りたくて手にしたが、その直接の記述は後半の1/3だった。
事実を裏付けするためにインタビューや裁判のやりとりなど記述がとても多いため、500ページを越える大作となっている。アップルのことを少しでも多く理解したい向きにはいいかもしれないが、(本の返却期限が今日までで)そこまで付き合っておられないので、今回は半分くらいはスキップした。
現在の自分の仕事がアップルに依存している(=iOSアプリの開発)なだけに、最後に近くなると、読んでいて苦しくなってきた。僕はWWDCの講演をジョブスがやっていた5年くらい前から毎回ネット動画で観てきているが、たしかにジョブスもクックも"Amazing"と"Excellent"を連発するのが鼻についていた。でもそれが最近はとくにたいしたことでも無い改良に連発されるので、強く感じていたい。
Macのほうは、昔から今まで(スカリーがパフォーマーというしょうも無いものを売った次期を除いて)Windowsより優れているが、コストパフォーマンスが最も良いものではなく、シェアは一部、というスタンスを取ってきた。
iPhone/iPadもそのようになりつつあるのかもしれない。
iWatchも期待して準備するほどのことはなくて、それよりAndroid対応、または、HTML5による開発を考えた方がよいのかもしれない。
本書で紹介された「イノベーションのジレンマ」と「アップル帝国の正体」を読みたくなった。
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i Phoneで有名なアップルの本。創業者がいなくなったアップルはどうなるのか?多くの人のインタビュー、取材、考察が掲載されてます。