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2017.5.5
山崎洋子さんの自伝。
本の帯に書かれているように幼い頃からたくさんの辛い経験を重ねてきたことが記されている。
辛い思い出は記憶からなくなるというのはよくわかる。こうして自伝にして思い出し自分の生きてきた軌跡を愛でることを私もしてみたいと思った。
山崎洋子さんほどではないけど、幼いときに父を亡くした私は恋愛や家族に対する気持ちや、死に対する気持ちが他の人とは違うと感じることがあるなぁと大人になってから気づいてきている。
父の記憶はほほないに等しいけど3歳なりにきっと心で感じていたはず。大切な人も永遠ではないこと、楽しい時間もいつかなくなること、男性に対する行き過ぎた期待感、悪いことをしていても誰か(父)にみられているという感覚、死ということへの冷静さ。
言葉では表せないけど、年相応ではない感覚を小さいうちから持っていたようにおもう。
人の生い立ちは人の人格や他人との関係性、家族との関わり方に必ず影響を与えていると思うけど、私も自分が生きてきたこの人生を愛おしいと思えるようになってきた。
同時に母への感謝の気持ちもますます強くなる。
共感できる部分が多々ある本でした。