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言われていることはわからないでもないけど、やはり自分の感覚とは飛躍している部分が少なからずあるなぁ。
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日本の国際政治学者は親米派。ほぼ全員。
ケネディ大使が和歌山のいるか漁を批判したのは、文化の内部にまで入る極めてデリケートな問題。
中国という巨大な経済パワーをアメリカが無視できなくなった。
日中戦争は中国が勝利したというよりも、日本が勝ちきれなかった。ベトナム戦争の時のアメリカと似ている。日本はアメリカに負けたということを魂の奥底までない面かしているがゆえにアジア諸国に負けたということを認めることができない。つまり敗戦の内面化の代償としてアジアに対する敗戦の否認をし続けてきた。
冷戦期は韓国は日本に対して植民地責任や戦争責任を露骨に追及することは避けてきた。国内で押さえ込まれていた。しかし冷戦が終わって韓国でも民主化運動が高揚してくると、それまで沈黙を強いられてきた人たちが被害経験を語り始めるようになった。
朝鮮半島が統一するのは、日本と中国が戦争して、統一が中国の側について、日本と戦うこと。
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戦後日本、戦後世界を分析したもの。
親子ほど世代の違う2人の対談。
面白かったがこの本だけではわからない。
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今の日本の危機的状況について、日本の戦後史を振り返りながら縦横無尽に語り尽くす対談。自分が悶々と感じていたことをズバズバと恐れ知らずに殆ど言ってくれちゃっているので、もし自分が今の日本の政治についてどう思っているか尋ねられたら、下手な事言っちゃうよりは、この本に書いてある通りに感じてますって答えた方が早い。
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平和憲法を受け入れるかわりに、国体護持が許された、という見方には大いに納得する。つまり戦争に負けたということで、何が正しく何が正しくないか、という議論ではないということだ。歴史の見方はそういうことだろうと思う。だから、集団的自衛権を認める解釈変更と、歴史修正主義は両立し得ないということがわからない安倍晋三は頭が悪いということだ。まあ自分は、首相に返り咲いてすぐに靖国神社に参拝した時点で頭が悪いと思ったけどね。
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対談形式で、様々なテーマが語られますが、いずれにしても「日本はやばい」ということで、それは皆気持ちとしては同感しているわけです。
ただ、語り口がどうも説教的になっているので、素直にうなずけないというか・・・。
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主義や思想に同意するとか、そういう問題は別にしておいて、日本の思想史を知り、流れを知ることで、現在の状況を理解する助けになる。
特に過去の大物たちの思想的な相互関係は興味深く、一面的な捉え方ではわかりにくかったことが納得できたりした。そういう意味でも、賛成反対という自らの意見はさておき、良い本だと思う
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白井氏は永続敗戦論の著者で左翼系社会学者。しかし本当に全うな考えの持ち主で、指摘は的を射ている。経団連の米倉会長が福島原発の爆発を見ながら、原子炉が地震と津波に耐えて誇らしいと言ったことについて殆ど狂人に近いと言い、自民党やネトウヨが伝統には何の興味も無く、天皇に対して驚くほど敬意が無いとして、現在の右傾化の軽さを指摘。安倍総理が何回も河野・村山談話を継承すると表明せざるを得ないことをマゾヒストかと思うが、単に頭が弱いだけと切り捨てる。また、反原発デモが最高潮になり、国会前道路を国民が解放したことについて、あれを機に警備が格段に強化され、封じ込められたが、それは権力側が国民運動に恐怖を覚えたことであり、それ自体は小さなことだが、そのような事を何回も繰り返す必要があると述べた。さらに小沢一郎氏について、二大政党制を目指す態度を評価している。小沢氏がかつて自民党を割ったこと(これはソ連が崩壊したため必然があった)、そして現在は「あなたは殆ど社会党ですか」としつつ、二大政党制を志すならば新自由主義と対抗するナショナルな社会民主主義しか有り得ないとする。また沖縄問題は沖縄独立に言及していた。私のお気に入りでもある、カヌチャベイリゾートは辺野古基地移設が成れば観光地として終わりと指摘してあった。全て腑に落ちる事この上ない。白井氏が一番伝えたいことは、今まで連綿と築き上げてきたおかしな文明を維持するために間違ったことをやり続け、一向に悪びれる様子が無い政権に抗うため、震災の衝撃を素直に表現し、政治の場に移しトラウマを受け止めよう、とのことである。笠井氏も今からうんざりすることは、もし日中戦争が起これば、結局は日本の敗北となり、今のネトウヨ連中が真っ先に対中迎合派となり中国賛美を始めるであろうことだそうだ。当の笠井氏は中国が攻めてきたら反戦主義を捨て、ゲリラになって徹底抗戦するしかないと言っているのに…
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右、左がはっきりしていた時代に比べて、どちらも勢いがない。そういう状況を「劣化」と称するのは、わからなくはない。方向を模索中の日本に対して多角的に論ずる。
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『転換期となる八十年代後半からは、RPGの「ドラゴンクエスト」が大流行しました。僕は「ドラクエⅤ」までプレイしましたが、あれこそ現代的な教養主義だろうと思っていた。
ドラゴンをたおし、王国に平和んもたらすという最終目標に向けて、呪文を覚え、金を稼いで武器を買い、経験値を高めていく。
これって、労働と教養を背中にしょって山頂を目指し、営々と山道を登り続けるヘーゲル主義そのものじゃないですか。
実際、ゲームをクリアするためには、コントローラーのボタンを押し続けるという「労働」が必要なんです。
……
興味深いのは、ゲームの中で懸命に獲得した能力のすべてが、ドラゴンを倒して頂点を極めた瞬間に無効になってしまうことです。
呪文の「ギラ」も「メラ」も、ゲームの外に出ればなんの意味もない。「ドラクエ」という教養主義は底が抜けていました。その作り物性、クリアしたあとの空虚感や無力感がまた現代的だったんでしょう。』
いいね〜、笠井節。笠井先生は推理小説も論考も面白くて素晴らしい。
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これまでの国家が軒並み崩壊すれば、世界中の個人同士が有機的に結び付いた平和な世界が誕生するとでもいうのだろうか。
我が国の右翼、左翼共に厳しく批判しつつ、得意分野ではやたら細かい議論をするかと思えば、原発、沖縄関連などでは、頭ごなしの結論を押し付けるが、結局現状に対する具体的処方箋は何ら示されない。
新旧アナーキストによる放談録といったところか。
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白井聡は初めて読む。わりと真っ当な思考の人かな。
笠井潔は60-70年代の話するときが一番面白いなあ。
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笠井潔氏のミステリは大好きなのだが、作品と作家の思想が別だというのはもう散々思い知ってきたこと。
「見たくないものを見ろ」と、最悪のケースを提示し、不勉強をなじる。ごもっともなのだが、知識人の方々の例に漏れず「ネトウヨ」というレッテル貼りと憎悪、政府を馬鹿にする態度はちょっといただけない。
彼らの言う「反知性」が何なのか良くわからない。「俺たちの思い通りにならないもの」ということなのか?
「俺たちは頭が良く、あいつらはバカだ」という認識は、本書で語られるある種の人達と同じ思考形式ではないか。相手も普通に賢い人々だ、という認識を持たないと、実は自分たちがもっと頭のいい誰かに操られているのだとしても気づかないだろう。
批判する時に「聞いた話」「噂」ばかりが根拠になってるのも思考バイアス感が強い。
彼らの理想である主権国家の超越の実現にはネットの利用、ネット住人の協力は不可欠だろうに、それらを敵視してる。
仲の良い人たち同士で思念がグツグツ煮詰まっていくさまは「オタク」の深化と違いがあるのだろうか。