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紙の本
軍艦島に訪れたあと読みました
2016/10/29 11:23
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投稿者:坂の下の落人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はかつての軍艦島(端島)の住人にして、NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」の主宰者。世界遺産といった流行りもの便乗感や「廃墟」建造物への愛とは違った軍艦島への真摯な思いが伝わります。
個人的にも「廃墟」というより、ここでどんな生活が営まれていたのかということに興味を持ち、手に取りました。世界遺産になるまでの紆余曲折が、著者の人生とともに語られています。旧高島町との確執やご自身の破産のことなど、ご苦労されたことも包み隠さず書かれています。
最盛期には5000人が生活していた人口密度の高い島には、濃密なコミュニケーションや繋がりがあったといいます。とても真面目な、住人や歴史を尊重した内容はもちろん悪くはないのですが、もう少し突っ込んだ負の側面なども知りたくなります。若干教科書的というか、ガイド的で、渡航時にもらったリーフレットやガイド説明からもう少し深掘りした内容を期待してました。
三菱の企業城下町というより、会社の作業場に住み込み寮ではなく街があったというべきか、その感覚が想像しにくく、だからこそそこでの生活にとても興味が湧きます。第二章「島に生きて」、第三章「それぞれの端島」のパートがお薦めです。
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