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イスラム圏でも何とかお酒を手に入れるため奮闘するというルポ。どこの国でも酒飲みは通じ合えるのだなあ。イランの章がとくに好きだった。
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酒への執念と、イスラム圏の人々も酔っぱらえば世界中の人々となんら変わらないことがよく伝わってくる。準アル中と自称してるが、立派なアル中だろう笑
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何でわざわざ喧嘩売るような事をしに行くのか気になって覗いてみたけどもうだめ、冒頭から笑いが止まらない。
寝る前の一杯ならぬ一冊と決めていたけど、興奮冷めやらぬですぐには寝付けなかった笑
それに喧嘩を売る為じゃなくて取材先でも飲みたいというシンプルな理由だから何だか憎めない。(何とかしてありつこうと必死になりすぎるのは感心できないけど…)
写真の現地人達に太めの目隠し線が入っているのを見ても、彼らを巻き込んで危険を冒していたことがよく伝わってくる。(それとは相反してどの写真もご満悦顔な著者…)
イスラマバードの「ドクターゴー」や「パーミットプレイス」事情は今思い出してもその異常さに笑けてくるし、チュニジアの本格的なロゼ・ワインやトルコの初代大統領も夢中になったと言うラクには純粋に興味が湧いた。
その反面、恐らく内戦前に訪れたと見られるシリアの開放的な空気に触れて沈んだ気持ちになる。ソマリランド回は怪しさ満点、また別の著書で訪問しようと思う。
変わった、誰も手を付けないようなテーマで物を書く著者だからイスラム圏に行っても外国人観光客より現地の人が集まる場所で一緒に楽しく飲みたいという。
世間のマイナスイメージが色濃いイスラム圏を選ぶのも、良い面も絶対にあるはずと信じているからこそ。飲み助によるイスラムルポでありながら、世界平和の片鱗すら感じてしまう不思議。
自分の周りにも飲み助は多いけど、飲み場所(?)や酌み交わす相手を気にしない著者には遠く及ばんでしょうな。
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※編集中につきまとまりのない文章、悪しからず
○カタール ドーハ
イスラムは「公共」という概念をとても大切にする。
イエメンでは乗合バスが混んでくると、目的地でなくても男性は車をおり、女性のために席を開ける。
我々が抱く「ムスリム」のイメージは現実だと違ったりする。女性は家族・親族の男性なしに外出が出来ないし、買い物一つとっても女性では店の人と交渉ができないので男性は常に女性について店の人とのやりとりや荷物持ちまでやらさせる。女性もあれやこれ男性に頼む。
レストランで男女一緒の入店が認められないことに、日本人としては違和感をもうかもしれないが、女性も男性も、お互いが公共の場で担う役割から解放されるためか、皆伸び伸びするようだ。
○2007.6月
パキスタン、イスラマバード、ラワルピンディ
パキスタンは、アフガニスタンのイスラム過激派タリバンの生まれ育った場所であり、イスラム法に厳格なことでは横綱、大関級である。
「ドクターゴー」の街 医者の診断書があれば飲めるので「この病気の治療にはアルコールが必要だ」と診断してもらう人もいる。
飲酒よりもマリファナなどの薬物をしている者の方が多い(もちろんマリファナも違法)
現地の大学生、「クマと犬の戦い」が非常にウケているらしい。
○アフガニスタン カブール
極度に治安が悪い。アルカイダなどのイスラム過激派グループや、前政権のタリバンがそこかしこでテロを繰り広げている
外観からなんの建物かわからないようになっている(パキスタンの方だったか?)看板も出てないし、大使館とかも分からないようになってる
○チュニジア
酒が手に入りやすい砂漠、というのが筆者の見解。他のイスラム圏に比べて酒は飲みやすい。
肉料理に合うように味は強いけれど、暑いので冷やして飲みたいということでロゼワインが普及(?)している
○イラン2009.2
ホメイニによる革命以来、世界で唯一イスラム法学者が最高権威とされる「神の国」であり、外国人観光客にも黒いスカーフを被らせ、イスラム過激派に武器や金を援助し続けている国。
イランの法律では酒は完全に禁止である。
電話の盗聴も行われている。
スーフィー イスラム神秘主義のこと。
(ペルシャ語だとダルヴィーシュ)
スーフィーは明らかにイスラムの一派だし、スーフィーの詩人であるルーミーは今でもイランで非常に尊敬されている。
しかし革命以降、イラン政府当局が原理化し、スーフィーを異端視するようになったそうだ。当時はスーフィーを本来のイスラムではないと弾圧するようになり、スーフィーからすればホメイニは不人気
人は皆気さくである。
女性は他のイスラム圏に比べて断然社交的
化粧も濃い
本音と建前の激しい国民性
○マレーシア2005.7 クアラルンプール、マラッカ
マレーシアはイスラム圏であり、多民族国家といえど、酒はどこにでもあるわけではない。飲めることには飲めるが、ムスリムであるマレー系のレストランや食堂にはない。
マラッカでも、洋風の外国人向けの店でなら、お酒は飲める。
○トルコ
イスラム圏では最も酒に寛容な国の一つ
それは、建国の英雄にして「国父」であるケマル・アタテュルクが政教分離を国是とした結果
特に国際都市であるイスタンブールではいつでもどこでも酒が飲めると思われているが、
モスクから半径100メートル以内では酒を売っては行けないのような(事実かは不明)ルールもある
イスラム圏では、たとえ飲酒を法的に禁止していない国でも、不特定多数の人が見ている公共の場では控えるべきという部分立が存在するため。オープンエアのカフェやレストランだと提供しないところもある。
ドルーズ派…シーア派の流れを汲んでいるが、酒、豚肉はタブーではなく、ラマダン(断食)もしなく、「コーラン」ではない自前の聖典を持っているらしい。
シリアとレバノンに住んでいる少数派の宗派だ
イスラム世界ではイスラムの一派として認められており、異端視もされていない。
シリアは反米の独裁国家
シリアでは酒を飲むのに苦労はしないが、トルコのようにどこでも飲めるわけではない。酒を出す店はキリスト教徒地区に多いようだ
ダマスカスの全人口の15%はクリスチャンだが、大学生のクリスチャン率は25%らしい。
シリアでは大統領はムスリムでなければならないと憲法に定められている。しかしクリスチャンの立場は決して弱くなく、クリスチャンの方が裕福でムスリムの方が貧困が多い?
ダマスカスでは普通に酒が売られている。酒屋もある
○ソマリランド
ソマリランドは、なぞの未確認国家
イエメン、ソマリランドでは「カート」という特殊な植物性嗜好品を嗜む文化がある
ソマリランドではジンしか基本的にはない。ソマリ人はビールとジンが好きだがビールは輸送が大変だからだそうだ。
○バングラデシュ
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やはり旅は、その旅ごとの目的に加えて、いつもブレない自分のサブテーマみたいなものがあるとより楽しくなる。と改めておもう。
私でいうとなんだろう、市場とコーヒーと屋台かなあ。ああはやく海外旅行いきたいな。イスラム教国いきてえ。
あと、著者は別にこの本を書くためにムスリム国家に行ったわけでは当然なく、別の本来の目的の取材の片手間に酒探しをしているわけで、やはりサブテーマが強いとそれだけを寄せ集めて本になるという編集者の知恵。
私も面白く生きたい。
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酒を禁じるイスラム圏の飲酒事情は? それ以前に酒自体あるのか? その素朴な疑問に独特の切り込み方で答えを探ってゆくルポ。……というか、単に筆者自身がお酒が飲みたいだけの様な気も。とにかく、イラン、アフガニスタン、シリア等々飲酒が見つかれば逮捕されるような国々で必死に酒(密造酒、密輸酒、幻の地酒にいたるまで)を探し求める筆者の情熱に感動すること請け合い。
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高野秀行11冊目。彼の人生が辺境への紀行記録で綴られているとしたら、本書は「高野秀行外伝」とも言うべき本である。旅の途中いかに飲んできたのか、をカタール、パキスタン、アフガニスタン、チェジニア、イラン、マレーシア、トルコ、シリア、ソマリランド、バングラデシュと渡り歩き、語る冒険の物語である。
全ての章の冒頭に「私は酒飲みである。休肝日はまだない」という意味の「言い訳」がつく。彼は辺境の謎を解くために冒険をしていたのか、辺境の酒を飲むために冒険をしていたのか、わからなくなるほどの酒飲みであることが語られる。だとしたら、後世(ないだろうけど)「評伝高野秀行」が書かれるとしたら、本書は重要文献となることだろう。
何故「冒険」かと言うと、イスラム圏では酒は違法だからだ。ヘタをすると牢獄に入れられる。勿論、違法だから飲めなかったでは本書は成立しない。結果から言うと悉く飲めた。どういう経過で、どんな酒を、どう飲んだのかは、本書の白眉なので省略する。「あとがき」で高野秀行は何故飲めたか理由を2つ挙げている。(1)イスラムがやってくる前の土着の習慣を残しているから。(2)異教徒(少数民族)がいるため。である。この辺りが、高野秀行の本を人類学の成果として評価すれば、人類史への貢献になるだろう、と(私だけが)期待している高野秀行が面目躍如たる所以である。勘違いしてもらったら困るが、内容は学術書とは正反対の位置にある。
勿論、イラク戦争前後、シリア内戦前、ソマリア危機前後の、かなりリスキーな場所ばかり行っているから酒飲みの目的だけで行っているわけではない(むしろ彼は主目的は必ず別にあると主張している)。かなり苦労している。退屈な話は一切ない。実際、歌舞伎町のクスリの密売人や、池袋のサラリーマンの溜まり場や、下北沢の学生の下宿や、六本木で出会う政治家の娘と飲めば、現代日本の縮図を見ることが可能なように、本書を見れば、21世紀のイスラム圏の「飾らない生の現実」をかなり垣間見ることができるだろう。
ahddamsさんのレビューにより紐解いた。
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酒を禁ずるイスラム圏で酒を求める旅をする。
カタール・ドーハ、パキスタンからアフガニスタンへ、
チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ・イスタンブール、
シリア、ソマリランド(ソマリア北部)、バングラデシュを
巡ってわかった飲酒事情を描いた、ルポルタージュ。
海自の友が、中東派遣で上陸しても酒が飲めないんだよ~と
こぼしていた、禁酒のイスラム圏ですが、探してみれば、
実は酒はあるし、飲めるということを実証した冒険?体験談。
謎の動物捜索や妻との旅、行ってみたいな生のイラン、
ユーフラテス川の下見、未確認国家訪問などの珍道中。
しかも、訪れる場所は国情不安定、テロ、内戦の地が主。
厳しい現実を目の当たりにすることだって、ある。
そんな場所を訪れる行動の原動力は酒!
禁酒のイスラム圏でも著者は酒に関する勘と嗅覚、
情報収集能力の高さで、駆けずり回り、探り当て、
様々な酒に巡りあえています。
しかも現地の人々に突撃し、楽しく飲み交流するポジティブさ。
なんとも凄い人だ・・・仲間のカメラマン氏も同様に。
思えば、どこにも永い歴史が横たわっているから、
他民族が入り混じっていたり、キリスト教の存在もあるし、
そもそもイスラム教だって宗派がいろいろあるし、
禁酒だって歴史の中では新しいことなのですね~。
オアシスの手作り酒、トルコのラク、ドブロク、密輸酒、
ムスリムの地酒など、実際に行かなきゃ飲むことの出来ない
酒との出会いが、新鮮で面白かったです。
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私もお酒が大好きなので禁酒の国に行った時は辛かったなぁと思い出したし、よくあの国で飲酒したな…と驚きもした。これくらい現地に踏み込める人がいるから知ることのできる文化。本で読むなら安全で面白い。
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そこまでして酒を追い求めるか、とあきれるほど著者のお酒を求める執着がすごい。だからこの本がおもしろくなってるのだけど。お酒を通して出会った現地の人たちやあやしげな場所、自分の旅では絶対に出会うことはないであろう出来事が満載で、異世界・異文化が楽しめる。
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この人いつもトンデモないことするよね。
転んでもタダでは起きない精神がすごすぎる!
フセインは敵なのにフセインに似てるからサダムって呼ばれてるおっさんが、サダムって呼ばれて嬉しそうなとこ好き。
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著者のアルコールへの執着は、ハラハラするが刺激的で面白い結果に繋がってゆくので読んでいてとてもワクワクする。
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ひたすらに準アル中の筆者が、酒が禁忌とされているイスラムでどうしても酒を飲もうとする紀行。
酒への飽くなき努力、アホらしさに筆のうまさが光る。言語能力の高さも垣間見える
趣味を追求するのにコスパを求めない
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途中で読むのやめた。
イスラム圏て、やはりお酒を飲むのには苦労するのだなとわかる本ではある。
ただ、あまり筆者のノリにはついていけない。。
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酒が基本禁止のイスラム教国歌において酒を求めるという貴重な体験をつづったエッセイ集。
ただ、表現の綾とはいえアル中っぽさが出ているのは流石に見苦しいなと感じてしまった。