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内容(「BOOK」データベースより)
私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本―。女子高校生の空閑純は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意識を問う新シリーズ開幕!
10月5日~10月10日
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再読3回目。
この作品をミステリと捉えるか、青春小説と捉えるか、悩んだ。わたしの読後感としては、完全に後者。でも文庫版のあとがきによると、どんな読み方をしてもよい、とあったので安心。どうやら主人公の彼女のその後を描くシリーズ物になっているらしい。この1冊で終わってもいいのになぁとも思うけど、やっぱり続きも読んでしまうのでしょうね。
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有栖川有栖の新シリーズ第一弾(とは言っても最初に理論社からノベルスが発売されたのは四年前だが)、『闇の喇叭』を読了。
思い切った設定が面白い。この作品世界での日本は、いろいろと現実のものとは少し違う。まず国そのものだが、大部分は現実通りの日本となっているものの、第2次世界大戦の影響で日本は分断、北海道はロシアの統治となり、日ノ本共和国として独立。戦争の結果が現実とは違うのである。日本では探偵行為が禁止されていて、罪にはならないが方言も使うことが禁止されている。更に徴兵制まである。
主人公は空閑純という女子高生。ヤングアダルト向けのレーベル〈ミステリーYA!〉から出されたこともあり、青春ミステリらしさが感じられた。両親は共に探偵業を営んでいたが、母親は行方不明。空は父親と田舎で過ごしている。
この田舎で死体が発見される。殺人と見られ、指紋は徴兵制で登録されているどの指紋とも一致しない。本作はこの事件を巡って、作品世界の様相が描かれている。
トリックなどのミステリ要素も面白く、更に戦争の話を取り入れている辺りはただのミステリではなく、社会性の強いシリーズであるとも受け受け取れる。新たなこのシリーズ、現在第三弾まで発売されているが(文庫は二弾まで)、先が楽しみである。
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20141030読了。
謎解きが急に始まり、ストーリーが若干強引なきがした。
これからどうシリーズ展開されるのか、そこに期待。
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書き出しは面白く、舞台は北海道が独立国家として存在するというパラレルワールド。
広島、長崎だけでなく京都にも原爆が落とされ、日本が分断された代わりに朝鮮半島にあるのは1つの国家、などという設定は充分惹起力があり、またそのパラレル日本では私立探偵行為が禁止されている…、という前提もチャレンジングだ。
肝心のミステリーとしての要素は少しパンチが足りず、また謎解き、トリックの部分も決して秀逸とは言えないが、各キャラクターの魅力とシリーズの今後への期待を込めて、甘めの4つ星。
ただ、著者の有栖川有栖氏は元々この作品をシリーズ化することを想定せずに書き上げたそうだが、だとすると色々と未回収のものが多過ぎたのではないか?
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2014/11/20
なんだこれ?
違う歴史を歩んだ日本が舞台。
北朝鮮みたいに北海道が独立して対立してるんだって。
日本が朝鮮になったようでムカムカするね!
後半の謎解き部分はいいんだけど、それ以外が政治色強過ぎて気持ち悪い。
楽しくない。
こんなのヤングアダルトにお勧めできんわ。
私が最初に手に取った有栖川有栖の本がこれだったら他の作品は二度と手に取らなかっただろう。
火村シリーズ読みたい。
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私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本ーー。女子高校生の空閑純(そらしずじゅん)は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意義を問う新シリーズ開幕!
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空閑純シリーズ第一段。
シリーズ導入だから仕方ないかもしれないが、世界観解説じみた叙述ややりとりが多く、物足りなかった。
ミステリとしても、少し謎解きの過程がクドイ。
分裂した日本、探偵業の違法化といった設定は面白く、文章も読みやすいのだが、“明快な本格”という著者の好きな部分は見えなかった。期待してハードル上げすぎたか。
2
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日本が南北分断され、私的探偵行為の禁止された架空の世界。そんな日本の片田舎に住む女子高生が主人公の物語です。シリーズ化するつもりもなく、本作一編で終えるつもりだったというのは作者の言葉ですが、本編を読み終えてみると、明日へ繋がるような(希望があるという意味ではなく)終わり方をしているので、読者によっては気になるのかもしれません。私はこういう終わり方も好きですけども。
さて。
序章では、日本に原子爆弾が三発落とされたことが記述され、本章へと進んで行くわけですが、日本が南北分断されている背景もあって、主人公たちの住む土地にも閉塞感が漂っています。インターネット(作中では網絡)が利用されているのに、現代ではなく時代が古いような雰囲気ですね。
私的探偵行為が禁止された世界。
興信所の素行調査が禁止されている、ということかと思っていたのですけど(もちろんそれもあるのでしょう)、読んでいると警察が手を焼くような事件を解決する行為も含まれているようです。それでも、どういう理屈で禁止して、どういう風に取り締まるのかな、なんて思っていたわけですけど、思ったよりシンプルでした。この辺りも閉塞感を感じさせるところでしょうか。
推理小説ということで、殺人事件が起き、事件解決に向けて動き出します。
ただ、前述のとおり私的探偵行為が禁止なので、主に警察側からの事件対処になります。主人公たちも事件に巻き込まれて行くのだけど、そんな背景もあってずっと事件の話をするわけではないんですね。この辺りは、ミステリというより青春小説とでも言いますか、ミステリからは一歩引いたような感じなので、ちょっとだけ物足りないです。
また、提示された色々な謎が最後、一気に解決して行くというミステリ的爽快感もありません。もちろん、いくつか謎は提示されるんですけど、物語の途中で解決するので、ラストは少し寂しい。違う意味でもラストは寂しいけれども。
そんなわけで、普段ミステリを読み慣れていない人にお薦めかな、なんて思うのですが、ここでも一点気になるところがあります。
詳しくはネタを割ってしまうので書けないのですが、ミステリに慣れていない人には、ちょっと回りくどいというか、読むのが面倒だと感じるんじゃないかなあ、と思う描写があるのです。
作者曰く「ミステリというジャンルの幅を広くとって書いた」とのことですし、ミステリ初心者を対象にしているわけではないのでしょうから、それがどうしたということなのでしょうけど、青春小説の色合いも強いので、もう少し寄ってあげても良かったかな、なんて思いました。
とはいえ、本編を一作目として既にいくつかリリースされているようなので、そちらではどう変化しているのか色んな意味で楽しみな作品ではありますね。
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今更ながら有栖川さん新シリーズ! 冒頭からの架空の日本史が新鮮で興味深いです。絶望的に歴史に疎い自分は、どこまで史実でどこから筆者の空想に突入したのか自信がありません(笑) しかし、北海道民の読者さんからは、この設定は反感を持たれかねないだろうなぁ……。
高校生たちの少し甘酸っぱいような会話はいまいちピンとこなくて、「やっぱり火村&アリスのコンビが良いなぁ」と思っておりましたが、お父さんと純による会話になると俄然テンポが良くなって、「これこれ、これだよ!」と胸中ガッツポーズです。
世界観を巡るストーリーとヒューマンドラマの割合が大きいので、本格推理の要素が少なめなのがちょっと物足りなかったかも。シリーズとしては、推理小説というより冒険小説になっていくのかな?
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有栖川有栖の新シリーズ。
「探偵」が禁じられたパラレルな現代でのお話。こういうお話も書くんだなあ・・と失礼な感想。おまけに女子高生が主人公とか。むさい大学生とかおっさんだけじゃないんですねw
で。
これはこれで面白かったけど今作に関しては、まずは世界観の紹介とこれからはじまる事件のプロローグ的な感じの一冊かな。
この先どう話が展開していくのか楽しみです。
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『新装版 46番目の密室』に続き、有栖川作品五作目。独特な世界観で展開される青春ミステリと言ったカンジ。学生アリスシリーズみたいで好きだなぁ・・(^^* 今後はシリーズ化されて行くみたいだから、ソラが警察の眼を盗み(←ここが大事!)どんな事件や人達に出会い、成長して行くのか楽しみだ!
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タイトルと内容が一致しない・・・現実に近い下層社会が舞台です。探偵禁止の中での探偵行為。設定がおもしろく、この作品だけでなく、シリーズを通して読んでみたくなります。
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ロシアに北海道を取られた世界線の日本がなかなか地獄で怖かった。
今のとこ夢も希望もない!って感じだけど続き読んでたらいいことあるのかな。
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『わたし、探偵になる』
って、探偵 空閑純 誕生譚 的な位置付けの作品なのかなぁ。続編も早く読みたいなぁ。
個人的には、学生アリスシリーズが一番好きだから、またやって欲しいんだけどな。
探偵行為を禁じられたパラレルワールドの物語で、この辺の設定は古野まほろのセーラー服と黙示録シリーズ的な世界観でよい。古野まほろの方は聖アリスガワ女学校が舞台でおふざけも多いけど、有栖川有栖の方はけっこう真面目な世界観なんだけど、これまた独特で政治的なクセが強い世界観。