紙の本
新たな世界
2016/02/27 22:41
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投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来の世界が舞台になっています。
火村シリーズではないのでご注意下さい。
いつもの火村と有栖とのかけあいないですが、
謎めいたキャラ設定で物語は進みますが、
きちんとトリックもあるので安心して読んで下さい。
まだまだ先に続くような終わり方なので、
少し消化不良の感があります。
紙の本
空閑シリーズの1作目
2022/08/24 23:53
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投稿者:ルリノツキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
空閑純のシリーズ1作目という位置づけ
続編を先に読んでいて、後からの読了
SFチックなストーリーで
現実の日本とは違ったパラレル日本の設定
まず、その考え出された設定の日本が好きではないけれど
冒頭にその設定が提示されているので
引きずりながら読んでいく人が多そう・・と感じました
眉村卓のような荒唐無稽な設定でもスルッと読めてしまうものに比べると
随分と足かせがあるのはなぜだろう・・
この本を1冊目に読んでいたら続編は読まない人もいそうとも感じました
的確な解析は難しいですが
主人公周りの設定が無理に無理を重ねているようなそんな印象です
この作品はそんな印象ですが、
とは言え、有栖川有栖は基本的にはしんどい時や忙しい時も
サクサク読めるの好きです
紙の本
若き女子探偵の誕生の物語
2015/02/28 13:22
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投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
有栖川氏の新シリーズ「探偵ソラ」の第一巻らしいです。
読者も10代の若者がターゲットとのことで、この巻は謎解きより、ソラの青春、家族に主題が置かれています。ソラちゃんの今後の活躍が楽しみです。
ただ、背景の設定が個人的には嫌いです。
あくまでパラレルワールドの日本という設定なのですが、第二次世界大戦で敗北し、分割統治された日本は、北海道をロシアに占領され、北海道民は本土に侵略戦争を仕掛けてきているという設定です。なぜ、こんな設定にしたのかな?
今後の展開で、この設定が重要になってくるのかもしれませんが、少なくともこの本では、「徴兵制が敷かれているから、男子は全員指紋が取られているはず」くらいしか生かされていません。
パラレルワールドと言っても日本であり、作者の政治的、歴史的な思想が背中に透けて見えると、青春ミステリとしてはしらけちゃいます。
中途半端に日本にしないで、完全な空想の国家という設定にした方が良かったのでは?
紙の本
想定外の方向だったが、結構好き。
2018/11/03 00:57
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投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、物語の背景となる歴史や社会が、想定外の感じで驚きました。おー、SF読んでるみたい!って感じです。
そんな中で、高校生たちの思いや、今の日本でも問題になっているようなことが描かれていて、ところどころで胸が痛くなりました。
推理小説というよりは、もっと違う読み物的な風情が強い作品だったように感じますが、結構好きな作品になりました。
ちなみにですが、どこの県がモデルかは、ちゃんと当てられました(笑)
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私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本―。女子高校生の空閑純は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意識を問う新シリーズ開幕!
・レビュー
あらすじ紹介文うまいなぁ。この文量でまとめようとするとまさに上の要約になるね。ただこの文で想像するレベルよりはずっと面白い。この小説はヤングアダルト向けと言われているけれど、結構誰にでも面白く感じる内容じゃないかな。
でもそうはいっても、僕もできれば高校時代に読みたかった小説だなとは感じた。それともあるていど大人になった今のほうがむしろ良かったのか、青春時代に読みたかったと思うこと自体が楽しめている証拠なのかもしれない。そういう意味では、やはり十代後半から三十歳前くらいの世代が一番シンパシーを感じる小説かもしれない。
だから今作は青春ミステリとするのがジャンル分けとしては妥当だと思う。
ミステリは大別すると2種類あって、一つは古典や新古典といったストーリーよりもトリックを重視したりするもの。有名どころでは綾辻行人の『十角館の殺人』とか筒井康隆の『ロートレック荘事件』はこのあたりに分類されるかな。もちろんエラリー・クイーンやアガサ・クリスティーの一部作品もトリックの方が強いことがある。強いことのほうが多いかもしれない。未読が多いので断言はできないけれど。
もう一つはストーリーや動機、社会、事件背景、時代、そういうのを存分に利用した登場人物の心理情景に共感や感動の要素を詰め込んでいくミステリ、あるいはこれは上記のトリック型を内面的に持っている場合はある。トリックも素晴らしくストーリーもなかなかに深いというのはまれに存在する。世間的にストーリー重視なもので有名なのは貫井徳郎の『慟哭』とか道尾秀介の『向日葵の咲かない夏』とかかな。もっと解りやすいところだと東野圭吾や伊坂幸太郎のミステリはこのタイプだと思う。未読が多いからこれも断言できないし聞くところには『容疑者Xの献身』あたりはさっきちょっと触れた両面性を持っていたりするのかもしれない。でもやはりトリックは見破れる範疇かな。
この『闇の喇叭』は後者で間違いない。ストーリー重視であり、トリックはそこそこ、といった感じ。ただそこそことは言ってもなかなか凝った事件が起きていたりもするのでトリックや犯人当ての要素も楽しめるレベルだとは思う。ただしそちらに気を取られてストーリーがぼやけてしまうならば、いっそ謎解きは捨ててストーリー小説として読んだほうが感動できるんじゃないかな。
この小説には重要な要素が三つある。推理小説、探偵という存在への問題提起、青春、という三要素だ。
これらがバラバラにならずに綺麗に融合しているからこの小説は作品として高いレベルで完成していると思う。読んでいて僕が思い出したのは城平京の『名探偵に薔薇を』である。これは名探偵であるが故の苦悩を描きつつ、それと平行する形で推理小説的なトリックや謎解きが描かれる。二つの要素は融合はしているが本質的なところで分離されている。多分意図された分離で、分離しているからこそ両面が強調されていて傑作になり得た。
『名探偵に薔薇を』が隣り合わせる平行線的にテーマと推理性を融合させたとすれば、『闇の喇叭』は推理小説であり、そこに不可欠な探偵役がおり、それでいてそれが否定されるという青春がある、といった三重螺旋的にテーマの融合が成されていると思う。
それが成功しているのは、世界が我々とは違うからである。この作品の世界は、大昔に読者が生きているこの現実世界とは分岐して変化した世界である。つまりパラレルワールドだ。
冒頭を読んでいると「なんだなんだ?歴史小説かこれは」と思うかもしれないが、これは世界観の理解に必要な序章だ。ここを読み飛ばすとその後の「探偵」の特殊性が理解できない。
戦時中の描写であるが虚実入り交じる展開で、どこからか決定的に「歴史が変わる」のが判る。史実が変わり、今の日本とは少々違う状態になる。つまり何かが違っていたら、戦後はこうであったかもしれない的な日本なのだ。そのあたりが丁寧に冒頭で説明されていて、戦争の話だったりするのでちょっと嫌煙されるかもしれないが、ここを理解して、比較的簡単な本編に入ってくれればきっと楽しめるはず。
ちなみにこのような歴史の変化とともに発展してきた作中の日本では、私立探偵が法律で規制されている。私的探偵行為、警察類似行為、といった感じかな。つまり推理小説もよくないものとして考えられており、探偵をやっている人はバレると捕まる。そういう探偵が表立って行動できない世界だということだ。
だから、探偵の娘が主人公のこの小説が特殊な心情を抱えていることが判るだろう。これにより探偵が探偵でありながらその誇りを認められず、世間からは否定されている存在という、「そういう歴史の世界」が生まれる。だからこの作品の主人公は探偵という立場に対して複雑な心境を持ち、反発の力がある。これこそが現実世界でいうところの青春であると言っていいと思う。そして重要なのがこの作品はシリーズ一作目として、探偵未満の主人公の物語だということ。だからトリック的要素はレベルが決して高いとはいえない。だけれどもあえてその立場からミステリを描く探偵小説だからこそ面白い。主人公の成長が気になるという感覚、そこが魅力だといえる。
もっといえば、決して舞台がミステリ向けではないのだ。あとがきによるとモデルは福島の太平洋側の町のようだ。田舎の小さな町で起きる殺人事件、規模はとても小さい。だからこれは探偵未満の主人公の出発点で、これから探偵になるための物語である。次作を読めばそれが読めるようになっているし、ここでやめれば読者の想像の域にそれがある。
そしてこの田舎町で主人公が同級生たちと深めていく友情もまさに青春小説のようで面白い。ミステリが隣り合わせる青春というのがなかなか新鮮で、読んでいて楽しかった。
続きはブログで(http://x0raki.hatenablog.com/)
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探偵行為が禁止された日本を舞台に両親が探偵の女子高生、空閑純が地元で起こった殺人事件に巻き込まれていくミステリー。
まず設定が面白い! 太平洋戦争で北海道がロシアの占領下に置かれた日本が舞台になっています。またこれも突飛な雰囲気ではなく、プロローグでしっかりとそれに至る歴史的背景にも触れられているので無理なくそうした設定が受け入れられます。
単独のミステリとして読むよりも、強大な力に挑まざるを得なくなった少女の物語の序章という風に読むのが正しいでしょうか。
あとがきによると元々はこの作品をシリーズ化する構想はなかったそうですが、著者の有栖川さん自身がどんどん続編を書きたい思いが強くなって、続編刊行に至ったそうです。個人的には有栖川さんナイス! という感じです(笑)。ここで終わるのもなくはないですがやっぱり気になりますしね。
本格ミステリだけでない、有栖川さんの新境地になりそうなシリーズ作品です。有栖川さん作品では学生アリスシリーズが非常に待ち遠しいですが、そんな待ち遠しいシリーズがまた一つ増えてしまいました。とりあえずは次回作の来月の文庫化を楽しみに待ちます。
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ミステリというよりは成長物語というか、決意の物語という感じ。
一応シリーズものになってはいるが、当初は続くと考えていなかったようでこれだけでも“始まりの物語”として読める。
設定は面白いけれど、ミステリのトリックとしてはそこまでのインパクトはなかった。
でも、この作品はミステリのトリックよりソラのストーリーを重視しているのでそこまで気にはならなかった。
有栖川有栖の作品は本格ミステリというイメージが強かったので、作者名伏せられたらわからないかもしれない。
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有栖川有栖の作品としては珍しく、読みにくいなっていうのが正直な感想ではある。世界観がかなり壮大なこともあるからか。まあでも、その世界観の壮大さから、まだ物語のスタート部分ということもあるし、シリーズとしてどうなっていくのか楽しみ。
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史実と違う背景設定にどうも違和感。10代向けということで、社会への抵抗を表すため?理解不足なだけかもしれません。小説内史実に絡んだトリック、理由が続編で出てくることを期待して次も読みます。
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始まるところで終わるお話。
世界設定がかなり独特で戸惑った。
0から1へのお話。
ここで終わるのかと思ったらどうやら長いシリーズになるらしい。
これはその序章と言ったところか。
主人公がどう生きていくのか楽しみである。
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怖い本です。もし、が本当にあり得そうで怖い。こうなっていた可能性もあるし、今後こうなる可能性もある。ミステリといいつつ、政治小説としてもと思う。
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私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本――。女子高校生の空閑純は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意義を問う新シリーズ開幕!
先入観というか、無意識で読むとある意味危険な小説。
琴線に触れたセリフはこちら。
「自分探しって、どういうことだろうね。どこかに本当の自分がある、今のわたしは仮の姿だっていうのは、甘えじゃないかな」
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推理小説とはまた違うジャンルな気がする。
ソラが女の子ではなく男の子っぽいと思ってしまうのは私だけなのだろうか?
世界観は面白いし、まだまだ謎だらけなので続編を読もうか迷う。
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あとがきの通り、これは抵抗の物語。
予想していなかったからか、ところどころの怒りは激しすぎるように感じて戸惑った。
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作者の新シリーズということで気になってました。
探偵行為を禁止された日本という設定からなる世界観はなかなか面白いが、事件の内容やトリックについてはグッとくる感じではなかった。
最後は気持ちのいい結末ではなく、いろいろモヤモヤしているが、そこはシリーズ一作目ということで、今後のソラの活躍とその辺の成り行きに期待しながら次作以降を読みたいと思う。
個人的にはソラと父の日常や友達3人のやり取りをもう少し見たかったなあ。