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始終、大多和節が炸裂。目次を見ただけでも先生にしか書けない題材ばかり。サブカルチャー的要素も含んだ社会現象への着眼→社会学化→教科書化は、非常に新規性のある大きな仕事だろう。また、ねらいにあるように「身体感覚や現実感覚が社会的につくられてきたこと」の一部の要因が、重厚な先行研究を基に説かれている。
2年前に著者のこの講義を受講した。 http://ump.p.u-tokyo.ac.jp/courses/2014/1-6.html たいへん分かりやすい講義で、教わった統計の思想は今の仕事にかなり役立っている。質問紙の設計にかなりの時間をかけたのは、重要な意味があったのだと、後から思う。統計の技術より、問いと仮説の重さを知った。
本書を読了後、先生自身が「私は放課後の活動にも余念がなかったんですよ」とおっしゃっていたのを思い出した。また極めて個人的な思い出だが、加賀屋・本郷店で、M1前半に授業後に論文指導をいただいたことが、涙が出るほど懐かしかった。本書を教科書にした授業を受けたいものである。