投稿元:
レビューを見る
ある一人のカリスマを持った人物が死んだ事から、その信奉者たちが分裂し相続争いが始まる。歯止めであった大学教授が交通事故で亡くなった事で、とうとう殺人事件が起こってしまう。
書かれ方がどうしても新興宗教のようになってしまう。そもそも、そんなカリスマを持ってたら中小企業などに勤めないだろう。
ミステリ部分も動機が胡散臭い。犯人も予想通りで意外性がない。
全体的に今ひとつ。
投稿元:
レビューを見る
教祖の死で均衡は崩れた。後継争いの鍵となる「御子」をめぐって、住宅街を揺るがす連続殺人。ラストに待ち受ける驚愕の真実とは!?ミステリ界の奇才、渾身の書下ろし長編。
投稿元:
レビューを見る
数ある石持浅海作品の中でも、長編は石持さんにしか書けない作品が多い。『カード・ウォッチャー』以来の長編作品は、これぞ石持浅海という作品だ。
誤解を恐れずに言うと、石持作品の中でも長編は、登場人物に共感できない作品が多い。行動や思想、人間性に至るまで、突っ込みたくて突っ込みたくてしょうがない。おかげで肝心の謎が霞んでしまうこともしばしばである。
それでも石持作品を読むのをやめられない。僕はある時ふと気づいた。登場人物の誰にも共感させないのは、ある種の才能であり、作家石持浅海の持ち味なのだと。いつしか、共感できないほど嬉しくなるようになっていた僕は、間違っているだろうか。
会う人会う人誰もが魅了されたという、傑出した人物がいた。彼に惹かれるばかりに、「門下生」たちはこぞって近くに家を買うほどだった。その結果、彼の家を中心に「門下生」たちのコミュニティーができていた。ところが、彼が病に倒れ…。
おいおい、それってちょっとした新興宗…ゲフンゲフン。どうですか、設定を聞いた時点で既に共感できない。わくわくしてきたぞ。さて、教祖(違うってば)が死ぬと何が起こるか。そう、残された信者たち(だから違うってば)による勢力争いですね。
で、タイトルにある「御子」って何? と思ったあなたは鋭い。教団(違うって言ってんだろ)の主導権を握るには、「御子」の確保が重要なのだ。いやあ、びっくり。まさかあっちの世界に行ってしまうとは、さすが石持浅海は我々のはるか先を行っている。
謎を解くのはまったくの部外者だったりするのも石持作品らしい。設定的に『月の扉』を彷彿とさせるが、探偵役がまったく目立たない点で本作の方が完成度(?)が高い。「門下生」ではないはずの彼もまた、作品世界に同化しているのだ。
僕自身、この技術に関心はあるが、はてさて。
投稿元:
レビューを見る
+++
埼玉県越谷市某町―絵に描いた様に平和な新興住宅地であるこの町の住民の多くは、ある人物を師と仰ぐ集団の「門下生たち」によって占められていた。彼らは師亡き後も、その清廉な教えに恥じぬよう行動し、なんとか結束を保っていた。目覚めぬ遺児「御子」をめぐり牽制し合いながら…。しかし、かつて御子の生命を救った異端の研究者の死で、門下生たちの均衡は破れた。「私たちこそが、御子をいただくのにふさわしい」三つに分裂した各派閥によって始まった、熾烈な後継者争い。立て続けに起こる、凄惨な第二の死、第三の死。驚愕の真犯人が、人の命と引き換えてまで守ろうとしたものとは!?奇抜な状況設定における人間心理を、ひたすらロジカルに思考するミステリー界のトリックスター、石持浅海が放つ渾身の書下ろし長編。
+++
新興宗教ではないのだが、門下生と呼ばれる者たちがそれに近い心理状態にあり、星川という一会社員を崇める構図ができあがっていた。星川は普通の人間で、ただ真心から他人に接するという気質の人だったのだが、彼の急死後、彼を取り巻いていた人々の間に動揺が広がる。階段から落ちて亡くなった星川の前妻と、大怪我をし、九死に一生を得たが未だに眠ったままの、門下生の間で「御子」と呼ばれるひとり息子、そして恋人であり事実上の現在の妻・順子、さらには門下生間の派閥のにらみ合いのようなものが先行きを暗くしているところであった。そんなときに御子の生命維持に関わる研究者江口が交通事故で亡くなり、辛うじて保たれていた均衡が揺らぐことになる。たまたま江口の救命活動に手を貸してくれた深井が、まったくの第三者としての客観的な観察眼で、論理的に絡まった糸をほぐしていくのが痛快である。誰ひとり悪人がいないのに、不幸が連鎖してしまい、何か痛ましいような心持ちになる一冊である。
投稿元:
レビューを見る
新興住宅地で起こった事故をきっかけとして引き起こされる連続殺人。その核にあったのは、とてつもない人望を持った男の遺児である「御子」。御子を巡って張り巡らされるそれぞれの思惑。
これもまたある意味「特殊な状況」ミステリなため、その状況に入り込んで読むほどに真相にはなかなかたどり着けませんでした。たしかにその心情の方が普通といえば普通だったのかもしれないけど。盲点だった!
投稿元:
レビューを見る
タイトルと帯を見て、てっきり新興宗教の話だと思ったのだが、そうではなかった。宗教ではないと何度も文中でも言及されるのだが、じゃああれはなんだったのだろう。
例によって「特殊な状況、特殊な設定、特異な価値観」におけるミステリーをロジックで解決する、という話なのだろうか。人望の篤い星川という人物も謎と言えば謎の存在で、なぜそこまで熱狂的に支持されるのかが今ひとつピンと来ない。さらには「御子」という存在もまた、言葉と実態が一致しないために、登場人物たちの心情に同調しづらい。
しかし、閉鎖的な集団の中では、やはりあんなふうに権力争いが起きるだろうし、人間関係が歪んだりするんだろうな、と思った。そのあたりには普遍性を感じる。
っていうか、その「御子」を抱いたとして、一体どうしたかったのだろうか、という疑問は残るなあ。だって宗教ではないわけだから。
星川も謎だったが、探偵役になった深井という青年もまた謎だったな。
投稿元:
レビューを見る
とても石持浅海らしいテイストのミステリ。面白かった!
ありふれた街に紛れこむ、カリスマ性を持った人物と、コールドスリープという異物。かなり無理ゲーだろうに、そこを読者にうまく説明しちゃうのはさすが。
そして今回の探偵役は、ホームセンター店員。これがまた座間味くんみたいなキレキレなので、読んでいて爽快。でも今回珍しく、2人目が殺されるあたりで犯人わかっちゃった。
投稿元:
レビューを見る
石持氏は、いつも、ものスゴク現実的なのにあり得ない話しを書いてくれる。
これもそんな面白味が駆け抜けていった。
大勢の門下生に慕われていた「星川氏」、その理由というのが一番の謎だ。
投稿元:
レビューを見る
石持ファンなら受け入れられる設定かな。でもミステリー要素としては、あまり意外性なかったなあ。
石持初心者の方には、短篇集等で慣れてから読むことをおすすめします。
投稿元:
レビューを見る
不思議な設定
宗教ではないと言いながら
ほとんど宗教の成り立ちと変わらない
教祖が亡くなってしまった後に
どのように組織を存続させるか
さてさて、この後、存続するのかなぁ?
投稿元:
レビューを見る
一人の人物を「師」と仰ぐ奇妙な団体で起こった殺人。設定が面白いですね。宗教っぽいけど、宗教ではない。いっそ宗教団体でもトリック破綻しなかったような気もしますけど、それだと読み終わった後の印象が平凡になってしまうのかもしれないし。。。
しかし実際にこんな感じの理由で人は人を殺すものなんだろうか?犯人が「狂って」いたとしちゃうのも安直な気もするし。。。
投稿元:
レビューを見る
初期作品の作風に戻り、期待したのだが、もう一つ練りこみ不足というか食い足りない。説得力、意外性、どんでん返し、もう二つ三つ作れたと思うが。6.5
投稿元:
レビューを見る
石持さんらしいな~って話でした。宗教色?洗脳?ぽっさがやっぱりあった。
悪者いない、っていうかだから怖いみたいな。
私も「部外者」だから犯人はなんとなくわかったな。
トリックもいまいちだった気がする。
一つ言えるのは本当に星川さんがいたら私も会ってみたいわ。
投稿元:
レビューを見る
犯人は何故被害者を殺さなければならなかったのか・・・うまい具合に読者を誘導していた。
殺意の前提をうまく隠していたのは見事
投稿元:
レビューを見る
石持さんらしい作品。私には設定そのものが理解しがたかったので、作品に入り込めず。もやっとしたまま終わりました。