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「ストーリーとしての競争戦略」で有名な楠本先生が著名経営者を「好き嫌い」という切り口でインタビューした本。著名経営者達は「好き嫌い」が明確ですね。基本、この手の人たちは、自立した強力な自我とその自我に伴う強力な主張をもっているので、成功したとも言えると思うのですが、当然その傾向のご本人達の「好き嫌い」の明確さにも繋がっているということでしょう。
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・ その業界が問題を抱えているかどうかではなく、新規参入者に取って、どの問題がどんな意味を持っているか
・ 業種の魅力度を見極めるフレーム 企業間の競争意識、供給業者の影響力、客の影響力、参入障壁と撤退障壁、代替品(ハーバード戦略教室P47)
・ 「目標」≠「競争上優位」戦略とは独自の方法で市場のニーズを満たし、ステークホルダーに利益をもたらすためのもの
・ 経営者は自分の企業に取っての最前を考えるだけでなく、他社への影響へも気を配るべきだ。
・ 「値段以上の価値」を提供し、狙いとする顧客層を引きつけるにはどうしても値下げを断行しなければならなかった。「少々利益が減ってもかまわない。むしろ恐れるべきは臆病さだ。臆病さは戦略の刃先を鈍らせる」
・ 目標に近づく「アイデンティティの付与」(流行の最先端、高品質、値段以上の価値を目標にしたグッチ)
・ 考えていることをただ口にするだけではいつまでたっても形にならないが、書き出していくことによって思考に骨組みが生まれ、秩序がもたらされる。
・ 優れた戦略は企業の目標、競争の手段、優位性をはっきりと語っている。(誰に対して/どのような商品・サービスを提供しているか/他社と何が異なり、何が優れているか/その原動力となっているのは何か←簡潔で短く具体的。曖昧な言葉を用いない。読んだ時点でその会社の戦略だとわかる。
・ 私の会社は世界に何をもたらしているか
・ それは重要で我が社独自のものか
・ その独自性は気象でまねしにくいか
・ 明日重要な存在になるために、今日、何をすべきか
・ 新しいことを避ける人と違って「行動の人」は心の中に変化を拒む障壁がない。変化を拒む人は自分の欲求を満たすために仕事をこなし、自分の目的を達成するとそこで仕事を終えるが、行動の人はほかにモチベーションの源がある。彼らは力と達成感を欲するために、前進し続ける
・ 目標と使命の違い。目標:企業が製品に付加する価値や具体的な存在意義、使命:企業のより高次の目標や、社会との関係
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自分自身も好き嫌いにかなり左右される性格かもしれない。
そのため今の仕事のスタイルがあり、生活がある。
好き嫌いを選択できる環境にするためにどうしたらいいか。
好き嫌いを原点にすると決断がしやすくなる。
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著名な経営者の好き嫌いをインタビュー形式でまとめた本。経営は、良い悪いではなく好き嫌いにより独自性が生れ、成長を促すと著者はまとめている。ただ、インタビューはそれぞれの経営者の人間性がわかる内容で、共通して言えることは、権力にしがみつく人間は嫌い、現場にでない人間は嫌い、人によって違うのは、常に自分をギリギリまでに追い込む人もいれば、余裕をもって仕事をする人もいる。著名な経営者の共通項と個性が良くわかる1冊。
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経営者の好き嫌いとパーソナリティの関係から、その人が成功した要員を読み解く。面白い切り口でここの経営者のインタビューから、人柄がにじみ出ている。成功する人間は全員苦労しているし、人引っ張る魅力にあふれている事がよく分かる良書。
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P143 強いものが嫌いだという人が挑戦の対象を選ぶ場合、往々にしてメジャーな方向に行かず、マイナーへマイナーへと行く人がいる。強者へのチャレンジというものがまるでない。自分の心地よい場所に引きこもる。アンチ巨人タイプの人は、単純にマイナー志向というか、世の中のメインストリームから意図的に外れていこうとする面がある。(楠木建)
P357 単純にスキルや良い悪いで人を採るだけでは強い組織にはならない。根底のところで好きなことがかぶっている人たちが自然に集まっている組織が強い会社。
P364 仕事がきつかどうかなどということは、そもそも良し悪しというよりその人の好き嫌いで決まる。(中略)世にいう「ブラック企業、ホワイト企業」は、良し悪しを基準にした話だが、「ピンク企業、ブルー企業」という好き嫌いの色分けのほうが大切。法律違反を別とすれば、ブラック企業だという批判は、そもそも好き嫌いのはずのピンク・ブルー企業問題をあまりにも安易に良し悪しのブラック・ホワイト問題にすり替えている。
P374 経営というのは、インセンティブ(誘因)でどうにかなるほど安直な仕事ではない。大切なのはドライブ(動員)であり、その根底にはその人の好き嫌いとしかいいようのないものが広がっている。経営は客観的な良し悪しだけではなく、好き嫌いが大切。(中略)経営というのは、自分の好き嫌いがわりとストレートに世に問える仕事で、それが商売の醍醐味。
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楽しすぎ。ケタケタ笑って読んでしまった。
自分に近そうなのは、原田さん、新波さん、松本さん。原田さん、変態笑
永守重信
あの頃の苦しさに比べたら、今が苦しいはずがない(p5)
自分が価値を認めないものにお金を費やすことほどの無駄はない。(p15)
経営者の最大の仕事は人心掌握(p22)
いくら嵐が来ても落ちない柿が最後に残るもの。大きな柿をもっと大きくするために、隣の柿を間引くこともある。厳しいことだけど、だから立派な柿ができる。全部の柿を残したら、いい柿も小粒になってしまう(p24)
柳生正
時間×集中度で成果が決まる(p45)
自由主義、資本主義の信奉者が起業家やビジネスパーソンにならないといけない。管理が好きな人がビジネスパーソンになると最悪。人を管理するのが好きな人はたいてい、管理されるのも好き。管理から成功は生まれない。(p56)
その人が持っている能力を阻害するようなことは、やらないほうがいい。(p58)
原田泳幸
禁煙するときは半分残ったたばこを目の前に置いて禁煙する。たばこから逃げない。堂々とたばこに立ち向かって、それで吸わない。(p67)
ジョブズの直感というのは最初の段階では空想物語。しかし、ものすごいこだわりで深く考えることによって、可能性がない空想物語がビジョンとなり、やがてビジネスとして具現化される。空想物語からビジネスまでのプロセスをつなげる力がすごい。だから、しつこさもすごい。100人いたら、100人を納得させて動かす。それがジョブズの強さ。
誰でも何らかの危機に直面するわけですが、そんなときこそ差が出る。どうやってピンチをチャンスに転換していくか、そのプロセスに一番やりがいを感じるし、それをできるのが自分の価値。いわゆるリーダーシップをとる人間としての価値。(p71)
苦しければ苦しいほど、楽しい結果が出る。苦しさが10円玉くらいのときよりも、ひと抱えもあるときのほうが喜びも大きい。(p72)
変わらないし、変えられないのがパーソナリティ(p84)楠
新浪剛史
「自分で作って自分で売る」ほうが能動的だし、リスクテイキングだし激しい。(p89)
世の中には人にかばんを持ってもらいたい人も、それがモチベーションになって偉くなる人もいるが、そういう人を偉くしちゃいけない(p94)
暇な人と付き合っていると自分が駄目になるから喋らないほうがいい。問題は、あまりに暇すぎて、会社でもくだを巻く人がいること。彼らのせいで生産性が落ちる。困るのは、この手の人たちは相手にしないと怒る。(p96)
今までとは違うところから入らないと駄目だと言うと、みんなぽかーんとする。今を守るほうが楽だし、それがいいという価値観を持って年齢を重ねてきた人が多いから。しかし今を前提に動いたら絶対に成功できない。(p104)
佐山展生
私たちの採用の第一条件は「いい人」。どんなに優秀でも人間的によくない人は必要ない。(p116)
私に特徴があるとすれば、自分のことは人に相談しないところ。みんなと違う道を歩いてこそ誰も知らない発見や喜びがある。(p124)
松本大
自分を屯田兵だと思っている。最初から始める仕事は猛烈に苦労するけれど、たまらなく楽しい。それが動き始めて儲かるようになると後輩に譲る。「自分はずっと回転をあげていなきゃいけない、上げていたい」(p147)
ストレスもあるし、嫌いなことが生じるのに構わないわけではないけれど、どこかに行くことに興味があるのではなくて、どこまで行けるかに興味があるタイプ。(p148)
藤田晋
情報と注意は完全にトレードオフ。情報の数が多いと、一つ一つに注がる注意は減る。(p163)楠
出口治明
この世界を理解し、どこを変えたいと思うのか。それは世界を経営するということ。でも世界は広いので、自分はその一部分を受け持つしかない。それがサブシステム。置かれた状況のなかで常に世界を理解し、何を変えたいと思い、何をして生きるのかということ。つまり、世界経営計画のサブシステムを生きることが人間にとって一番大事(p217)
経営者にとって一番重要なものを一つだけ挙げろと言われたら、「人間に対する洞察」というのが僕の答え。管理するのではなくて、統率する。「この人についていこう」と思わせる。(p376)楠
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経営者の好きと嫌いを聞くインタビュー集。
ライフネット生命会長は10人以上いればどこへでも話に行ってくれる。
株主総会で文句を言うなら買わなくてよいという永守。
第一印象でだめな人はだめ。
肩書にこだわる人はかつて浴びていた注目の光を浴び続けたいと思うから。
経営者に大切なのは人間に対する洞察。
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日本を代表する14人の経営者へ「好き嫌い」を軸にインタビューが繰り広げられる。自分も仕事をするうえで何よりも「好き嫌い」を判断基準にしてきたので、「間違ってなかった」と安心する反面、「まだまだ足りない」と焦る。ちなみに「好き嫌い」を仕事の判断基準として考えれば、ブラック企業問題など鼻くそですぞ。
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優れた経営者がどういう人物でどんな思考をするのか、ということを「好き嫌い」を問うことで明らかにしていく
「好き嫌い」という身近な切り口によって、読者も肩ひじ張らずに経営者と向かいあうことが出来る
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”リクルートという幻想(常見陽平)”の参考文献になっていたことから見つけた。最近プロフェッショナルをyoutubeで見ることが趣味であり、日常会話での言葉の言い回しにこそ、そのひとの個性が表れると考え興味を持った。
「まとめ」
コンプライアンスの重要性が叫ばれ、社会的に「良いか悪いか」で議論されることが多い中、経営者自身の「好き嫌い」に焦点を当てて個人の考え方の本質に迫っている。
個人的にハマったのはユニクロの柳井正さん。常に自分を斜め上45度から客観視しているイメージを持った。どのような仕事でも”なぜそれをする必要があるのか”という合理的な根拠があった上で動くことを大切にしている。仕事の成果=時間×集中力(生産性)で決まると本気で思い、それを体現するために行動するあたりが(それに対する批判があることも承知な上で)共感できる部分だった。
他、自分とタイプが違いながらも、興味深いと感じたのは(当時)ローソンの新浪剛史さんとオールアバウトの江幡哲也さん。
新浪さんは、体育会系の清々しい部分だけを切り取ったような人物。相手の事をリスペクトしつつ、(リスペクトしてるからこそ)上下関係なく言いたいことはいう。集団としてのビジョンを大声で言う一方で、一人一人まで気を使うザ体育会系リーダーという感じ。
江幡さんは、バランスの良さが印象に残った。自分で現場を見にいく事を大切にしながら、そこでの思考回路は”相手とのどの部分を抽出できるか”という抽象的な部分。どちらの思考回路も持っているからこそ、成功の再現性が保てるのではないかと感じた。
「感想」
・好き嫌いの軸でひとの話を聞くと、仕事内外含めて個人の特徴が滲み出てくることがわかりそれ自体興味深かった。確かに考えてみれば良し悪しというのは個人の所属している社会によって規定されてしまうため、良し悪しだけの判断では個人の付加価値は出ない。そういった意味で「良し悪しは文明、好き嫌いは文化」という表現はうまい表現だと感じた。
・痴がましい事を承知で書けば自分はこの15人の中では柳井さんの思考回路が最も自分に近いと感じた。自分の意思決定についてなぜという根拠を持って行動する合理主義者。世間の”なんとなく”ということに流されない挑戦のためのストイックな感覚(おそらく人から見ればずれていると思われる事もあるだろうが)ももっと研ぎ澄ませられる自信を持たなくては。
「学び」
・感想部分とは違い、学びが多かったのは江幡さん。顧客視点を持つことは組織内、クライアントとの関係共に大切だと感じる。自分の中で合理性が取れていればいい、というだけではなくそれを常に抽象化して置く意識である。これはイチローからも感じる「成功した要因を自分で説明できるようにする」ことで、自分の中での再現性、組織への再現性、クライアントとの関係の再現性を保ち次のステップに行くことができる。
今まで”常に生産性のある日々を”と将来の合理的な意思決定を大切にしていたが、これを”常に再現性のある日々を”とすることで、着実にステップのある日々を過ごしたい。
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楠木教授が著名な経営者14名へインタビュー。その経営者が「好き」なことと「嫌い」なことに焦点を当てる。経営というと「良い」「悪い」に二分されそうだが、この書籍ではそれを省く。
面白いのは経営者Aが好きなことは、経営者Bは嫌いだったるすることが大いにあること。この対談から見えてきたことを著者は、経営者を動かすエンジンはインセンティブではなく、その人の中から湧き上がる動因、動因とはすなわち好き嫌い、と説く。
他社の方法を、好きでもないのになぞることは必ずしも正しくない。このことは会社組織ではなく個人にも当てはまると個人的には思う。「すべては『好き嫌い』で始まる」の一文は頷ける。
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有名経営者の好き嫌いが激しくてすごく面白かった。"それぞれに異なった好き嫌いを持つ人々が、それを仕事や生活のなかでできるだけ前面に出していく。なおかつ、好き嫌いを異にする人々の間で対立もない。お互いに尊重し合い、共有しあって、世の中が回っていく。これが僕の考える成熟した良い社会です"
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経営者にも様々なタイプがいて、
好き嫌いも違う。
自分と似た真似しやすいタイプから、学ぶ、真似ぶことが大事だ。
というより、
そっちの方が楽しいから好きだ。
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経営者14人の好き嫌いを聞くインタビュー。経営の話もあるがメインは好き嫌いなので他のメディアよりも素の姿が見え隠れする。経営判断は「正しいこと」と「正しいこと」を選ぶこと、その選択には正しさではなく好き嫌いが強く関連している。とりとめもない各インタビューと最後の著者による総括で腹落ち。現実に接している様々なシーンでも意思決定者の好き嫌いが強く影響していることは振り返ればよくある。良い視点を得た。