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「コミュニケーションが場所を作る」
本書に出てきたキーワードをならべてみる。
・ユニーク
・イベント
・ちいさい
・ただ楽しい
・居心地のいい場所
・赤字モデル
・会話
・決めすぎない
・一時的、即興的な面白さ
・ボランティアではない
・コミュニケーションを味わう場
ビジネスの眼鏡で眺めるとそれは違和感を感じるかもしれない。
本書でも触れているように、「お金を出して楽しい出来事を買う」と考えるとしっくりくる。
カラオケや旅行のように「楽しい」からやる。
ただし、それらと決定的に異なるのは、楽しむ人がその企画者、実行者に限られず、不特定多数(少数?)の人にも作用するということだ。
彼らが提供するのは商品やサービスではなく、おそらく一度しか訪れないあろう「場」だ。
それを提供する側も提供される側もその「場」で「楽しみ」を得ることができる。
通常、身内や知人、友人という人間関係で構築されるクローズドな「場」を、カレーという小道具によってオープンにする企てともいえる。
人は日常から意外性を排除する方向に進んでいる。
提供されるモノやサービスは望む方向に進むために利用される。
そこに予定外のことが起こると人は途端にうろたえる。
自分が提供したモノ、カネに見合った結果が得られることが自明であるとみなされる現代に、一回性/意外性というのはとても貴重なことなのかもしれない。
なんというかビジネスにならないフリーミアムといった印象を受ける。
無料で提供するも、その明確な見返りは期待しない。
従来のビジネスにおける「見返り」は期待しない。
もっとプリミティブなところの、「楽しい」を獲得したい。
それだけだ。
おそらくこの「楽しさ」がなくなった時、この活動は終演となるのだろう。
この企てによって得られるものにいろいろな可能性を感じた。
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海士での3日間をご一緒した加藤先生が面白すぎたので、そのときに紹介してもらったカレーキャラバンの話をまとめたこの本を読んでみた。コンセプトはシンプルに保ちつつも、出かけた先のまちとの関係性をつくるためのいろんな秘訣が凝縮されていて、ほんと面白い。読後、むしょうにカレーが食べたくなった&何かいろんな町でできることを私も探したい衝動に駆られる・・・。
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読んでる途中にまさにキャラバンのイベントが行ける範囲であることに!
本に書かれていることがそのままの再現?されていて、心地よく楽しく過ごしました。
突飛なようですが、地域と、街と、そこにたまたま居合わせた人がつながる。
カレー作りも食べることも共有すること、とにかく喋ってつながること、これがコミュニティーの醍醐味だなぁと。
つながりからまた新しいつながりが派生して、旅をしながら活動していく話を聞くことができて、さらに本の内容に深みができました。
食は人をつなげるなーと実感。
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カレー好きな3人が、色々な街に出かけて行って、その土地の地物を使ってカレーを作り、その土地の方々に無料でカレーをふるまう。見知らぬ3人組が突然カレーをふるまうと、地元民達はどんな反応が起こるのか、その筋書きのないコミュニケーションをただただ楽しむ。何の見返りがある訳でもないのに、実に楽しそうにカレーキャラバンを続ける3人。良い具合の肩の力の抜け感、醸し出す雰囲気、とても好きなだなー。カレーを使っての人と人とのコミュニケーションを生み出す場づくりの具体事例として、とても参考になりました。カレーキャラバンが実際にやっているところを見に行ってみよう!
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つながるカレー。最近、自分もカレーにはまり、よく食べに行っている。食事をコミュニケーションのツールとして使うことはよくやっているので、興味を持って読了。
カレーキャラバンの3人はもともと墨東大学という講座のワークショップがきっかけでカレーを作り始めたのだという。
たしかに街角で鍋を炊いていたら気になることは間違いない。加えて、それは全部自費での持ち出しだという。
これは第三者から見たら、どうしてやっているのか聞きたくなるのは間違いない。本書にも書いてあるが、それは「楽しいからやっている」に尽きるという。
私も最近は社外勉強会をよく開催しているが、それも楽しいが継続的にできている理由でもあるので、共感する話だ。
サクッと読めて、ほっこりする。いい本だった。
■目次
つながるカレー/加藤文俊
はじめに ひとと出会い まちでつくる 旅するカレー
1 まちで鍋を炊く
はじまり
カレーという「方法」
石のスープ
鍋のある風景
旅に出る
カレーキャラバンのプロセス
2 場づくりのヒント
まずは食べる 「小鍋会」
関係をつくる 「ミニマム・アーバニズム」
人をいざなう 「編み編む編まれ編むとき編めば」
おすそわけする「Thuisafgehaald(タウスアフヘハールト)」
みんなで囲む 「ビッグランチ」
3 チームで動く
まちを知る方法
調理とコミュニケーション
「旅人」の身軽さ
ちいさなチーム
4 続けるための工夫
「待つ」場づくり
一度かぎりのレシピ
決めすぎないこと
赤字という態度
5 コミュニケーションを味わう「場所」
「居心地のいい場所」をつくる
すべてはコミュニケーションのために
つぎはあなたのまちで
コラム1 絵本のなかのカレー/加藤文俊
カレーキャラバン、まちへゆく/加藤文俊・木村健世・木村亜維子
00 基本のカレーのつくり方
01 おじさんからジョッキビールをもらう。 墨東カレー(東京都墨田区)
02 本格的な道具が増えた。 墨大カレーII(東京都墨田区)
03 はじめての旅。 カミフルカレー(新潟県新潟市上古町)
04 タンドール窯をつくった。 こもろカレー(長野県小諸市)
05 テントも梅酒もいろいろ手に入れた。 たなべカレー(和歌山県田辺市)
06 おばちゃん現る。 みずつちカレー(新潟県新潟市)
07 ポテトに焼き印。 FABカレー(神奈川県鎌倉市)
08 表彰状をいただいた。 やぶきカレー(福島県矢吹町)
09 あれから一年。墨東に里帰り 墨東カレーIII(東京都墨田区)
10 ご近所さんがご飯だけもってきた。 氷見カレー(富山県氷見市)
11 行列ができるカレーキャラバン くにたちカレー(東京都国立市)
12 “引き売りさん"が来た。 たなべカレーII(和歌山県田辺市)
13 たくさんの表情。 のじまカレー(神奈川県横浜市)
14 小さなカレー万博。 FABカレーII(神奈川県横浜市)
15 公園デビューした。 松戸カレー(千葉県松戸市)
16 山でカレーをつくるということ。 ほくとカレー(山梨県北杜市)
17 二回��の年末、カレー納め。 FABカレーIII(神奈川県鎌倉市)
18 お寺でカレーをつくった。 いわきカレー(福島県いわき市)
19 冬の盛岡に行った。 もりおかカレー(岩手県盛岡市)
20 “東京"を食べた。 うのきカレー(東京都大田区)
コラム2 カレーキャラバンの7つ道具/木村健世
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その場にいって他のひとたちと一緒にものがたりをつくる。決めすぎず、無理に呼びこみ引き止めることもせず、出会いと別れをありのままに。それでもつづくコミュニティ。自分がこれからどうあるかについてとても示唆にとんだ内容。
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ソーシャルとかシェアとかレジリアンスとか、そういう実態の感じられないカタカナ言葉なんかいらない、どこかに行ってカレーを作って振る舞ってくる。自分が楽しむんだから、金かかって当たり前。
レシピも再現できない、お金は持ち出し。なぜ、と聞く人もいるようだけど、楽しむのに自腹でやるのは何の不思議もないだろう。
後半の、カレーキャラバン、町へゆく、の各章のコピーは見事だ。
どうか大きなムーブメントとかにならず、楽しくカレーを作り続けてください。楽しそうな人を見るのは楽しいです。
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これは田中元子さんのマイパブリックとグランドレベル、をコーヒーじゃなくてカレーでやる、って話で、とてもおもしろかった。
美味しいものを振る舞うのって、知らない人と仲良くなる近道かもしれん。