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天使の羽根が一つ、星のような光の玉になって落ちてくるところから物語は始まります。
その天使の羽根をりすさんが見つけて拾うと、天使の歌声が聞こえて心が「うきうき わくわく」します。その気持ちを共有しようと、りすさんはきつねさんに羽根を譲ります。きつねさんはくまさんに、くまさんはわにさんに、わにさんはぞうさんに、ぞうさんはねずみさんに羽根を譲っていきます。最後、ねずみさんが読者にその「うきうき わくわく」を譲る、という展開です。途中、ただ「うきうき わくわく」するだけでなく、優しさや温かさを感じ取る動物もいます。
裏表紙のかすや昌宏さんのコメントを読むと「”あなたに あげる”」をテーマに絵本を制作されたそうです。
文章はリズミカルに構成されているので、読み聞かせを楽しめます。全てひらがななので、文字を覚え始めの頃でも読めるかと思います。
イラストはパステルカラーの水彩画のような優しく温かみのある絵で、動物たちを縁取っている虹色の光が、天使の羽根を受け取って「うきうき わくわく」している動物たちの気持ちをよく伝えてくれます。大小様々の動物たちが登場するので、大きさ比べもできます。天使はイラストとして登場しませんので、「天使」という概念のまだない子供にとっては、作中の天使の羽根は「お星様」という捉え方になりました。よくわからないけど、不思議で、幸せの象徴のようなもの。そんな印象を受けるのではないでしょうか。
イラストは好きなのですが、天使の羽根、というと何となく宗教っぽい印象が心に引っかかり、評価を☆3とさせていただきました。
【参考】読み聞かせ:1歳11ヶ月